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都市の未来 マインド・メイキング ⑩ -共感と持続性を生む都市の新しいかたち-
【内容】 第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ 第2章 共感を軸にした新しい経済モデル 第3章 「共感でつながる都市」がもたらす未来 第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ これまでの都市開発は、土地の有効活用や機能配置、商業性の最適化など、目に見える成果を中心に進められてきました。 しかし成熟社会では、人々の評価軸が大きく変化しています。 利便性や効率性だけでは選ばれず、「この街はどんな考え方でつくられているのか」「ここで過ごす時間にどんな価値があるのか」といった“意味”が重視されるようになりました。 この変化に応えるのが、マインド・メイキングの考え方です。 これは建築や施設を「形として完成させる」ことを目的とせず、その街が大切にする価値観や姿勢を空間・活動・コミュニティを通じて具体化していく手法です。 言い換えれば、「建設」ではなく「意味の編集」に重点を置く都市開発です。 このアプローチを導入することで、都市は単なる不動産の集合ではなく、「共感の場」へと変化します。 建築家やデベロッパーだけでなく、住民、企業、ア
2 日前読了時間: 4分
事業価値 マインド・メイキング ⑨ -「共感」を経済のエンジンに変える都市開発モデル-
【内容】 第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ 第2章 3つの収益ドライバー:会員・推し活・ブランド価値 第3章 共感が循環する持続型都市経済モデルへ 第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ これまでの都市開発は、テナント収益や物販売上など、従来型の商業収益を基盤としてきました。しかし、成熟社会において人々の消費行動は大きく変化しています。 物やサービスを「便利だから」「安いから」ではなく、「自分の想いと重なるから」「誰かや地域を応援したいから」という理由で選ぶ時代になっています。 この価値観の変化に対応するのがマインド・メイキングの発想です。 施設やエリアの中心に理念(マインド)を置き、その理念に共感した人々が、体験・参加・発信を通じて経済活動に関わる仕組みをつくります。 つまり、経済の基盤を“効率”から“共感”へと転換し、街全体を「共感が循環するエコシステム」として再構築するのです。 マインド・メイキングの事業価値は、従来の収益軸とは異なり、①会員収入(安定収益)②推し活商業収入(参加収益)③地域ブランド価値(発信収益)という三
6 日前読了時間: 4分
方策3:時間プログラムの設計思想:マインド・メイキング ⑧ - 季節とともに生きる都市のリズム -
【内容】 第1章 時間の流れをデザインするという発想 第2章 季節と共に育つプログラムの仕組み 第3章 「再来訪」が生み出す都市の持続可能性 第1章 時間の流れをデザインするという発想 マインド・メイキングの考え方では、建物や空間の形だけでなく、「時間の流れ」そのものをデザインすることが大切だと考えます。 都市や施設は、一度完成したら終わりではなく、人々が訪れ、過ごし、また戻ってくることで成熟していく“生きもの”のような存在です。 そのためには、場所に“再会のリズム”を与える仕組みが必要です。 現代社会では、多くの空間が「消費のサイクル」で動いています。 セールやイベントなどの短期的な集客はできても、人々の心に長く残る“季節の記憶”が育ちにくいのが現状です。 だからこそ、マインド・メイキングでは、理念を時間軸で継続させる「時感プログラム」の設計が欠かせません。 時間をデザインするとは、四季や風土の変化を“共に感じる場”をつくることです。 春の芽吹き、夏の光、秋の実り、冬の静けさ――こうした自然のリズムに寄り添う活動を重ねることで、人々の中
2月6日読了時間: 4分
方策2:体験導線の設計 マインド・メイキング ⑦ -「気づき→学ぶ→行動→推す」が生み出す共感の循環-
【内容】 第1章 体験を通じて理念を“生きた価値”にする 第2章 「気づき→学ぶ→行動→推す」の四段階の意味 第3章 共感の循環が生み出す都市の新しい力 第1章 体験を通じて理念を“生きた価値”にする 現代の都市や施設では、どれほど立派な理念を掲げても、人々の心に届かないことがあります。 その理由は、理念が「読むもの」や「見るもの」にとどまり、実際に“体験する”形に変換されていないからです。 人は、身体を通してはじめて意味を実感します。見るだけでなく、感じ、動き、共有することで、理念は記憶となり、行動へと変わっていきます。 この「理念を体験に翻訳する」考え方が、スピリットメイキングの核心にあります。 特に「気づき→学ぶ→行動→推す」という四段階の心理的導線は、人の内面の変化を自然な流れとして設計するための基本構造です。 これは宗教的な意味ではなく、人が“心を開き、理解し、実践し、共感を広げる”という人間的な学びのプロセスそのものを空間体験として組み立てる手法です。 この四段階は、単なる順番ではなく、来訪者の意識を“受動”から“能動”へと移
2月4日読了時間: 4分
方策1:環境モチーフの考え方 マインド・メイキング ⑥
【内容】 第1章 環境モチーフとは「人と場所をつなぐ仕組み」 第2章 本質を形にする6つの考え方 第3章 環境モチーフを実現するための進め方 第1章 環境モチーフとは「人と場所をつなぐ仕組み」 従来、都市や建築のモチーフは「自然」「和」「文化」などの象徴を形にする装飾的なテーマとして扱われてきました。 しかしマインド・メイキングの考え方では、環境モチーフとは単なる形やデザインではなく、「人と場所の関係をつくる仕組み」です。 つまり、環境モチーフは見るものではなく、感じ、関わるものです。 人が歩き、座り、触れ、語り合うその行為の中に、場所の意味が自然に伝わっていくように設計します。 そこにある素材や光、音、風といった要素は、特定の象徴を表すためではなく、人の心や身体を動かすために機能します。 マインド・メイキングの空間設計では、象徴を固定せず、時とともに変化し続ける関係を大切にします。 ある場所では“静けさ”が、別の場所では“共に過ごす時間”が中心となるように、環境モチーフは柔らかく、流れるように存在するのです。 第2章 本質を形にする6つ
2月2日読了時間: 3分
基本方針 マインド・メイキング ⑤
【内容】 第1章 「意味を再生する都市」への転換 第2章 「ハード・ソフト・マインド」の統合的実践 第3章 実装の設計思想 ― 空間・体験・時間の三層構成 第1章 「意味を再生する都市」への転換 これまでの都市開発は、交通利便性や床効率、商業集積による経済性を最優先してきました。しかし現代では、人々は“便利さ”や“効率”よりも、“共感できるストーリー”や“自分の価値観と重なる体験”を求めています。 背景には、 ①モノ消費からコト・イミ消費への転換、 ②共感を基盤としたコミュニティ形成の重視、 ③ウェルビーイングや地域アイデンティティへの関心の高まり、 という三つの流れがあります。 この新たな時代に対応する考え方が「マインド・メイキング(Mind Making)」です。 これは宗教的な精神論ではなく、場所の理念や文化的背景を可視化し、人々が共感を通じてつながる都市デザインのアプローチです。 開発を単なるインフラ整備ではなく、「人と社会の価値観を編集する行為」として再定義することで、都市そのものが“意味のある場”として再生します。 ...
1月30日読了時間: 4分
実現に向けた課題 マインドメイキング ④ - “共感密度”で価値を測る時代の都市投資へ-
【内容】 第1章 人口や通行量では測れない時代に 第2章 共感コミュニティを基盤にした複層的な事業構造へ 第3章 共感密度を可視化する新しい評価と連携 第1章 人口や通行量では測れない時代に これまでの都市開発や不動産投資は、人口規模や通行者数を基準にして「人の数」で価値を判断してきました。 人が多ければ売上が上がり、賃料も上がる――そんな数量依存の発想が長く支配してきたのです。しかし、少子高齢化や価値観の多様化が進む現在、もはや“数の多さ=価値の大きさ”とは限りません。 多くの人が行き交っても、その場所に共感や愛着がなければ、長期的な繁栄は生まれません。 今、都市に問われているのは「何人が来たか」ではなく、「どれだけ深く共感されているか」です。この新しい尺度を表す言葉が“共感密度”と言えます。 共感密度とは、その場所に対して人々がどれだけの感情的つながりや信頼、参加意欲を持っているかを示す指標です。 人流の量ではなく、共感の“濃さ”が街の価値を決める。これがマインド・メイキングの根本的な発想です。 つまり、都市開発の目的は、単に施設を建
1月28日読了時間: 4分
都市論の変遷 マインド・メイキング ③
【内容】 第1章 モダニズム都市から「人間の都市」への転換 第2章 プレイス・メイキングの成熟と限界 第3章 マインド・メイキングへの進化:意味の再生としての都市 第1章 モダニズム都市から「人間の都市」への転換 20世紀初頭、都市開発の主流は、合理性と機能性を最優先するモダニズム都市論でした。 ル・コルビュジエに代表されるこの思想は、都市を「機械」と捉え、ゾーニングや交通効率によって秩序を実現しようとしました。 しかし、高度経済成長期を経て、こうした都市は整然としていても、どこか無機質で“人の温度を失った街”となりました。 1960年代以降、この反省から登場したのが、人間中心の都市論です。 ジェイン・ジェイコブズの『アメリカ大都市の死と生』は、「街の豊かさは多様な人の活動が生む」と訴え、ウィリアム・ホワイトやケヴィン・リンチも「人間の感覚と記憶に根ざした都市像」を提示しました。これらの潮流は、都市を“構造物”ではなく“人間的な生態系”として捉え直す契機となり、以降のプレイス・メイキング(Place Making)の基礎を形づくりました。
1月26日読了時間: 4分
定義と位置付け マインド・メイキング ②
【内容】 第1章 マインド・メイキングとは何か 第2章 社会の変化とマインド・メイキングの必要性 第3章 マインド・メイキングの位置付けと展望 第1章 マインド・メイキングとは何か マインド・メイキングとは、一言でいえば「場所に心を宿す開発手法」です。これまでの都市開発や商業施設づくりは、建物やテナントを整備し、機能的に人を集める「プレイス・メイキング(Place Making)」を中心としてきました。 しかし現代社会では、単に“整った場所”だけでは人の心は動かなくなっています。求められているのは、「この場所が何を大切にしているのか」という価値観や物語です。マインド・メイキングは、物理的な空間を超え、その場所の 精神(マインド)=理念・祈り・信念を形づくることを目的としています。 つまり、建物やデザインを“入れ物”とするなら、その中に宿る“魂”を共創する行為です。 この考え方は、宗教的な意味での信仰ではなく、「共感」「意味」「つながり」という現代的な精神性に基づいています。 商業施設を“売るための空間”から“共感が循環する空間”へと進化さ
1月23日読了時間: 4分
今なぜマインドメイキングなのか マインドメイキング ①
【内容】 第1章 「機能の街」から「意味の街」へ 第2章 「共感経済」が都市を動かす時代 第3章 “心の拠点”としての商業施設へ 第1章 「機能の街」から「意味の街」へ これまでの都市開発や商業施設づくりは、主に「機能」と「収益性」によって評価されてきました。 交通の利便性、賃料効率、テナントミックス、集客イベントなど、数値で測れる成果を積み上げることが成功の証でした。 しかし、社会が成熟し、モノも情報も十分に行き渡った今、人々は「何を持つか」より「何を信頼し、どこに共感するか」を重視するようになっています。 この変化の中で、開発の中心に求められているのは、単なる「にぎわい」ではなく「共感」と「物語」です。 つまり、“どんな意味をもつ場所か”が問われる時代なのです。 マインド・メイキングとは、こうした社会の意識変化に応える新しい開発思想です。 場所に「心」や「理念」を宿し、人々がその価値観に共感して集まる——それが、次の時代の街づくりの基本軸になるのではないでしょうか。 第2章 「共感経済」が都市を動かす時代 Z世代やミレニアル層を中心に
1月21日読了時間: 3分
日本バリュー化の効果 日本バリュー都市 ⑩
【内容】 第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 第2章 エンゲージメントと関係人口の拡大効果 第3章 持続的な収益化とデータ循環による進化効果 第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 ブランド価値化の第一に期待できる効果は、都市の魅力が多層的に可視化され、他都市との差別化が明確になる点です。 従来の都市開発では、商業施設や交通利便性といった「機能の充実」が重視されてきましたが、それだけでは長期的な魅力としては不十分であり、競合都市との差異化も難しい状況にありました。 そこで、方策1で掲げた 「Calming/Playful/Healthy/Careful」という4つの価値をゾーニングとして実装する手法 が効果を発揮します。 Calmingが示す静穏性や余白は、都市の中で心を休める時間を提供し、居住者や来訪者のウェルビーイングを高めます。 Playfulが創出する驚きや遊び心は、街歩きそのものを魅力的な体験に変えます。Healthyの要素は食や運動を通じて健康意識を自然に育み、Carefulは職人技やリペア文化を通じて「ものを大切にする暮らし
1月19日読了時間: 3分
方策3:“モノより体験”の事業モデル化+データ循環 日本バリュー都市 ⑨
【内容】 第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 第2章 事業モデルと具体施策 第3章 KPIとデータ循環による持続性 第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 近年の都市開発や観光戦略においては、「モノ」中心の消費から「体験」中心の価値提供へと大きく軸足が移りつつあります。 背景には、内閣官房が示した「New Cool Japan Strategy 2024」が掲げる「モノより体験」という政策方針があります。 都市における購買行動もまた、単に商品を売買するだけでは持続的な成長につながらず、そこで得られる体験や学び、そしてそれを誰かと共有する価値こそが、リピーターやファンを育てる力となります。 この潮流を踏まえると、都市を単なる「モノの消費の場」として設計するのではなく、「体験に対して課金が生まれる場」「体験を通じて人がつながる場」として再定義することが求められます。 そのためには、街区単位で体験課金モデルを実装し、持続可能な収益源を確保すると同時に、政策が掲げる高付加価値化の循環へとつなげていくことが必要です。...
1月16日読了時間: 4分
方策2:“共体験”ドリブンのプログラム設計 日本バリュー都市 ⑧
【内容】 第1章 都市における「共体験」の意義 第2章 プログラム設計の具体像 第3章 都市に埋め込まれる導線と効果 第1章 都市における「共体験」の意義 現代の都市は、多様な文化や人々が集まり交差する舞台でありながら、その交流が十分に深まらないまま通過的に終わってしまう場面が少なくありません。 商業施設や観光資源は整っていても、それを通じて「人と人が一緒に体験する時間」をどう生み出すかが、都市の魅力を左右する重要な課題となっています。 経済産業省の調査が示すように、 海外の人々が日本を強く魅力的に感じる決定打は、単にモノや観光名所を消費することではなく、日本人や他の参加者と「共に学ぶ」「共に食べる」「共に語る」といった**共体験(co-experience)**にあるとされています。 この「共体験」は、単なる思い出づくりにとどまらず、人々の心に長期的な愛着を育みます。 例えば、街角での偶発的な交流や、食卓を囲んでの語らいは、訪問者にとって都市を「特別な場所」と感じさせるきっかけとなります。 都市開発においては、この共体験を一時的なイベントに
1月14日読了時間: 4分
方策1:4価値×都市要素のゾーニング実装 日本バリュー都市 ⑦
【内容】 第1章 「4価値」を都市に実装する意味 第2章 ゾーニングによる実装の方向性 第3章 街全体を「価値の地図」とする未来像 第1章 「4価値」を都市に実装する意味 現代の都市開発においては、単なる機能性や利便性だけではなく、人々がその街に愛着を持ち、心身ともに豊かに過ごせる環境づくりが求められています。 その実現のために、経済産業省が示す「日本のブランド価値」の四つの軸、すなわち Calming(心が落ち着く体験)/Playful(遊び心ある多様な体験)/Healthy(健康的な暮らし)/Careful(丁寧な暮らし) を都市開発に落とし込むことが重要です。 これらの価値は、従来の都市計画で重視されてきた交通や商業機能といった「利便性中心の設計」から一歩進み、街そのものを「暮らしと体験のプラットフォーム」として再定義する視座を提供します。 日本は世界的なブランド調査において「信頼できる」「他にない独自性」を高く評価されておりますが、その評価を都市空間に反映することで、来訪者や居住者にとっての満足度は格段に高まります。...
1月9日読了時間: 4分
基本方針 日本バリュー都市 ⑥
【内容】 第1章 国際的潮流と日本ブランドの追い風 第2章 都市開発における既存の課題 第3章 基本的視点と今後の実装方向 第1章 国際的潮流と日本ブランドの追い風 ここで、これまでの論点を整理しておきます。 近年、日本のブランド価値は国際社会で高く評価されています。 Anholt-Ipsos Nation Brands Index 2023において、日本は初めて総合1位を獲得し、「信頼できる国」「独自性を持つ国」としての地位を確立しました。 さらに、政府が打ち出した「New Cool Japan Strategy 2024」では、“モノより体験”を軸にした高付加価値化が明確に掲げられています こうした政策や評価の高まりは、都市開発における日本ブランド活用を後押しする追い風となっています。 同時に、欧米やアジアの大都市圏で暮らす富裕層や文化志向層が拡大し、「本物志向」「体験重視」「サステナビリティ志向」が定着していることも注目すべき変化です。 日本の食文化や工芸、伝統芸能からアニメやゲームまで、多様な文化資源はこうした志向に合致しており、都
1月7日読了時間: 4分
日本バリュー都市化の課題 日本バリュー都市 ⑤
【内容】 第1章 定性的知見と定量実装の橋渡し不足 第2章 入口偏重の是正とアクセス障壁の解消 第3章 ネガティブ体験の緩和とインクルーシブ設計の標準化 第1章 定性的知見と定量実装の橋渡し不足 これまでの日本ブランド価値研究は、海外から日本に寄せられる関心や好意の構造を、豊かな定性的知見として可視化してきました。 しかし、都市実装という観点からみると、この定性的成果を実際の都市経営やプロジェクトに落とし込む際の 「量的な検証設計」が十分に整備されていないという課題が残ります。 都市開発においては、政策や事業の成否を明確に測定可能な形に落とし込む必要があります。 すなわち、KPIの策定やデータ連携の設計を通じて、「ブランド価値が都市の来訪者数や滞在時間、消費行動にどのように波及するのか」を測定できる仕組みを作り込むことが不可欠です。 特に国際比較の可能な数値指標や、来訪者IDと連動したデータ基盤の整備は、都市PM(プロジェクトマネージャー)にとって喫緊の課題であり、今後の都市ブランド戦略の持続性を担保する要となります。 第2章 入口偏重の
1月5日読了時間: 3分
関連研究の変遷 日本バリュー都市 ④
【内容】 第1章 国家ブランドとクールジャパンの萌芽(2000年代前半) 第2章 政策実装と事業化の進展(2010年代) 第3章 体験価値と定性的解像の時代(2020年代) 第1章 国家ブランドとクールジャパンの萌芽(2000年代前半) 2000年代前半、日本のブランド価値研究は「国家ブランド」という国際的な概念と連動して広まりました。 当時はグローバル競争が激化し、モノづくりだけでなく文化・イメージの重要性が認識されるようになりました。特に「クールジャパン」という表現が政策言説に登場し、日本のアニメ、マンガ、ファッション、食文化などが国の競争力を高めるソフトパワー資源として注目されました。首相官邸や経済産業省の知財戦略では、文化を知的財産として位置づけ、国家戦略の柱に据える試みが始まりました。 ここでの議論は、まだ「概念」や「方向性」の域を出ていませんでしたが、日本ブランドを文化と結びつけて語る基盤が整った時期といえます。 第2章 政策実装と事業化の進展(2010年代) 2010年代に入ると、「日本再興戦略」や2013年のクールジャパン機構
2025年12月29日読了時間: 3分
日本ブランドの価値 日本バリュー都市 ③
【内容】 第1章 日本ブランド価値の4象限と精神的基盤 第2章 エンゲージメント階層と「恋に落ちる」瞬間 第3章 都市に求められる役割とブランド価値の可視化 第1章 日本ブランド価値の4象限と精神的基盤 前述の報告書において日本のブランド価値は、海外ユーザーの調査において大きく4つの象限に整理されています。 第一に 「心が落ち着く体験(Calming)」 であり、自然や静けさ、余白を大切にする文化が生み出す安心感です。 第二に 「遊び心ある多様な体験(Playful)」 で、マンガやアニメ、ゲームをはじめとした創造的で自由な文化に象徴されます。 第三に 「健康的な暮らし(Healthy Living)」 で、食習慣や身体活動、長寿文化が支持されています。 第四に 「丁寧な暮らし(Careful Living)」 で、細部までこだわり抜いた職人技や日常の規律性が評価されています。 さらに、これらの象限を支える深層には「日本的精神性」が存在します。 禅に代表される静謐の美学、アニミズム的な自然観、そして「未完の美」に象徴される余白を残す価値観
2025年12月26日読了時間: 3分
元研究の整理と確認 日本バリュー都市 ②
【内容】 第1章 調査内容とアプローチ 第2章 主な知見と発見 第3章 提言と政策的な示唆 今回の検討の元になっているのは「Japan Brand Image Research」(令和4年度 海外需要拡大事業/国際競争力強化に向けた日本ブランド力に関する調査研究事業)で、経済産業省(METI)が事業主体であり、 クールジャパン政策課 のもとで企画・実施されたものです。以下に要点を整理します。 第1章 調査内容とアプローチ この調査は、海外都市における日本ブランドへの評価を「生活者の視点」から深く理解し、今後のブランド価値拡大のための知見を得ることを目的としています。 具体的には、ロンドン、ベルリン/パリ、ニューヨーク、シンガポールという世界の主要都市5拠点を対象に、専門家インタビュー(エキスパート)、ユーザーヒアリング(現地生活者)、現地施設の観察(サイトビジット)、SNS・オンライン上のビジュアル調査などを組み合わせて実施されています。 さらに、定性調査の成果を基に、将来的な量的調査(アンケート等)で測定すべき指標・調査項目も提案されており
2025年12月24日読了時間: 4分
なぜ今日本バリューなのか? 日本バリュー都市 ①
【内容】 第1章 国際的な日本バリューの追い風と都市開発の接続性 第2章 体験価値志向と日本文化の親和性 第3章 観光・就労・居住のハイブリッド時代における都市の役割 第1章 国際的な日本バリューの追い風と都市開発の接続性 近年、都市開発の文脈で「日本のブランド価値(=日本バリュー)」を活用することの有効性が一層高まっています。 その背景には、 まず国際社会における日本の評価の上昇があります。 Anholt-Ipsos Nation Brands Index 2023 では、日本が初めて総合1位を獲得しました。これは「信頼できる国」「独自性を持つ国」としてのイメージが世界的に確立されたことを示しており、都市開発においても大きな“下駄”を履ける状況にあります。 都市間競争が激化する中で、開発の担い手は単なる不動産価値の向上だけでなく、「日本という国民ブランドの力」を戦略的に活かすことができるのです。 さらに 注目すべきは、ブランド価値が「都市」というスケールで最も体感されやすい点です。 国際的に訪れる人々にとって、街の景観や施設は日本の信頼性や
2025年12月22日読了時間: 4分
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