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実践の日本 コンセプトのアメリカ シン都市経営 ③

  • 2025年8月18日
  • 読了時間: 4分

【内容】

  1. 日本が捨てた「経営」、アメリカが学んだ「経営」

  2. アメリカ発の経営コンセプトの逆輸入

  3. イノベーションを誘発する原理

 

1.日本が捨てた「経営」、アメリカが学んだ「経営」

かつて日本企業は、民主的な価値創造の仕組みを、「製造業」を中心に高度に実践してきました。

しかし、プラザ合意を主導したレーガン大統領やボドリッジ商務長官が、日本型の経営技術を「全社的品質管理(TQC)」として再定義し、大統領表彰制度を創設して普及を促します。

さらにアメリカでは製造業だけでなく、病院や学校、ソフトウェア開発など多種多様な分野へと応用を進めていきました。

またボストン・コンサルティング・グループをはじめとする戦略コンサルティングファームは、トヨタ生産方式に学んだ「経営技術」から、リーン・スタートアップやアジャイルなどのコンセプトを生み出し、世界に広めていきます。

 

2.アメリカ発の経営コンセプトの逆輸入

ところが日本では、平成に入ってから自国が持っていた強みを手放し、逆にアメリカで抽象化・一般化されたコンセプトを逆輸入する流れが主流になりました。

実際に、日本企業の現場力は優れていたにもかかわらず、「両利きの経営」や「オープンイノベーション」など、多くのアイデアの源流が日本にあったとは認知されていないようです。

こうした背景には、日本の産官学がコンセプト化やパッケージ化を苦手とし、アメリカの経営理論が世界に向けて販売されている現状があります。

もちろん日本発の理論や技術が全くないわけではありません。

野中郁次郎氏の「知識創造理論」やデンソーで開発されたQRコード、ヤマト運輸のコールドチェーンなどは、数少ない成功事例です。

しかし、企業活動で積み上げられた日々の知恵こそが、本来は大きな経営技術となるはずなのに、それが形を変えて外資系コンサルティングファームから巨額の対価で再び買い戻される構図が生まれています。

アメリカは日本の「カイゼン活動」すらも、輸出産業化しています。

「カイゼン活動」はその規模によって、小規模から全社的なイノベーションまで展開する可能性を秘めています。

日本が自国の経営技術に対する信念を弱めたことで、抽象化の力においても後れを取っているのが現状といえます。

 

3.イノベーションを誘発する原理

岩尾さんは、「資金やアイデアを持つ人のネットワークが広がり、フットワークや視野が拡大すれば、大きなイノベーションを引き起こしやすい」と言うシミュレーション結果を引用されています。

  1. すべての人間のフットワークと視野が狭い「村社会型」:イノベーションが一回だけ起きると言うシミュレーション結果です。

  2. 資産家とアイデアマンを近づけた「リーン・スタートアップ型」:シミュレーションでは、小さなイノベーションが大量発生しました。

  3. 視野とフットワークを10倍にする「梁山泊型」:小さなイノベーションが起きたあと大きなイノベーションにつながると言う結果になっています。

  4. 視野のみ10倍にした「科学者集団型」:シミュレーションでは、イノベーションは創出されませんでした。

  5. フットワークのみ10倍にした「企業サークル型」:小さなイノベーションばかり起こると言う結果でした。

  6. 科学者集団+フィクサー「プロデュース型」:シミュレーションによると一気にイノベーションが起こりやすくなっています。

①「村社会型」はもちろん④「科学者集団型」でも、イノベーションは起こりにくく、③「梁山泊型」や⑥「プロデュース型」のように、異分野融合を促すことが重要なようです。

 

限られた資源の中でも価値創造の可能性は無限に広がっており、それを信じ抜く力こそが、これからの日本企業の未来を切り開く原動力になると言うのが岩尾さんの主張です。

日本が本来備えていた強みをもう一度見直し、自分たちの知恵をコンセプト化・一般化して、発信・共有していく努力が必要ではないでしょうか。

 

 
 
 

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