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価値創造三種の神器 シン都市経営 ④

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 8月20日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 未来創造の円形

  2. 問題解決の三角形

  3. 七転八起の四角形



    岩尾さんが提唱する「価値創造三種の神器:⑴未来創造の円形⑵問題解決の三角形⑶七転八起の四角形」について解説します。


    価値創造三種の神器」は、どんな問題も自分の力の及ぶ範囲で解決していくための思考道具です。

     

1.未来創造の円形

「未来創造の円形」は、三層構造の円になっています。

まず円の中央に自分の根源的な「欲望」を書き込みます。

次に二層目の円で、その欲望の表現を「奪うから創る」へと変換してみます。これで「欲望」が「目標」に変換されます。

さらに三層目の円では、「利己から利他へ」という視点を持つためにはどう行動すればよいかを検討します。これで「目標」が周囲を巻き込む「ビジョン」に変換されます。

未来創造の円形は、自分の根源的な「欲望」を起点にしながら、創造志向や利他思考によって昇華させていくことで、キレイ事だけではない持続性のある「ビジョン」を描くことができる思考ツールです。

 

2.問題解決の三角形

続いて「問題解決の三角形」をご紹介します。

こちらは「問題の三角形」と「解決の三角形」の二つで構成されます。

まずは左側の「問題の三角形」の頂部に自分が抱える悩みを書き込みます。

その悩みを「○○するか」「○○しないか」という対立の形に分解して下部の二つの円に配置し、三角形を完成させます。

そして右側の「解決の三角形」では、最上部に「究極の目的」を書き込みます。これは「自分の目的は何なのか」「自分は何をしたいのか」という問いへの答えであり、どうしてもわからなければ「幸せに生きる」と書いても構いません。

次に、「問題の三角形」で設定した対立する二つの手段が、その「究極の目的」にどのように寄与するのかをそれぞれ検討し、「解決の三角形」の下部に書き込みます。

最後に、「問題の三角形」には大きく「×」を描き、「解決の三角形」だけを眺めながら、三つの円(目的と二つの寄与)をすべて満たすような解決策を考えてみるのです。

この思考ツールによって、分断を煽るような単純な対立構造ではなく、対立を肯定的・創造的に乗り越えていく思考を身につけることが可能になります。

 

3.七転八起の四角形

最後は「七転八起の四角形」です。

まず左上に、過去の出来事やいま自分を悩ませる現実を書き込みます。

これは「自分ではどうしようもなく、過去と割り切ってしまった方がよい現実」あるいは「自分を今も悩ませている過去の出来事」などになります。

続いて左下に、その「出来事のプラスの側面」を探して書き込みます。見つからなければ「得られた学び」を書いてもよいです。

そして右下には「マイナスの側面」を記入します。

最後に右上の領域には、「マイナスの側面」だけに集中して、そのマイナスを打ち消す「次の一手」を見つけて書き込みます。

描き終えたら「七転八起の四角形」を、左上から左下、右下、右上への流れで何度も見つめ直すことで、思いがけない効果に気づくことになると言います。

「これはこれで良かったかもしれない」という捉え直しの感覚を得られるようにする思考ツールです。

 

繰り返しになりますが、「価値創造三種の神器」は、あらゆる問題を自分の力の及ぶ範囲で創造的に解決するための思考ツールです。

たとえ優秀な人であっても、悩みという非生産的な活動に貴重な脳のリソースを費やしていては、良い方向には進みづらいものです。

現状を肯定的に捉えなおし、誰よりも前向きに次の一手を打ち続けることで、必ずや人生は好転していくといいます。

岩尾さん自身が、このツールを活用して、「どん底」から這い上がったと言う実践経験をお持ちです。これらの思考ツールを活用し、対立や過去の不幸を創造的に克服していくことが可能になるのではないでしょうか。

 
 
 

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