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研究会での知見 健康経営ビル ④

  • 2024年5月22日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 「オフィス」レベルの知見

  2. 「建物」レベルの知見

  3. 「街レベル」の知見

 

 

これらの前提・論点を元に、「オフィスレベル、建築レベル、街レベル」の3回の研究会を実施し、下記のような知見を得ました。

 

1.「オフィス」レベル:イトーキ株式会社執行役員 八木佳子氏

八木氏は、「健康経営」研究の延長として、経産省のプロジェクトとして岡田邦夫先生と協力して「健康経営オフィス」を研究・提案されて来ました。

「アンケートと位置情報とセンサー」などのデータを組み合わせることによって、従業員の行動をもとに、オフィスの課題を抽出し、これに改善する施策を提案することは可能だと言う事でした。

その一方で「オフィス環境と企業の業績」との相関性については、不確定な要素が多いため、特定できていないと言うのが実情で、オフィス環境については、「こんなオフィスで働きたい」と言う訴求ポイントに掲げるのが現実的だと言うご意見でした。

さらに、デロイトとの共同研究によって「ビルオーナー側の提供価値としてマインドフルネス系の施設が有効」だと指摘されています。

 

2.「建物」レベル:千葉大学大学院建築学コース准教授 林立也氏

「CASBEEウェルネスオフィス(CWO)」を開発した千葉大学准教授の林氏によると、オフィスにおけるウェルネス価値として「健康+生産性」を抽出し、様々なエビデンスで裏付けをした体系化が可能だとされています。

  1. ESG投資への対応が不可欠な企業環境

  2. 「省エネよりも生産性」ビル入居企業の経営者視点の重要性

  3. ビル全体に関する基本性能(健康性・快適性/利便性/安全性)さらに運営管理、プログラムなど60項目による評価

  4. ウエルネスオフィスであれば、5.6%追加支払いしても良いと言う調査結果と、CWOスコア1点あたり234円/坪の賃料上昇が見込まれる調査結果を得る。

「CASBEEウエルネスオフィス」は、建築スペックと共用施設などを網羅しており、「健康経営ビルディング」を検討する上で、非常に参考になると感じました。

ただ「CASBEE」に位置付けられているため、建築系の関係者への認知が中心で、経営者層にその有効性が理解されていない点が勿体無いと思いました。

この「CASBEEウェルネスオフィス」を「健康経営」の土俵で見直すことが有効だと考えます。

 

3.「街」レベル:千葉大学予防医療センター教授 近藤克則氏

「ゼロ次予防の健康まちづくり」を提唱する千葉大学予防医療センター教授の近藤氏によると、運動と介護サービスコストの抑制効果との相関性については、かなり研究が進み、国交省が「0.065-0.072円/歩/日:1日+1500歩で、年間約3、5万円の医療費抑制効果(歩行による医療費抑制効果の可視化:健康原単位)」を試算するまでになっていると言うことです。

これを街づくりに活用する方策として、既に社会保障費用の減額分を原資にしたPFS(成果還元型民間委託)や、SIB(ソーシャル・インパクトボンド)などの仕組みが検討されていると言います。

現状は社会実験段階で、社会実装にあたっては、個別企業では難しく、個々の分野技術を総合的・横断的に活用できるプラットフォームの構築が必要だと指摘されました。

近藤氏を中心に、業界横断のコンソーシアムを検討中だと言うことでした。

近い将来「街丸ごと健康促進事業」と言うビジネスも生まれることが期待できます。

 
 
 

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