top of page

共感人口 ⑦ 多拠点との繋がりが提供する「安心感」

  • 2022年6月1日
  • 読了時間: 2分

住む場所が通勤の呪縛から解放されると、より創造的な刺激を求めて移動していく暮らしも想定され、二拠点居住も現実的になりそうです。従来は都心に住むお金持ちが、リゾート地に別荘を持つ感覚でしたが、これからは拠点を田園エリアに持ち、週日の都心ワーク用に二泊程度するシェアルームを持つというスタイルが有力になりそうです。多拠点居住を考えるときにWWOOFという仕組みが参考になります。WWOOFとは、World Wide Opportunities on Organic Farm の略称で,週末だけ農家に行って手伝うことから始まった活動です。1970年代にイギリスで生まれ、オーストラリアや、ニュージーランドで発展し、現在は世界60ヵ国以上で WWOOF事務局が設置されています。日本では1994年に事務局が誕生し約400カ所のホストがあります。 WWOOFメンバーは年会費2000円で、有機農家であるホストと、日本全国、世界各国の人と人との交流し、オーガニック生活を知り、新しい知見を得て、価値観の多様性を感じ、自分を向上させていくものです。「食事・宿泊場所」と「力」そして「知識・経験」とを交換します。自分が持っているものを提供し、持っていないものを受け取るというシンプルな仕組みで、お金のやり取りは発生しません。家族のような気持ちで、何をしたら相手が喜んでくれるのかをお互いに念頭におきながら、一緒に短い間生活します。一日6時間の作業は、鶏や豚の餌やりを中心とした基本的なものと、季節ごとの農作業補助からなり、残飯を豚に与えたり、鶏糞を畑に入れることで、リサイクルを実感できると言います。夜のおしゃべりでは、農業や料理の事から、環境や平和の事まで話題が広がります。家族の一員として手伝いをするだけで、住む場所も、ご飯も、ローカル文化も全て手に入ります。

WWOOF 的なライフスタイルは、視野を広げると共に、都会以外に、いざという時に「帰れる場所がある」という精神的な安心感を獲得できます。あらゆる意味で自分が最も創造的になれる環境に身を置く、場合によっては一箇所ではなく、多拠点を移動し関係を楽しみながら活動できる状況を作り出せる時代になっているのです。



 
 
 

最新記事

すべて表示
方策3:継承・対話プログラム 人生観都市 ⑨

【内容】 第1章 継承・対話プログラム制度化の基本的考え方 第2章 社寺・退職世代を活かした具体的展開 第3章 関係性と継承を再生する社会的意義 第1章 継承・対話プログラム制度化の基本的考え方 継承・対話プログラムの制度化とは、人々の経験や価値観、生き方を世代を超えて共有し、社会全体で継承していく仕組みを、都市の中に常設的に組み込む取り組みです。 現代都市では、人と人との関係性が希薄化し、人生を

 
 
 
方策2:人生のアーカイブ 人生観都市 ⑧

【内容】 第1章 人生アーカイブ基盤構築の基本的考え方 第2章 社寺・退職世代を活かした具体的展開 第3章 都市に記憶を実装する社会的意義 第1章 人生アーカイブ基盤構築の基本的考え方 人生アーカイブ基盤の構築とは、人々の人生経験や地域の記憶を、都市全体で蓄積・共有・継承していくための仕組みを整備する取り組みです。 現代都市では、多くの人が豊かな経験や知識を持ちながら、それらが社会に残らないまま消

 
 
 
方策1:人生価値の拠点づくり 人生観都市 ⑦

【内容】 第1章 人生観拠点整備の基本的考え方 第2章 社寺・公共空間を活用した具体的展開 第3章 人生観拠点が生み出す都市価値 第1章 人生観拠点整備の基本的考え方 人生観拠点の重点整備とは、人々が「どう生きるか」「何を残すか」を考え、共有し、継承できる場所を都市の中に戦略的に整備する取り組みです。従来の都市開発は、商業、オフィス、住宅などの機能を効率的に配置することが中心でした。しかし成熟社会

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page