top of page

CAMPUS2.0 ⑥ 2極化する学生、教員、キャンバス

  • 2022年5月9日
  • 読了時間: 2分

オンライン授業の定着で学生の提出するレポートの内容が、格段にレベルアップしたと言う教員の評価があります。通学が無くなり時間が有効に使えたり、リラックスした環境で受講できるという要因も考えられますが、オンラインによって授業内容がアーカイブ化され、学生が必要に応じてリピート学習できる状況になった事が大きいという分析があります。一方で教師の方もアーカイブとして記録されるので、いつまでも同じ内容を繰り返す訳にいかず、適宜更新していく必要があり、結果的に講義内容が充実していくようです。

このようにオンライン授業化によって、教師の知力、努力、熱意が可視化されてしまいます。この構図はオンライン公演などのエンタメ分野に酷似しています。コロナ禍でリアル公演ができず、急速に普及したオンライン公演ですが、一言で言えば「弱肉強食」の世界になったと言われます。オンライン公演が残酷なのは、どんなライブも「同じ画面」で見てしまう事にあります。リアルライブであれば100人のライブハウスの演出と、東京ドーム公演の演出とを比べる人はいませんが、オンライン公演では予算の大小に関係なく、スマホやパソコンの画面を通してフラットに並べられ、残酷に比較されてしまう事になります。しかもリアルなライブでは仲間内で楽しむレジャー的な要素も強いのですが、オンライン公演では個人がスマホやパソコンで「純粋に鑑賞する」事が主流になります。オンライン授業においても、教室やキャンパスでの様々な付加要因が剥ぎ取られ、「講義の質」だけが問われることになるのです。

一方でオンライン授業に対応した機器や通信環境、サポート体制を準備できる大学及び学生と、そうでない者とのデジタル格差=教育格差が拡大・定着してしまうかもしれません。

コモディティ化している授業内容は、オンラインを活用し、これまでよりも遥かに安い費用で提供し、キャンパスで過ごす貴重な時間は、専門性の高い選択科目やグループワーク、教員との対話やキャリア指導などに注力していく必要があります。もちろん社交活動や人脈作りやフィールドワークや在外研究の促進も重要です。

オフィスやエンタメと同様に、リアルとオンラインとのハイブリッド授業を前提に大学のリソース再編成が急務になります。


 
 
 

最新記事

すべて表示
方策3:継承・対話プログラム 人生観都市 ⑨

【内容】 第1章 継承・対話プログラム制度化の基本的考え方 第2章 社寺・退職世代を活かした具体的展開 第3章 関係性と継承を再生する社会的意義 第1章 継承・対話プログラム制度化の基本的考え方 継承・対話プログラムの制度化とは、人々の経験や価値観、生き方を世代を超えて共有し、社会全体で継承していく仕組みを、都市の中に常設的に組み込む取り組みです。 現代都市では、人と人との関係性が希薄化し、人生を

 
 
 
方策2:人生のアーカイブ 人生観都市 ⑧

【内容】 第1章 人生アーカイブ基盤構築の基本的考え方 第2章 社寺・退職世代を活かした具体的展開 第3章 都市に記憶を実装する社会的意義 第1章 人生アーカイブ基盤構築の基本的考え方 人生アーカイブ基盤の構築とは、人々の人生経験や地域の記憶を、都市全体で蓄積・共有・継承していくための仕組みを整備する取り組みです。 現代都市では、多くの人が豊かな経験や知識を持ちながら、それらが社会に残らないまま消

 
 
 
方策1:人生価値の拠点づくり 人生観都市 ⑦

【内容】 第1章 人生観拠点整備の基本的考え方 第2章 社寺・公共空間を活用した具体的展開 第3章 人生観拠点が生み出す都市価値 第1章 人生観拠点整備の基本的考え方 人生観拠点の重点整備とは、人々が「どう生きるか」「何を残すか」を考え、共有し、継承できる場所を都市の中に戦略的に整備する取り組みです。従来の都市開発は、商業、オフィス、住宅などの機能を効率的に配置することが中心でした。しかし成熟社会

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page