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次世代の沿線価値 ② 各社の沿線価値向上策

2022年7月29日
読了時間: 2分

日本の大手私鉄各社は、沿線における生活関連サービスの提供が、沿線居住=乗車客数の増加につながるため、バス・タクシーなどの2次交通はもちろん、宅地分譲をはじめ、不動産経営、百貨店・ショッピングセンター経営、観光・娯楽事業、宿泊事業など様々な事業を展開し、沿線コングロマリットと言える存在でした。

郊外主要駅では物販・飲食だけでなく、時代のニーズに対応しながら、保険・旅行代理店、不動産仲介・リフォーム、クリーニングや学習塾などのサービス事業に加えて、子育て支援や高齢者介護支援サービス、医療施設や学校まで運営する場合があります。

近年は子育て支援や住み替え支援、高架下や鉄道施設跡の活用などに注力してきました。「子育て支援」は京王電鉄を筆頭にして、多くの事業者が掲げています。沿線での保育施設や子育て相談施設、それらを内包した子育て支援マンションの建設。地域の自治体と連携により、子育てしやすい環境を作ることによる生活の質的向上を目指しています。「住み替え支援」は東急電鉄の中古住宅の売買スキームに代表されるように、シニアの住み替えニーズに着目し、中古住宅を子育て世代に提供することで、居住世代の好循環を目指すものです。「沿線不動産の有効活用」は、エキナカに代表される駅施設内スペースの有効活用や、高架下空間の活用を始め、鉄道施設の合理化に伴う保有不動産の捻出や、駅舎の建て替えや改築に合わせた駅上空や地下空間の活用になります。新しい事例では東急電鉄が官民連携で推進する「 WISE CITY プロジェクト」のように容積緩和を得ながら、コミュニティ・カフェや学童保育所などの公共性の高い地域利便施設を開設する事業もあります。

大手私鉄の持つ豊富な資金力やノウハウは、行政や市民団体にはない大きな強みで、街を形成するパートナーとして CSRの観点だけでなく、地域の価値向上や地域経済の活性化によって、既存事業の収益性向上を見込むものです。そして結果としてイメージアップ・ブランド力向上、持続的な収益の確保、新たなビジネスチャンスの発掘といった総合的な利益の享受を目指すものでした。コロナ禍までは非常に説得力のある戦略だったといえます。


 
 
 

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