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多彩な文化体験の提供 ① 街との連携 シンコンセッション⑩

  • 2024年3月6日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 外部に広がる仕組み

  2. 内部に呼び込む仕組み

1.外部に広がり仕組み

文化施設は、都市公園内に孤立して建設される場合が、多いようです。

前述したように、生活者は「複合ワンストップ体験」ニーズが高く、ワザワザ来場するのであれば、展覧会だけでなく、飲食・休憩、ショッピングが楽しめ、数時間滞在できる体験パッケージを求めています。

文化施設をハコの中で完結させるのではなく、周辺を含めて、「テーマパーク」に見立ててはどうでしょうか。

文化施設本体の「歴史」や「自然」のテーマに因んで、PMO事業方式で、多彩な施設やアトラクションを整備・運営するのです。

赤坂サカスでは、「ハリーポッターと呪いの子」の上演に合わせて、ストリートや階段のあちこちに「フォトスポット」が演出されています。

またシアター内でなくても、ハリポタのテーマショップや、カフェメニューを楽しめ、さながら「赤坂サカス丸ごとハリポタ化」の様相を呈しています。

同様にミュージアムのテーマに沿った飲食メニューを提供する飲食施設や、魅力的なグッズショップが重要なのです。

メニューやグッズも、「片手間」ではなく、「本気」で開発する必要があります。

さらに AR技術を活用したコンテンツやゲームも展開可能です。

如何に「歴史」「自然」を噛み砕いて、面白く伝えるのかが重要です。

「テーマパーク」は極端でも、「神社」の構造がベンチマークになります。

神社には、御神体・ディスティネーションとしての「お社」単体ではありません。

参拝前の期待感と緊張感を高め、参拝後の開放感と娯楽性を提供する縁日・茶店などを含む、「境内」があり、複合ワンストップ体験が可能な構造になっています。

そして日常的に利用する人たちだけでなく、より広域から集客するプログラムとして、定期的な「お祭り」があります。

このように神社見立てにすると、文化施設の研究活動にも工夫が必要になります。

「御神体の縁起」にあたるディスティネーションとしての文化施設の魅力強化です。

従来の博物学的な視点での研究だけでなく、「天地人」的な文脈とストーリーを伴った研究・発信が、文化施設としての求心力を高めるのだと考えます。


 2.内に呼び込む仕組み

これまでの文化施設は、入り口で展覧会や公演のチケットを購入しないと入場できない、閉鎖的なイメージがありました。

このイメージを覆したのが「金沢21世紀美術館」でした。

世界的建築家の妹島和世氏設計のこの美術館は、金沢城や兼六園など観光施設が集まるエリアに位置し、透明感で開放的な建築は、見る人を館内に自然に引き寄せます。

もちろん展示エリアは有料ですが、カフェやショップなどの無料開放ゾーンを回遊できるようになっています。

京都市京セラ美術館も、無料開放ゾーンが館内の主要銅線になっており、日本庭園やカフェ、ショップ、ギャラリーなどを自由に回遊できる構成にリニューアルされました。

ミュージアムが、「展覧会目的にわざわざ行く施設」から「日常的に公園と一緒に回遊を楽しめる施設」になる必要があると思います。

日常的な利用性を高めるために、展示室以外のカフェやミュージアムショップ、ギャラリーさらにはワークショップやライブラリーが重要になります。

しかもワザワザ上る必要のある上層階ではなく、エントランス周辺の気軽に立ち寄れる場所に配置されることが重要になります。

北海道日本ハムファイターズや横浜ベイスターズの「ボールパーク構想」のように、「野球観戦」以外の「ライトなフォン層」とどれだけ接点を持てるのかが、重要なのです。

カフェやショップの雰囲気や品揃えも、「ライト層アピール」を念頭に置いた店舗&商品計画が必要です。

 
 
 

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