top of page

最新技術による街歩き 遊歩都市 ⑨

  • 2023年12月11日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年12月13日

【内容】

1.音声 ARの活用

2.視覚 ARで街をアソブ




1.音声ARの活用

街歩きを促す実用的な技術として、音声 ARがあります。

音声ARとは、展覧会などで作品の解説をしてくれる、音声ガイドの「まち版」だと言えば分かりやすいと思います。

街の歴史から店舗・文化施設の案内・解説や、イベント情報などの提供はもちろん、ゲーム性やホラーなどのストーリー性を加えて、街歩きや回遊を促します。

夏の夜に音声ARでの「怪談サービス」などを活用すれば、街歩きがエンタテイメントとして楽しめると思います。

多言語対応も可能で、音声という「制作が簡単(=ローコスト)なコンテンツ」が、幅広い利用者の参加を期待させます。

音声ARサービス「SARF」を開発・運営するエイベックスの中前省一氏によると、「最終的には、YouTubeのようなサービスを目指したい。」と言います。

YouTubeのように、各人が新しいメッセージやコンテンツを発信し、それを特定の場所(ベンチ)に音声 AR で埋め込んでいくのです。

その場所のフォーマルな歴史だけでなく、個人的な思い出や、エピソード・見立てアートでも構いません。

場所と季節と自分の気持ちとをかけ合わせて、俳句や川柳、詩歌として、音声 ARで、埋め込まれると、他の人の記憶や人生を追体験することが、可能になります。

ストリートやエリアによって、テーマを決めても面白いかもしれません。

テーマは健康・科学・デザイン・アニメなど、ビジネスから趣味まで多岐にわたって想定できます。

ストリートやエリアごとに一定のテーマ性があると、気分によって選択でき、集客魅力にもつながると考えます。

さらに、歩きながらメッセージを受け取り、それに「返信」していくと、「連歌」のように繋がり、重ねて、さらに面白いと思います。

自分が埋め込んだメッセージへの返信・進化を確認するために、リピート利用される事も期待できます。

このようにいろいろな人のメッセージをリアルな環境の中に埋め込んで、キャッチボールのように遣り取りすることは、セレンディピティの仕組みとしても面白いですし、リアルな場所への誘客や愛着につながる方策だと考えます。


2.視覚XRで街をアソブ

今 進行中の都市開発が完成する2030年頃には、AR グラスなどのデバイスを実装して、街を歩くスタイルが普及すると考えます。

そうなると、既存のリアルな街並みや施設を活用して、デジタル上に多彩なコンテンツを上書きしていけるようになります。

もちろん、リアルな施設の所有者の承諾は必要ですが、閉店後の商店街のシャッターを利用してアート展示ができれば、リアルな「ナイトミュージアム」になりますし、交差点でのゲリラライヴ、学校でのファッションショーやアートパフォーマンスなどが、街の至る所で開催可能になります。

従来は、リアルに人が集まれる場所に会場を設営し、開催する必要があった各種イベントが、開催場所・時間と鑑賞場所・時間とを自由にマッチングさせることができるのです。

さらに商業利用も可能です。

小さなコーヒースタンドが、個性的なブックショップになったり、フラワーショップでユニークなスニーカーが買えるようになるかもしれません。

基本的にはオンライン上での購入が中心ですが、リアルな場所の特性やストーリーを巧みに活かして、色々な場所で「裏ショップ」が展開可能になります。

オンラインショップだけでは、パソコン画面上でフラットに並べられてしまい、個性や差異化表現が難しいお店や商品の、販売ツールとして非常に有効だと考えます。

このように AR などの先端技術の導入・実装が進めば、街歩きの楽しみが一気に加速するのではないでしょうか。

 
 
 

最新記事

すべて表示
今なぜ ご近所資本主義なのか? ご近所資本主義 ①

【内容】 第1章 画一化する都市と地域経済の空洞化という課題 第2章 「よき商い」と関係性が支えるご近所資本主義 第3章 多様性とレジリエンスを生む新しい資本のかたち   知人の小野裕之さんたちが「BUY LOCAL」という活動を展開し始めました。 鉄道会社の方など様々な人たちを紹介しながら、彼らが提唱する「ご近所資本主義」について勉強させていただきました。 本シリーズでは、次世代の地域活性化策と

 
 
 
都市の未来 マインド・メイキング ⑩ -共感と持続性を生む都市の新しいかたち-

【内容】 第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ 第2章 共感を軸にした新しい経済モデル 第3章 「共感でつながる都市」がもたらす未来     第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ これまでの都市開発は、土地の有効活用や機能配置、商業性の最適化など、目に見える成果を中心に進められてきました。 しかし成熟社会では、人々の評価軸が大きく変化しています。 利便性や効率性だけでは選ば

 
 
 
事業価値 マインド・メイキング ⑨ -「共感」を経済のエンジンに変える都市開発モデル-

【内容】 第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ 第2章 3つの収益ドライバー:会員・推し活・ブランド価値 第3章 共感が循環する持続型都市経済モデルへ   第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ これまでの都市開発は、テナント収益や物販売上など、従来型の商業収益を基盤としてきました。しかし、成熟社会において人々の消費行動は大きく変化しています。 物やサービスを「便利だから」「安いから」で

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page