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今なぜ シェアオフィスを考えるのか?  シン・シェアオフィス ①

  • 2024年7月17日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 自宅でも企業オフィスでもない仕事場の必要性

  2. サードワークプレイス市場

  3. シェアオフィスの可能性

 

 

1.自宅でも企業オフィスでもない仕事場の必要性

コロナ禍で普及したテレワークですが、空間面・設備面の課題から、自宅のワーキング環境では十分な生産性の確保が難しいと、実感した人も多いと思います。

とは言え、週に2〜3日の出社とテレワークとを併用する、「ハイブリッド勤務」の快適性を実感してしまったワーカーに対して、元の毎日出社を強要すれば、若手を中心にリクルーティング面で悪影響が出そうです。

そこで注目されるようになったのが、自宅でも企業オフィスでもない「サードワークプレイス」です。

情報インフラの整備で、「どこででも仕事ができる」環境になりつつある都市部では、

わざわざ一つの空間に集まって仕事をする非効率性が明らかになってきています。

ワーカー側の視点では、移動時間の無駄と会社の対人関係のストレスを踏まえると、プロジェクト単位で、その時に必要な人たちと情報交換しながら、最も生産性が高まる環境で仕事をすることの、快適性と効率性が認識共有され、その受け皿がサードワークプレイスになっています。

企業側の視点では、リモートワークの普及などの状況に対応して、各企業が固定費の削減に向けネットワーク型ワークプレイス戦略を打ち出した結果、「所有」や「賃借」よりも柔軟なサービスとして「利用権」を中心とした、「サードワークプレイス市場の拡大」が顕在化しています。

 

2.サードワークプレイス市場

コロナ禍を契機としてサードワークプレイスを設置する企業が増えています。

ザイマックス不動産総合研究所の調査によると、大都市圏におけるサードワークプレイスの導入率は、2017年の11%から2023年の30%と約3倍に増加しています。

日本全国の拠点数は2023年10月現在で約4000拠点に登り、そのうちの4割(約1560拠点)が東京にあります。

因みに、東京の都心5区に約800拠点が集中している状況です。

サードワークプレイスの運営は、これまで独立系事業者が中心でしたが、コロナ禍を経て大手ディベロッパーを中心に新規参入が相次いでいます。

 

3.シェアオフィスの可能性

今後も増加が想定されるのは、都市部におけるコラボレーションやプロジェクト単位で利用する「シェアオフィス」ではないでしょうか?

「企業オフィス」はビジョンや企業文化の共有・チームビルディングなどの「本社機能」に特化して行くのだと考えます。

それにつれ外部との連携によるプロジェクトの増加に伴う共同ワークは、本社以外の「シェアオフィス」で行われていくようになると想定しています。

米国のオフィス調査会社JLLによると「2030年には米国全体のオフィスの30%がシェアオフィスになる」という予測も出ています。

東京都の就業者数(700万人想定)のうちテレワーク適職率(50%想定)、更にテレワーク実施率(50%想定)、そのうちシェアオフィス利用率(30%想定)などを設定し、一人当たりオフィス面積10㎡を掛けると500万㎡余りと試算されます。

東京のオフィス面積が約3000万㎡と言われますので全体の15%相当にあたります。

現状のシェアオフィス市場が、全体の2%程度だと言われますので、大幅に市場拡大し、オフィス市場における重要な分野になることは確実だと言えます。

 

本シリーズでは、このような視点をもとに、オフィスビルを細分化したシェアオフィスを対象に、その可能性と課題を検討したいと考えます

 
 
 

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