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ファッションビルの定義と変遷 Jカルチャーコンプレクス ②

  • 2025年5月28日
  • 読了時間: 4分

【内容】

  1. ファッションビルとは何か

  2. ファッションビルの誕生と成長

  3. ファッションビルの進化と今後

 

 

 

次世代のファッションビルを検討するにあたって。「ファッションビル」について整理しておきます。


1.ファッションビルとは何か

ファッションビルとは、都市部において主に若年層から30代までの都市生活者をターゲットに、ファッションを中心としたテナントで構成される多層階型商業施設を指します。

アパレルや服飾雑貨を核として、感度の高い消費者を意識した編集型のテナントミックスを特徴としています。

渋谷や原宿、心斎橋、栄など、若者が集まる都市中心部に立地し、ビル自体がトレンド発信基地となる役割を果たしているのも大きなポイントと言えます。

ファッション以外にもコスメ、カフェ、レストラン、雑貨、アートギャラリーなど、ライフスタイル全般に関わる施設を編集的に組み合わせる傾向があり、単なる買い物の場にとどまらない価値を提供しています。

代表的なファッションビルには、渋谷パルコ、ルミネ新宿、ラフォーレ原宿、なんばマルイ、名古屋パルコなどがあり、近年ではライフスタイル提案型へと進化しつつあります。

一方、ファッションビルと百貨店は似て非なるものです。

ファッションビルが「都市型若年層向け・トレンド志向・編集型」であるのに対し、百貨店は「幅広い世代向け・信用志向・総合型」となっています。

収益モデルも異なり、ファッションビルはテナントからの賃料収入が中心ですが、百貨店は販売手数料モデルを採用するケースが多いです。

ファッションを核にしてトレンド発信拠点として若年層を惹きつけてきた「ファッションビル」は、不動産ディベロッパーが開発する都市型商業ビルの主要アイテムになっていきました。

 

2.ファッションビルの誕生と成長

ファッションビルは、1970年代の高度経済成長期終盤に誕生しました。

当時の若者文化に応える形で、1973年に開業した渋谷パルコが最初とされています。(因みにパルコ1号店は1969年開業の池袋店)

単なる物販施設ではなく、ファッション、文化、アートを編集して発信する「ライフスタイル基地」として位置づけられ、クリエイティブな空気を纏った新しい都市空間を作り出しました。

1980年代に入ると、消費社会の本格到来と共にファッションビルは成長期を迎えます。ルミネ新宿(1980年)、ラフォーレ原宿(1981年)など、駅直結型やカルチャー発信型の施設が次々と開業しました。

特に女子大生や若年OL層を中心に、都市型ヤング市場をターゲットとしたテナントミックスが進み、「トレンドを買う」場として定着していきます。

1990年代前半にはバブル景気を背景に、ファッションビルも高級化・ブランド化が進みました。

海外ブランドやデザイナーズブランドの導入が加速し、ファッション消費の中心地となりました。

しかし、バブル崩壊後の1990年代後半から2000年代前半にかけては停滞期を迎えます。

ファストファッションの台頭や消費マインドの低下により、中価格帯ファッションが苦戦を強いられ、テナント売上の低下と空き区画問題が深刻化していきました。

 

3.ファッションビルの進化と今後

2000年代後半以降、ファッションビルは再生と進化の道を歩み始めます。

モノ消費からコト消費へと消費者ニーズが変化する中で、ファッションとカルチャー、アート、音楽、映画などを融合した新しい施設づくりが求められるようになりました。

前項で述べたように、渋谷パルコが2019年に全面建て替え再開業し、大きな注目を集めました。

現在のファッションビルは、単なる「物販施設」ではなく、「訪れる理由」をつくる目的地型施設へと変化しています。

コロナ禍を経て、リアルな体験価値の重要性が再認識されると同時に、デジタルとリアルの融合も進んでいます。

さらに、インバウンド需要の回復に伴い、サステナブル提案や地域文化との連携といった新たな軸も強化されています。

最新トレンドとしては、メタバースとの連携による仮想ファッションビルの展開や、ファッション、エンターテインメント、地域文化を掛け合わせたハイブリッド型施設が注目されています。

都市の一部として街づくりや観光と連携しながら、今後も進化を続けるその業態は、「ファッションビル」という領域を超える存在になるのではないでしょうか。

 
 
 

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