top of page

CAMPUS2.0 ④ 時代が求める知性への対応

  • 2022年4月25日
  • 読了時間: 2分

時代が求める人材や知性に対応しようとする動きもあります。東京大学の2019年入学式での上野千鶴子東大名誉教授の祝辞は「女子学生が置かれている現実」の部分が注目を浴びましたが、後半の「(東京)大学で学ぶ価値」の部分を評価する声も多いのです。「大学で学ぶ価値とは、既にある知を身につけるのではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知(メタ知識)を身につけることだと確信している」という内容です。ただの知識量を競うのであればスマホやパソコンにでも任せればいい訳で、世界中のデータベースにあるデータや情報などを有機的に結びつけ、新しい価値を創出する「メタ知識の獲得」こそが重要だということです。一般的な講義はデジタルコンテンツとして収集、伝授すれば事足ります。「正解のないテーマ」に挑み、教員とともにマンツーマンで徹底して考え抜きながら、研究して、論理的思考能力を鍛え、新しい価値を創出するための、情報の選択と編集などの方法論を学ぶ場、知力を鍛える場こそ大学の価値と言えるのではないでしょうか。

また2022年度からの高校教科書改訂では、社会科を例にとると、暗記ではなく考える授業が導入されるようです。「公共」という教科では、社会課題を題材にステイクホルダー同士の板挟み状態や想定外の状況変化などの問題を考えるプロセスがあるようです。外野から文句だけをいう人を減らして、答えのない問題を逃げずに向き合う人をリスペクトできる、ステイクホルダーの立場を理解し、応援できる人材を育てる事が狙いのようです。今回のコロナ禍を経て、現実社会において命を守ることと経済を回すことの二項対立が、如何に難しいのかを誰もが痛感しました。もちろん正解などわからないかもしれませんが、高校時代の社会科教育で、人間社会が過去から現代まで、どのように対立・紛争・協調を繰り返してきたかを学び考えることは、非常に有益ではないでしょうか。

教育を取り巻く環境は、保守的な視点と革新的な試みとがせめぎ合いながら、極めて少しずつですが、方向転換が図られようとしていました。そんな時にコロナ禍が起こり、オンライン授業が強制されるのです。


 
 
 

最新記事

すべて表示
ご近所資本主義の効用 ご近所資本主義 ⑨

【内容】 第1章 地域経済と都市の構造が変わる 第2章 文化・行政・教育への広がり 第3章 個人の幸福と社会の未来     第1章 地域経済と都市の構造が変わる ご近所資本主義が浸透すると、地域経済のあり方は大きく変化します。 これまでの地域経済は、外部資本の誘致や集客数の増加といった「成長」や「拡大」を目標としてきました。しかしその結果、地域で生まれたお金が地域外へ流出し、地元の商いや雇用が不安

 
 
 
方策3:幸福圏づくり ご近所資本主義 ⑧

【内容】 第1章 なぜ「半径500mの幸福圏」が失われたのか 第2章 ご近所資本が息づく空間のつくり方 第3章 「ご近所時間」を取り戻すという価値     第1章 なぜ「半径500mの幸福圏」が失われたのか ご近所資本主義を実装するうえで、見落とされがちだが極めて重要なのが、日常空間の問題です。 かつてのまちは、歩いて行ける距離に商い、住まい、居場所が自然に混在し、「行けば誰かに会う」関係性が日常

 
 
 
方策2:エコシステムづくり ご近所資本主義 ⑦

【内容】 第1章 なぜ「よき商い」は続かなくなっているのか 第2章 “よき商い”を育てる地域内エコシステムの設計 第3章 商店主を「ローカル・アンカー」へ     第1章 なぜ「よき商い」は続かなくなっているのか ご近所資本主義を実装するうえで避けて通れない課題の一つが、地域に根づく小商いや個人商店が「続きにくい」構造に置かれているという現実にあります。 多くの商店は、価格競争や人手不足、後継者難

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page