top of page
検索

応援する・される心理的価値:「推し活」文化 ③

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2023年12月20日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 応援する心理的価値

  2. 応援される心理的価値

  3. 応援する・される共創価値




1.応援する心理的価値

応援する側の心理的な価値について掘り下げると、下記のようにまとめられます。

  1. 気持ちの切り替え:嫌なことや気になることが頭をよぎる時に有効なのが、「夢中」になることです。一時的でも嫌なことを考えない時間を作ることは、気持ちのリカバリーを助けます。

  2. 孤独感の解消:推し同士の交流が出来るとことは、孤独感や孤立感を払拭するのに有効です。コンサートで一体感を共有したり、 SNSで情報交換したり、「推し」を好きな気持ちを分かち合う喜びが、孤独感の解消に役立ちます。

  3. 承認欲求を満たしてくれる:「推し」が活躍している、注目を浴びていると言うことが、自分の承認欲求にもつながります。一種の「親心」にも似ているのかもしれません。

  4. モチベーションのアップ:「推し」を応援する資金を確保するために、仕事を頑張ることができます。忙しい毎日の中でも、スキマ時間に動画やSNSをチェックすることが、活力源になります。

 

 

2.応援される心理的価値

一方で応援される側の心理的な価値についても、下記のように整理されます。

  1. 自己肯定感向上:自分が頑張っていることに対して、周りからサポートがあることで、さらに自分に自信を持つことができます。また応援されることで、自分自身が重要な存在であることを実感できます。

  2. モチベーション向上:応援されることは、自分自身のモチベーションを高めることができます。主体者として、自分自身が頑張らなければならないと言うプッレッシャーがある中で、周りからエールを受けることで、気持ちを奮い立たせることができます。

  3. 感謝の気持ち:応援されることで、周りの人たちに対して、感謝の気持ちを持つことができます。マラソンなどで、道が延々と続く感覚に陥っている時に、声援や鐘の音が聞こえると、「頑張ろう」と言う気持ちになります。

  4. 達成感:周りからサポートがあった中で、自分自身が目標を達成したことで、自信を持つことができます。人間は一人では生きていけない事、サポートの大切さを実感できます。

 

3.応援する・される共創価値

サッカーや野球など対戦型のスポーツ競技については、「ホーム」であるか「アウェー」であるかも、大きく影響するようです。

関西学院大学の佐藤善信氏の研究では、バドミントンの試合を題材に、プレイヤーと応援との価値共創が報告されています。

  1. プレイヤーが非集中した場合は、当然ゾーン体験は得られません。

  2. プレイヤー集中@アウェーの場合は、自分たちの世界で、ゾーンに入っていたので、周りを見たり、空気や温度を感じる余裕はありませんでした。

  3. プレイヤ―集中@ホームの場合は、集中しながらも、常にリラックスでき、心にゆとりのある状態が維持できたといいます。

さらにプレイヤーと応援との相乗効果で、皆が夢中で一体になって、さらにモチベーションを高めていくといいます。「共感」「分かち合い」が非常に大きな追い風になるのだとコメントしています。

 

プロサッカーにおける「罰則」で、「無観客試合」と言うものがあります。

また、近年ではコロナ禍において、リモートでの公演や声だし、応援の自粛などがありました。

プレイヤーやアーティストは、皆一様に「声援の有り難さ」を口にします。

エイベックスのプロデューサーは、「リモート公演では、如何にアーティストに緊張感と高揚感を実感させられるかが、非常に重要だ」と言っていました。

音楽公演やスポーツ競技も、一種のコミュニケーションで、応援・声援やリアクションがとても大切だと言うことです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
方策1 シェアリング・プラットフォーム ネオ生業の時代 ⑦

【内容】 第一要件としてのシェアリング シェアリングの有効性 シェアリングの活用事例     1.第一要件としてのシェアリング ネオ生業は「遊び仕事」ですから、収益性は高くなく、通常の商業施設のテナント賃料を払えるわけがありません。...

 
 
 
基本方針 ネオ生業の時代 ⑥

【内容】 これまでの論点整理 プラットフォームの重要性と特性 ネオ生業プラットフォームの3方策     1.これまでの論点整理 組織社会の仕組みがますます巨大化・複雑化する中で、昔ながらの地縁も、昭和的な社縁もなくなり、根なし草状態の都市住民。...

 
 
 
推進のための課題 ネオ生業の時代 ⑤

「後ろめたさ」からの卒業 「日本的な謙虚さ」からの卒業 ベンチマークとしての「キッチンカープラットフォーム」     1.「後ろめたさ」からの卒業 日本人が副業としてネオ生業を始めるのに後ろめたさを感じる理由は、主に企業文化や社会的な価値観に根ざしています。...

 
 
 

Comentários


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page