top of page

方策1 推し活コリビング:コリビング ⑥

  • 2025年3月24日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 「推し活」テーマの可能性

  2. 「推し活」連携の方策

  3. 「推し活」連携の価値

 

 

1.「推し活」テーマの可能性

成熟ニッポンは、消費が一巡し、日々の暮らしで必要なものは揃ってしまい、特に欲しい物も見つかりません。 

そこそこの機能・スペックの商品・サービスが、手頃な値段で手に入るようになり、「日常がコモディティ化」したのが、成熟した日本社会です。

そんな「日常がコモディティ化」した成熟ニッポンで注目を浴びるのが「推し活」です。

「推し」とは、単に好きなだけではなく、人に勧めたいくらい気に入っている「モノ」「ヒト」の対象のことで、「推し」をする人がオタクです。

「推し活」の領域は、アイドル、アニメ、漫画、ゲーム、鉄道、歴史、メニュー 仏像など多岐に亘ります。

矢野経済研究所の調査では、アイドル市場に参加する推定人数は、361万人(2022年)で、一人当たりの年間消費額は93,700円に上るとされています。

アニメなどを含む、全26分野平均の年間消費額は、52,419円になっています。

またZ世代を対象にした別の調査では、「推し活」を「している」或いは「してみたい」人が6割に上っています。

生活者のメインストリームになりつつある「推し活」をテーマにしたコリビングを提案します。

 

2.「推し活」連携の方策

「推し活」の最大の効力は、ファンの「伝播力」にあります。

自分の「推し」を、「まだ知らない人たちに知ってほしい」という思いが込められ、伝播させていきます。

これは「誰かのためにすることが、自分の幸せにつながる」という「利他の精神」とも言えます。

アイドルの応援広告を含めた「推し活」の原動力と言えます。

そして推し活の基本は、「自発的な行為」です。

メディアや企業から「これを普及してください」と指示されること対しては、反発を招きます。

このバランス感覚が「推し活」連携のポイントで、コリビングに展開するには、全体を一つのテーマにまとめたり、指導していくのではなく、「街の部室と文化祭」となる「個別サークルの拠点と発信機会の提供」が有効です。

具体的には、各サークルの拠点となる小部屋を確保し、年に1~2度の合同発表会を開催することになります。

 

3.「推し活」連携の価値

「推し活」の心理的な価値は下記のようにまとめられます。

  1. 気持ちの切り替え:嫌なことや気になることが頭をよぎる時に有効なのが、「夢中」になることです。一時的でも嫌なことを考えない時間を作ることは、気持ちのリカバリーを助けます。

  2. 孤独感の解消:推し同士の交流が出来るとことは、孤独感や孤立感を払拭するのに有効です。コンサートで一体感を共有したり、 SNSで情報交換したり、「推し」を好きな気持ちを分かち合う喜びが、孤独感の解消に役立ちます。

  3. 承認欲求を満たしてくれる:「推し」が活躍している、注目を浴びていると言うことが、自分の承認欲求にもつながります。一種の「親心」にも似ているのかもしれません。

  4. モチベーションのアップ:「推し」を応援する資金を確保するために、仕事を頑張ることができます。忙しい毎日の中でも、スキマ時間に動画やSNSをチェックすることが、活力源になります。

 

そして「推し活」は「他人を支援するための消費・活動を通じて、満足感を得る」という「イミ」消費で、「自分以外への投資」とも言えます、

長崎の「しっぽく」料理は、朱塗の大皿に数人分の料理を盛り付ける、豪華な「もてなし」料理です。

料理文化の研究では、自分一人のお腹を満たすためだけであれば、「美味しければ良い」のですが、大勢の他人をもてなすからこそ、彩りや盛り付けなど様々な工夫を施し、「文化として洗練していく」のだと言われています。

自分のためだけではなく他人を支えるため、自分以外への投資となる「推し活だからこそ工夫を凝らして洗練させていく」、シン・アーバンライフスタイルの真骨頂と言えるのではないでしょうか?

 
 
 

最新記事

すべて表示
第1章 効率社会の成功と限界 情感資本によるしなやかな社会づくり ①

【内容】 1.効率は私たちの社会を豊かにしました 2.しかし、豊かさは幸福にはつながりませんでした 3.成熟社会には、新しい豊かさが必要になります 1.効率は私たちの社会を豊かにしました この百年ほどの間に、私たちの暮らしは驚くほど豊かになりました。 蛇口をひねれば安全な水が出ます。電車はほぼ時間どおりに走り、スーパーへ行けば季節を問わず様々な食材が並んでいます。スマートフォン一つあれば、

 
 
 
街づくりの未来 非デベ街づくり ⑩

【内容】 ⒈ 次世代の街づくりにおける構造転換と4者の役割 ⒉ 4者連携による効用と価値の重なり ⒊ 本質としての「関係設計」と今後の方向性 ⒈ 次世代の街づくりにおける構造転換と4者の役割 次世代の街づくりは、従来のディベロッパー中心モデルから、ディベロッパー・非ディベロッパー・生活者・行政の4者による共創型へと転換しています。 これまでの都市開発は、空間供給と賃料回収を軸とした単線的な構造

 
 
 
デベによる共創スタンス 非デベ街づくり ⑨

【内容】 ⒈ ディベロッパーの立ち位置転換と協業の前提 ⒉ 共創スタンスの類型と実務的展開 ⒊ ディベロッパーの役割再定義と今後の方向性 ⒈ ディベロッパーの立ち位置転換と協業の前提 非ディベロッパーによる街づくりが進展する中で、ディベロッパーの立ち位置は大きな転換を求められています。 非ディベロッパーは都市を活用して本業価値を回収する主体であり、コンテンツや技術、顧客接点を持つ点で優位性

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page