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施策2 次世代エリアマネジメント シン・インキュベーション ⑧

  • 2024年12月9日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年12月13日

【内容】

  1. クロステック・クラスター

  2. 竹芝の街づくり

  3. 次世代エリアマネジメント

 

 

1.クロステック・クラスター

大手ディベロッパーのスタートアップ支援責任者は、東京都心のビジネスエリアであれば、全方位でスタートアップ企業を集めることが可能かもしれないけれど、それ以外の地域では、地域の強みを活かしてスタートアップ支援の運営が必要だといいます。

また近年は先端テクノロジー単独で新ビジネスを構築するのではなく、「クロステックの視点」が重要になってきています。

金融産業を進化させるFin Techをはじめ、教育産業ならEd Tech、医療産業ならMedi Tech 、食品産業ならFood Tech、機会産業ならHard Tech と言った具合です。

東京都立大学准教授の山村崇氏の研究によると、東京だけでも、無数の「クロステック」クラスターが存在することがわかります。(東京のイノベーティブ・ネイバフッドの群島)

山村先生は、産業の集積規模は1980年代の重厚長大産業時代には、太平洋ベルト地帯などの県を超えた単位で広がっていましたが、1990年代の軽・サービス産業時代には、都市単位になり、2000年代以降の知識産業では、渋谷・五反田・六本木など街単位の小さなエリアがイノベーションの単位になっていると説明されています。

従来のスタートアップ支援施設は、スタートアップ企業を集め企業間の情報交換や投資家との連携は模索してきましたが、街とはほとんど関係を持つことはなく、乖離した存在でした。

これからのスタートアップ支援は、スタートアップ企業の競争力を高めるためにも、地域の特性を活かした「クロステック・クラスター」を形成していく方針に、転換していく必要があるようです。

 

2.竹芝の街づくり

東急不動産は東京ポートタウン竹芝を中心に、浜松町から海側のエリアを対象に活性化を図ってきました。

コンテンツ産業の振興を図る「CIP 協議会」と連携しながら、「竹芝エリアマネジメント」を推進し、賑わいづくりと共にさまざまな先進技術の実験場としての活用を促してきました。

その結果「近未来のモデル地区」として、国交省の「スマートシティ・モデルプロジェクト」や東京都の「スマート東京」のモデル街に選定されました。

竹芝の街づくりは次世代のエリアマネジメントの好例だといえます。

都市再生特区の要件には「スタートアップ支援施設」と「エリアマネジメント」とが課されることが多いのですが、これらを別々に運営するのではなく、スタートアップと地域とを繋ぐ活動として、総合的にマネジメントしていくことが重要ではないでしょうか。

 

3.次世代エリアマネジメント

従来のエリアマネジメント活動は、都市再開発を推進するディベロッパーを中心に、一種の地元対策として、地域貢献や賑わいづくりを行ってきました。

位置付けや目標が明確でないため、効果が実感できないまま迷走していくエリマネ活動も少なくありません。

エリマネ活動の目標を、地域の賑わいづくりと並行して、スタートアップ企業と連携しながら地域の強みを発見・進化させる活動にしてはどうでしょうか。

そして地域の理解の上で、スタートアップ企業の実証実験への協力などの形で実践していくのです。

「行動・理解・認知のピラミッド」に基づくと「理解できないものは応援(行動)できない。見え(認知)ないものは理解できない。」といわれます。

まず地域の住民や商店主にスタートアップ企業との接点を作り、理解してもらい協力・支援してもらえるようにしていくことが重要です。

スタートアップ企業への理解が進めば、実証実験の場の提供の他、スタートアップ企業の生活を支える「衣食支援」に協力が得られる可能性が高くなります。

ゴミ拾い、地元学校への出張授業、交流会など、スタートアップ企業単独では難しい活動を、エリアマネジメント事業の一環として推進していくことは極めて有効だと思います。

ディベロッパーを中心に、地域とスタートアップ企業とが連携し、地域の賑わいづくり・活性化と、実証実験によるエビデンスづくりとを総合的にマネジメントしていく「次世代エリアマネジメント」を提案します。

 
 
 

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