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AR活用の効用:商業施設のXR武装 ⑨

  • 2023年6月12日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 参画ハードルを下げる

  2. 遊びと変化づくり

  3. 収益の多極化



1.参画ハードルを下げる

AR技術を活用する利点の一つが、「参画ハードルを下げる」ことにあります。

商業施設にリアル店舗を出店するには、多額の費用が必要です。

坪当たり数十万円の補償金に加え、店舗内装費は設備費用を含めると、坪当たり百万円以上になります。50㎡(約15坪)の店舗出店には、物販店舗で、2,000〜3,000万円、設備費用のかかる飲食店であれば、3,000〜4,000万円が必要になります。

良く「どこの商業施設に行っても、同じような店舗ばかりが並んでいて、代わり映えしない」と揶揄されますが、このような出店費用を準備し、信用調査をクリアできる会社に限りがあるからです。ある商業施設幹部は、「そんな会社は、全国で200〜300社しかない、200テナントを超える大型商業施設を作っていけば、同じ店ばかりになるのは仕方がない」とこぼしていました。

AR技術を活用して、リアル店舗は、コンパクトで最小限の内装に止めれば、出店コストの抑制につながります。

壁面を活用すれば、さらに幅広い人たちの参画が可能になります。

資金力のハードルが低くなれば、それだけ様々な人材・才能との連携が可能になり、魅力あるコンテンツが集積してくるのではないでしょうか。

施設丸ごとYouTube化する事も夢ではありません。


2.遊びと変化づくり

商業施設へのリアル店舗の出店ハードルが高いことは、前述しました。

主にリアル・ハードに関わるコストなので、「店の雰囲気を変えたい」と思っても、なかなか難しいのが現実です。

店舗の内装工事の手間・費用、そして工事期間中の営業ロスなどを考慮すると、4〜5年に一度のリニューアル工事が現実的なのです。

AR技術を駆使することで、この問題もクリアが可能です。

妄想編でも提示したような、話題性のある「裏ショップ」の展開や、季節ごとの変化、クリエイターとのコラボレーションなどについて、手軽なコスト(と工事期間も無し?)で対応することが可能になります。

これからのリアル店舗が、Eコマースへの「顧客誘導ゲート」として位置づけられるのであれば、話題づくり、共創・交流の場として臨機応変な環境づくりが有効だと考えます。


  1. 収益の多極化

従来の商業施設は、基本的に「床貸し業」で、施設全体に集客することで、店舗の売り上げに連動した収益を得ていました。

これまでは、「区画床」でしか、得られなかった収益が、

  1. マグネットコンテンツに作品提供する人たち、及び集客した人たちからの収益

  2. 商業コンテンツ経由で、 Eコマースの売上と連動した収益

  3. プレイスメディアでの認知×共感に連動した収益

  4. それらを総合した施設全体のファンのデータに関する収益

  5. 施設全体の活動に関するスポンサードによる収益

など、様々な収益方策が想定できます。

床貸し業から「顧客接点プラットフォーム業」にアップデートする事で、収益の多極化が可能になるのです。

 
 
 

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