top of page

アートプロジェクトの定義と種類・現在地:アート街づくり ②

  • 2022年12月16日
  • 読了時間: 2分

【内容】

  1. アートプロジェクトによる街づくり

  2. アートプロジェクトの分類と方向性



1.アートプロジェクトによる街づくり

アート街づくりの近年の主なトレンドとして、全国的に広がる「アートプロジェクト」があります。

「アートプロジェクト」とは、あえてシンプルに言えば「美術館やギャラリーなどの『外部』で開催されるアート活動」を指します。そして日本型アートプロジェクトの特徴として、「作品展示に留まらず、そのプロセスや様々な関わりを重視する点」が挙げられます。

トリエンナーレ・ブームと呼べる現在の状況の起点になったのは、2000年に始まった「越後妻有 大地の芸術祭」と2001年開催の「ヨコハマトリエンナーレ」と言えます。日本のトリエンナーレは、農山村や離島などの「里山型」と「大都市型」に分類できますが、それぞれこの二つが起点になっています。前者には瀬戸内芸術祭、十和田奥入瀬芸術祭、中之条ビエンナーレが続き、後者の系譜には、あいちトリエンナーレ、札幌国際芸術祭、北九州国際ビエンナーレがあります。

今回の「アート街づくり」では、大都市型のアートプロジェクトにフォーカスします。


2.アートプロジェクトの分類と方向性

都市における地域単位でのアートプロジェクトは、「課題解決型」と「文脈可視化型」に分けられます。

課題解決型の例として、黄金町エリマネセンターや PARADISE AIR(松戸)があり、文脈可視化型では、森美術館のまちと美術館、ACF(府中)などが挙げられます。

またテーマによって「観光×アート」「産業×アート」「福祉×アート」「環境×アート」「教育×アート」などさまざまに類型できます。

日本におけるアートプロジェクトは、政治的にラディカルな市民たちだけではなく、より曖昧な社会的意義を求めるマジョリティに対して、社会参加の機会を働きかけているように思えます。

アートプロジェクトに関連して、「手作業」を呼びかけるという穏やかな手法で、人と人の間に新しいコミュニケーションの回路を生み出しているのです。

既存のコミュニティにこびりついた「しがらみ」を浄化し、それまで無かった新しい繋がりを作ることで、その地域の課題を解決したり、新たな魅力を可視化したり、人々が生きがいを見つけたりすることが、期待されているのでは無いでしょうか。


 
 
 

最新記事

すべて表示
今なぜ ご近所資本主義なのか? ご近所資本主義 ①

【内容】 第1章 画一化する都市と地域経済の空洞化という課題 第2章 「よき商い」と関係性が支えるご近所資本主義 第3章 多様性とレジリエンスを生む新しい資本のかたち   知人の小野裕之さんたちが「BUY LOCAL」という活動を展開し始めました。 鉄道会社の方など様々な人たちを紹介しながら、彼らが提唱する「ご近所資本主義」について勉強させていただきました。 本シリーズでは、次世代の地域活性化策と

 
 
 
都市の未来 マインド・メイキング ⑩ -共感と持続性を生む都市の新しいかたち-

【内容】 第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ 第2章 共感を軸にした新しい経済モデル 第3章 「共感でつながる都市」がもたらす未来     第1章 「建てる」から「意味をつくる」都市開発へ これまでの都市開発は、土地の有効活用や機能配置、商業性の最適化など、目に見える成果を中心に進められてきました。 しかし成熟社会では、人々の評価軸が大きく変化しています。 利便性や効率性だけでは選ば

 
 
 
事業価値 マインド・メイキング ⑨ -「共感」を経済のエンジンに変える都市開発モデル-

【内容】 第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ 第2章 3つの収益ドライバー:会員・推し活・ブランド価値 第3章 共感が循環する持続型都市経済モデルへ   第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ これまでの都市開発は、テナント収益や物販売上など、従来型の商業収益を基盤としてきました。しかし、成熟社会において人々の消費行動は大きく変化しています。 物やサービスを「便利だから」「安いから」で

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page