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方策2 企業のサブシステム シン地方創生 ⑦

  • 2023年10月18日
  • 読了時間: 3分

【内容】

1.神山町の奇跡

2.「企業のふるさと」としての地方創生



1.神山町の奇跡

地方創生のロールモデルとして、度々メディアでも取り上げられるのが、徳島県の神山町です。

神山町は、徳島市街からクルマで1時間余りの山間部にあり、標高1000m級の山々に囲まれた清流の流れるのどかな田舎町です。

1955年に5つの村が合併し、人口2万人の町としてスタートしましたが、年々人口が減り、2000年ごろには5000人程度に減少し、限界集落のレッテルが貼られていました。

地元出身で米国スタンフォード大学院修了の経歴を持つ大南信也氏( NPO法人グリーンバレー代表)を中心に、再生活動を開始し、2005年には、いち早く町内全域に光ファイバーが敷設されます。

IT 企業Sansanのサテライトオフィスの進出を皮切りにして、16社が拠点を置くようになりました。

Sansanは、この取り組みが評価され、2012年に、「第12回テレワーク推進賞・優秀賞」を受賞しています。

古民家を改修した企業のサテライトオフィスの他、お試し活用が可能な共同オフィスや、3Dプリンターやレーザーカッターを備えたファブラボなどが整備されています。

徳島県では、官民連携でテレワーク環境の充実を図り、神山町だけでなく、にし阿波地域や、サーフィンで有名な美波町などが、特徴を生かしながらサテライトフィスの誘致に成功しています。徳島県では、すでに13市町村に65社が進出しているといいます。

さらにSansanを中心にして「神山まるごと高専」も設立・開校し、若い IT 人材の育成にも、乗り出すという理想的な地方創生ストーリーです。

神山町のケースは、外の世界を知り、ネットワークを持つ地元のキイマンの直向きな活動が、賛同者を増やし、周囲を巻き込み、ブランディングできた事例で、他のエリアでの再現性は難しいのではないでしょうか。


2.「企業のふるさと」としての地方創生

地方創生では、民間企業の地方移転も支援しています。

東京23区から本社機能(研究所・研修所を含む)の一部または全部を移転する場合などに、設備投資減税(オフィス減税)や雇用促進税制などの優遇措置を受けられるというものです。

これについても、上昇志向の人材が多い東京圏の求心力を踏まえると、「鶏とタマゴ」の関係で、なかなか移転のハードルは高いのではないでしょうか?

本社という「メインシステム」ではなく、人材育成や福利厚生などのサブシステムとして地方移転を検討することが有効だと考えます。

「企業のふるさと戦略」です。

和歌山県の事例になりますが、綺麗な空気や豊かな自然を満喫でき、田舎ならではの、のんびりした雰囲気を味わうことができる機会として、「企業のふるさと」制度が創設されています。

農山村の景観保全や、祭りへの参加、社内販売による地域農産物の買い支えなど、幅広い活動を通じて、地方創生(=過疎集落の応援)を促す制度といえます。

すでに「伊藤忠商事」と「かつらぎ町天野の里づくりの会」、「イセキ農機」と「くにぎ広場・農産物直売組合」、「山崎製パン」と「麻生津の将来を考える会」などのマッチング事例があります。

「Yahoo! Japan」も独自の地方創生手法を展開していますが、企業の社会貢献、福利厚生、社員研修の機会と過疎地域の課題解決とを両立させようとする試みです。

また、鳥取県が提唱する「週一副社長」も、新しい副業スタイルとして、注目されます。

都市部で本業を持ちながら、鳥取県内の地方企業で、週一回だけ副業や建業をしてもらうをいう試みで、ユニークなネーミングが評判を呼び、123社194人の副社長が誕生しています。

このようにメインシステムとしての経済活動の拠点は、東京に置きながら、大都会だけでは窮屈で無機質になりがちなワークスタイルに、潤いとハリを与え、働くモチベーションと生産性とを高めるサブシステムとして、地方創生を考えることが有効だと考えます。

 
 
 

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