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ニッポン・シアター⑦ 次世代の世界観実験シアター

  • 2022年3月16日
  • 読了時間: 2分

歌舞伎の演目は基本的に松竹による企画・制作になっているようです。能や狂言の演目については各劇場の学芸員が担っています。伝統芸能といえどもライブパフォーマンスであれば、時代に空気を反映した革新も必要になります。その為にも固定的な企画・制作体制だけでなく、また既成の古典作品を持ってくるだけでなく、アーティストや技術者が共同して「何かを作っていく熱量を可視化」すること、リアルに生み出す場づくりが大切ではないでしょうか。

初音ミクを起用したボーカロイド・オペラTHE END は、「和の怪談」っぽさが海外で高い評価を受けた要因の一つだと言われます。近年のトレンドとして、単にテクノロジーによる「格好よさ」だけでは、上書きされ易くすぐに陳腐化してしまうのだそうです。イージーに消費されてしまう作品が増える一方で、ピカソの絵のような不気味さと強さを併せ持つ力を持った作品との二極化が進むのではないでしょうか。THE ENDのような不気味だけれど美しい作品が求められるのだとすると、短調、挽歌、見立てや余白の美意識などを基盤にした日本の伝統芸能に通底する世界観が受け入れられる潮流にあると推察します。日本的美意識をテクノロジーによって拡張する事が有効になります。1000年以上前から自然を美しいと感じ、カワイイという感覚と合わせて、仏像や園芸などと同様に、アミニズム的にキャラクター化してきたアニメ文化も活用できると考えます。

次世代を切り開いていく為にも、ニッポン・シアターには、このような次世代の世界観を多彩に実験・発信していく場所が必要です。ニッポン・シアターは技術レベルは非常に高いけれど「狂気」が足りないと言われる、日本のアーティストの枠を外すトライアルの場でもあるのです。

 
 
 

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