top of page
検索

歩きたくなる道づくり:ヘルシーロード「+AR」:シン健康まちづくり ⑧

【内容】

  1. ヘルシーロードの考え方

  2. ヘルシーロードの計画

  3. 「歩くこと+α」の必要性



1.ヘルシーロードの考え方

「ヘルシーロード」は歩いて楽しめる街づくりにおいて中軸となる考え方です。

日常生活圏域にある商業施設や医療・福祉施設などをつなぐ「安心して歩ける歩行空間のネットワーク」を意味します。

中心市街地では、商店街やモール、広幅員の歩行者専用道などの歩行者交通量の多い主動線と、広域からのアクセスが想定される都市施設とを結ぶアクセス動線、さらには健康増進のためのウォーキングなどに利用される公園周辺動線などが、ネットワークされて構成されます。


2.ヘルシーロードの計画

高齢者が休憩しないで歩ける歩行継続距離は、約500〜700メートルとされています。

高齢者が徒歩で外出するために必要な要因として、沿道商店・住民コミュニティの交流性や楽しさ、街路樹・街並みの美しさなどの「沿道景観」と、トイレ、ベンチなどの「休憩施設」の有無が挙げられています。

さらに歩行経路の選択には、「道路横断の安全性」や「歩道の凸凹、段差」などのバリアフリー性も重視されます。

また主要道路のネットワークにより、自動車交通の円滑化を図りながら、駐車場の設置位置の配慮や、「ゾーン30」の導入などで、エリア内の生活道路への通過交通の排除や速度抑制を行うことで、歩行者中心の空間づくりを面的に確保することが求められます。

自転車ネットワークや駐輪スペースの確保など、安全な自転車利用環境の整備も重要です。

東京の初台駅につながる「オペラシティ」を起点に北上し、西新宿五丁目駅に至る1.2kmの山手通りと周辺商店街が、ヘルシーロードとして設定されています。

歩道上に十分な明るさを提供する14m間隔の街路灯、300〜500m間隔の歩行者用案内サイン、同程度の間隔でのベンチ設置、バス停と連動したベンチ・フラワーポットからなる「ヘルシーロード・オアシス」などが整備されています。


3.「歩くこと+α」の必要性

初台では、ハード整備だけでなく、「ヘルシーロード・ウォーク」などのイベントを開催し、地元の住民、学生、企業などの交流機会を創出しようとしています。

高齢者を含めて、多様な人たちが、ヘルシーロードを散歩するには、イベントを超えて、「歩くこと+α」を仕掛けるプログラムが必要ではないでしょうか?

ヘルシーロードを歩きながら「発見する」「表現する」などの行動が仕掛けられると、定期的に散歩して貰えると考えます。

具体的には、AR技術などを活用して、ヘルシーロードにまつわるコンテンツを積み上げていくのです。最初は、街の歴史や名所の解説から始まるかもしれませんが、それに各人の発見ポイントや見立てを上書き出来ると楽しくなります。

「シルバー川柳(例)マイナンバー ナンマイダーと 聴き違え」的なユニーク視点で、周辺の魅力を発見・表現して貰ってはどうでしょうか。

コンテンツを「作る人」と「見る人」がヘルシーロードを歩く目的ができ、ヘルシーロードを歩く人が増えていくと思います。


最新記事

すべて表示

【内容】 個人にとっての効用 街と社会にとっての効用 サードプレイスがある効用とは何でしょうか? ここでは、「個人」と「街と社会」にとっての効用を整理します。 1.個人にとっての効用 1.新しいコミュニティへの所属 サードプレイスでは、新しいコミュニティを構築でき、ファーストプレイスやセカンドプレイスにはない関係性が生まれます。新たな所属が、日常における待避場所となり、生活の満足度が高まります。

【内容】 A:交流型サードプレイス B:マイプレイス型サードプレイス C:価値共有型サードプレイス サードプレイスの分類では、本来オルデンバーグが示した「A:交流型」と、日本での主流となっている、一人または数人で静かに自分の時間を過ごすために、活用される居場所タイプ 「B:マイ・スペース型」の2種類への分類が一般的です。 ここでは、より現代の日本社会に対応させるため、特定の目的や意味を共有する「C

【内容】 日本にも有ったサードプレイス的空間 日本的なサードプレイスの特徴 1.日本にも有ったサードプレイス的空間 日本にも「家でも会社でもない居場所」という意味での、サードプレイス的な空間はありました。いくつかを例示します。 居酒屋:日本文化研究者のマイク・モラスキーが、日本におけるサードプレイスの代表例として「赤提灯や大衆酒場のような庶民的な居酒屋」を挙げているように、カウンターが一種の共有空

bottom of page