top of page

街歩きのミライ 遊歩都市 ⑩

  • 2023年12月13日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 消費経済で希薄になる関係性

  2. 「街歩き」行動で、体験・関係を取り戻す

  3. 「街歩き」が街を変える、未来を変える



1.消費経済で希薄になる関係性

日本社会の成長・成熟につれて、都市の街並みは確かに美しくなりました。

その反面、道端の屋台はそのほとんどが、取り締まられて姿を消してしまいました。

路上ライブやストリートダンス・大道芸などのパフォーマンス行為は、規制の対象になって、予め設定されたスペースでのみ可能とされています。

ボール遊びは、路上はもちろん公園でも禁止されることが増えました。

このように都市における屋外活動は、どんどん締め付けが厳しくなり、飲食やスポーツは、お金を払って「消費者」の役割を果たさなければ、認められなくなってきています。

都市の中の活動は、消費経済というルールに沿って、「提供側」と「受容側」という関係で埋め尽くされてしまっているのです。

客だから、消費者だから、商品・サービスを提供されて当たり前と言う「受動的な姿勢」は、一度築かれてしまうと、なかなか見直すことが難しくなります。

この関係や姿勢でいる限り、街における出会いや体験は表層的になり、街への愛着も生まれないのではないでしょうか。


2.「街歩き」行動で、体験・関係を取り戻す

「街歩き」は、都市の屋外空間で「奨励されている」数少ない自由行動と言えます。

街歩きという自由行動を起点に、「街を楽しむ作法」を拡げて行ってはどうでしょうか。

新しい屋外活動や交流を通じて、街での体験と関係性が蓄積されていくと、街への愛着が高まっていくと考えます。

「街歩き」をしながら、多様な人々の営みを眺めたり、知己との対話や偶然の出会いを楽しみながら交流できたり、突然のハプニングを含めて出会いや発見を通じて、ワクワクできたりする事こそ、リアルの都市の魅力であると考えます。

企業による公式な活動よりも、個人的で非公式な自由行動や体験が、物語となり街の文化として蓄積されていくのです。

街歩きの自由行動が、習慣化されると、そのニーズに対応したビジネス・サービスが生まれ、そのサービスの容れ物として、施設が整備されます。

「街歩き」から「ストリートや街の再生」に繋がっていくことが期待されます。


3.街歩きが、街を変える、未来を変える

「街歩き」を起点にした「都市の屋外活動」に対応して、「機能や環境が整備」されると、街が変わっていきます。

近代都市は、確かに人間に文明として「合理性と利便性」とを与えてきました。

しかし一方で、日本では、「いヤァー、ウチの街には何にもないから。。。」という自虐的なコメントをよく聞きます。

海外の街では、「我が街の自慢の〇〇」「この街の〇〇を誇りに思う」などの愛情あふれる言葉が飛び出すこととは、好対照です。

「愛する事」の反対言葉は、「嫌い」ではなく「無関心」だと言います。

逆に言えば「愛することとは、関心を寄せる事」だと言えます。

「街歩き」を通じて、街に関心を持つ人が増え、街を面白がれる人が増え、街をアソブ人が増える事によって、街への愛着・シビックプライドが醸成されるのです。

「シビックプライドの第一歩は、街歩きから」ということではないでしょうか。

これからは人間が、文化として土地の曲を生かしながら、街のコンテンツを上書きしていく時代です。

街歩きを通じて、個人と個人とが、お互いに情報を受発信し、輝き合えるようになります。その結果、総体として人間と都市とが、輝き合える状況こそ、次世代の都市づくりのゴールであると考えます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
今なぜ ご近所資本主義なのか? ご近所資本主義 ①

【内容】 第1章 画一化する都市と地域経済の空洞化という課題 第2章 「よき商い」と関係性が支えるご近所資本主義 第3章 多様性とレジリエンスを生む新しい資本のかたち   知人の小野裕之さんたちが「BUY LOCAL」という活動を展開し始めました。 鉄道会社の方など様々な人たちを紹介しながら、彼らが提唱する「ご近所資本主義」について勉強させていただきました。 本シリーズでは、次世代の地域活性化策と

 
 
 
都市の未来 マインド・メイキング ⑩ -共感と持続性を生む都市の新しいかたち-

【内容】 第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ 第2章 共感を軸にした新しい経済モデル 第3章 「共感でつながる都市」がもたらす未来     第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ これまでの都市開発は、土地の有効活用や機能配置、商業性の最適化など、目に見える成果を中心に進められてきました。 しかし成熟社会では、人々の評価軸が大きく変化しています。 利便性や効率性だけでは選ば

 
 
 
事業価値 マインド・メイキング ⑨ -「共感」を経済のエンジンに変える都市開発モデル-

【内容】 第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ 第2章 3つの収益ドライバー:会員・推し活・ブランド価値 第3章 共感が循環する持続型都市経済モデルへ   第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ これまでの都市開発は、テナント収益や物販売上など、従来型の商業収益を基盤としてきました。しかし、成熟社会において人々の消費行動は大きく変化しています。 物やサービスを「便利だから」「安いから」で

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page