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歴史まちづくりのミライ 歴史まちづくり ⑩

  • 2024年2月7日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 目標ではなく、目的を掲げる

  2. 主体者として前進するための「歴史」

  3. 日本ならではの「社会彫刻」を共創する

1.目標ではなく、目的の必要性

先日 2015年ラグビーW杯日本代表キャプテンを務めた廣瀬俊朗氏のお話を聞く機会がありました。

2015年の日本代表は、エディ・ジョーンズHCの元で、「欧米チームには負けても仕方がない」と言う負け犬根性からマインドシフトし、初めて南アフリカに勝利したチームです。

強烈なHCと選手との橋渡し役として、「サーバント・リーダーシップ」を存分に発揮したキャプテンが、廣瀬さんです。

彼は「勝利という目標ではなく、何のために戦うのか?」という「戦う目的」を、徹底的に語り合ったといいます。

最終的には「憧れの存在になる為に戦う」という目的を、チーム全員で共有することによって強豪チームの一角に食い込む存在までになったのです。

そう考えると、歴史まちづくりにおける、「維持・継承」は「目的」ではなさそうです。

まちづくりに関わる多様な関係者を巻き込むためには、「維持・継承」した先に広がる未来(=目的)を構想し、掲げて、共有しておく必要があると考えます。

 2.主体者として前進するための「歴史」

これまでの整理で、歴史は、ただ過去を記録・保存するだけではなく、これまでの流れを踏まえて、自己の固有性を確認し、その文脈を踏まえた上で、未来に向けた次の一手を考える事で、はじめて価値を持つことが分かりました。

歴史は当事者として関わってこそ意味があるのです。

傍観者として関わっただけでは、情報の洪水に押し流され、根無し草状態で、未来に踏み出せず、先行きに対する不安だけが膨らんでしまう状況になります。

今の日本が、そんな状況かも知れません。

歴史を活かすことで、時代の流れの中で相対化し、自らの根を意識した上で、主体的に「前進していく気概」を生み出すことが可能になるのだと考えます。

歴史も街も主体的に関わることで、「この街には何もなくて。。。」という謙遜気味の、第三者的な意見ではなく、「私はこの街の〇〇を誇りに思う」「この街を愛している」と、当事者として胸を張って語れる大人たちが、増えるのではないでしょうか。

 3.日本ならではの「社会彫刻」を共創する

ヨーゼフ・ボイスの「社会彫刻」の例を出すまでもなく、街は「社会彫刻」そのものです。

日本という「恵まれた風土」の上で、刹那的、仮住まい感覚で生きていくのは、あまりにも勿体ないと思います、

歴史を踏まえて、自分の生涯をかけて、美しい「社会彫刻」を掘り上げていくことが、生き甲斐であり生きる証ではないでしょうか。

日本ならではの社会彫刻を共創していくのです。

日本各地でその土地と歴史に根ざした、様々な社会彫刻が姿を表していくことが、世界が憧れる日本づくりにつながるのだと確信します。

 
 
 

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