top of page
検索

アートプロジェクトのポジショニング:アート街づくり ④

アート街づくりの変遷を通じて、最新動向として「アートプロジェクト」に至っていることがわかりました。

東京都の事例をもとに、現状の様々なアートプロジェクトを、「リソース及び発信範囲が、広域あるいは地域なのか?」によって4つのグループにポジショニングして整理します。



1.リソース・発信ともに広域施策

地域独自のリソースに限定しない、文化芸術やアーティストを、同じく地域内に限定せず、広く発信し体験して貰うアートプロジェクト。各地で開催される芸術祭や「新宿クリエイターズフェスタ」などが代表例になります。比較的大規模になり、地域イメージ向上などのゴールが設定されます。


2.地域リソースの広域発信施策

地域独自のリソースを広域に発信し、体験して貰うアートプロジェクトになります。街まるごとミュージアムや「世田谷区芸術百華」「港区:みなとアートナビ」などが事例になります。地域の再発見や地域を超えるネットワークの形成などが見込まれが、認知を広げるためには、発信手法に工夫が必要です。


3.広域リソースを地域投入する施策

地域に限定しないリソースやタレントを活用して、地域の住民に発信・体験してもらうアートプロジェクトです。アーティスト・イン・レジデンスや「墨田区:隅田川 森羅万象 墨に夢」など事例があります。地域外からの視点を共有することにより、地域住民を刺激するゴールが想定されますが、その効用を拡張する時ステップが重要になります。


4.リソース・発信ともに地域施策

地域のリソースを、地域住民に体験・発信していく活動で、地域のアート活動の支援を通じてコミュニティの醸成が想定されます。



「1.リソース・発信ともに広域施策」は、非常に大規模かつ高額になります。また「4.リソース・発信ともに地域施策」は、狭域かつ効果も限定的になることから、今回のアート街づくりに関する考察では、「2.地域リソースの広域発信施策」及び「3.広域リソースの地域投入施策」について検討します。


最新記事

すべて表示

インプット方策 共創から競創へ ⑥

【内容】 街の魅力の「磨き上げ」 磨き上げのための【(1/100)の3乗戦略】 「場所性」×「体験性」×「演出」で磨き上げる 1.街の魅力の「磨き上げ」の必要性 これまでの考察から、まちづくりのゴールは、「サードプレイスとしての魅力化」だと考えます。 街づくりとは、住む人が多い街ではなく、働く人が多い街でもなく、「わざわざ繰り返し街を訪れる人(=街のファン)が多い街【サードプレイス・タウン】づくり

エリマネの可能性と課題 共創から競創へ ⑤

【内容】 まちづくりとエリアマネジメント エリアマネジメントの課題 エリアマネジメントの進化の必要性 1.まちづくりとエリアマネジメント 2000年頃から街の活性化の切り札としてエリアマネジメント(以下エリマネ)という考え方が積極的に導入されるようになりました。 国交省の「エリアマネジメントのすすめ」によると、「地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者などに

まちづくりとコミュニティ 共創から競創へ ④

【内容】 まちづくりと同義語 コミュニティ参画のメリット まちづくりのゴール 1.まちづくりと同義語 先述したように、日本においては政府報告書「コミュニティ:生活の場における人間性の回復(1969)」において「村落共同体ではなく、新しい地域をまとめるための概念としてのコミュニティ」が記載されることにはじまります。 同じ頃にひらがなの「まちづくり」も提唱されはじめます。 日本屈指の地域政策プランナー

bottom of page