top of page

方策2:地縁+テーマによる企業の巻き込み お祭りミライ ⑧

  • 2023年9月27日
  • 読了時間: 3分

【内容】

1.提灯への名入れだけではダメ

2.ソフトバンクホークスのスポンサード事例

3.地縁+テーマによる企業の巻き込み



1.提灯への名入れだけではダメ

お祭りへの企業協賛と言えば「提灯への名入れ」が一般的ですが、その理由は、「いままでが、こうだったから」のようです。

「地域の人たちの、地域の人たちによる、地域の人たちのためのお祭り」だった時代には、地域の一員として企業も負担してきたのでしょうが、今日の状況を考えると、この協賛パターンは見直しが必要だと考えます。

これからは、企業が本当にメリットを感じるスポンサード設計を、検討・提案していく必要があるのです。

企業も、マス広告さえ行えば、商品が売れて万々歳という時代ではない事は承知しています。

商品を開発・販売する上での「共創マーケティング」、その前段としての「企業ブランディング」、取引企業との「ビジネスミーティング」、優良顧客への「インセンティブ」、従業員の家族を含む「福利厚生」、人材獲得のための「リクルーティング」など、企業の様々な周辺活動を支援する機会として、お祭りを活用してはどうでしょうか。


2.ソフトバンクホークスのスポンサード事例

お祭りとは違う分野ですが、福岡ソフトバンクホークスのスポンサード設計が参考になるのではないでしょうか。

ソフトバンクホークスは、2019年度に324億円を売り上げて、日本で最も稼げるプロスポーツチームになっています。

売り上げの内訳は、下記の通りです。

①マッチデー収入:47%(約152億円)。年間265万人を動員し、チケット、グッズ、飲食収入など、平均客単価は5,700円になります。

②コマーシャル収入:44%(約142億円)。スポンサーシップやライセンシング収入など

③放映権:9%(約29億円)

142億円に上るコマーシャル収入は、PayPayドームにおけるビジョン収入はもちろん、様々な特定客席の名称やファウルポール(地元のマルタイラーメンがスポンサーになっています)などのネーミングライツ、さらに各種PRイベントなど250種類以上の協賛・広告・看板を商品化した成果と言えます。

スポンサーには、単なるロゴ掲出だけでは無い特典が用意されているのです。

ビジネス利用に対応したスーパーボックスは、専用エントランスやラウンジが整備され、スポンサープランによっては、試合開始2時間前から利用でき、会議後に食事会やバルコニーからの試合観戦が可能になっています。

このようにPayPayドームは、ビジネスでの接待や親睦会、企業の福利厚生に活用できるtoB対応の特典を用意し、収益化を図っているのです。


3.地縁+テーマのよる企業の巻き込み

「地縁+テーマ」の事例として、私が関わる障害者支援活動と、神宮前商店街とのコラボが挙げられます。

毎年10月に開催する「ピープルデザイン・ストリート」では、商店街の一部を歩行者天国化して、様々な出店で賑わうのに加えて、ブラインドサッカーなど障害者も一緒に楽しめるプログラムを実施します。

このような立て付けにすると、神宮前に縁のある人たちだけでなく、テーマに関連した各種コミュニティやクリエイターが関わってくれます。

さらに趣旨に賛同する企業の協力も得られやすくなります。

もちろんお祭り当日に、サンプリングの実施や企業ブースを設置するなど、分かりやすい企業メリットを提示することも有効です。

「地縁+テーマ」のコラボを柔軟に対応できるか否か?が、選ばれる地域(祭り)になるかどうか?の分岐点になるかもしれません。


また、一件のお祭りだけで小さい場合は、地域のお祭りをパッケージ化してはどうでしょうか?

プロ野球のパリーグが、チーム毎のプロモーションだけではなく、リーグでの商品化やキャンペーンを成功させている事が参考になります。


本気で企業スポンサードを検討・提案することは、これからのお祭りの事業構造を考える上で、非常に重要だと考えます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
2層の事業構造 メタ・ディベロップメント ⑨

【内容】 第一章 「床の対価」から「共感の対価」へ 第二章 二層構造による事業設計 第三章 持続性と更新力を生む構造進化 第一章 「床の対価」から「共感の対価」へ 本章では、次世代都市開発における構造転換の必要性について論じます。 従来の都市開発は、できる限り大きく建て、床を貸すことで賃料収入を得る「容積至上主義」を基本としてきました。 人口増加と消費拡大を前提とした時代においては、このモデ

 
 
 
推しのテーマ展開 メタディベロップメント ⑧

【内容】 「推し核」は一様ではないという認識 五つのレイヤーによる構造整理 多元価値都市への示唆 第一章 「推し核」は一様ではないという認識 本章では、都市開発における「推し核」の多様性について整理します。 「推し核」と一口言っても、その対象や性質は決して一様ではありません。 従来はアイドルやアニメといったエンターテインメント分野が代表的な例として語られてきました。しかし近年では、技術者や

 
 
 
「推し」の可能性 メタディベロップメント ⑦

【内容】 第一章 「推し」という関係対象の可能性 第二章 なぜ今、「推し」が都市に必要なのか 第三章 「ご神体」としての推し核と都市構造の再解釈 第一章 「推し」という関係対象の可能性 本章では、都市開発における新たな中心概念としての「推し」について考察いたします。 「推し」とは、自発的に応援したくなる対象であり、自らの時間や感情、時にはお金を投じても後悔しない存在を指します。 それは単な

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page