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コリビングの課題 コリビング ④

  • 2025年3月19日
  • 読了時間: 4分
  1. コリビングの事業構造

  2. 「緩やかな隣人関係」づくり

  3. コミュニティ運営

 

 

1.コリビングの事業構造

コリビングは個室をできるだけコンパクトにして、共用のリビング・キッチン・ワークスペースを備える構造になっています。

ですから一般の賃貸マンションで備えられる水回りを極力抑える事が可能になります。トイレに加えて、バスタブの無いシャワーブースと洗面台程度が、ユニットになっています。

個室をコンパクトにした分、共用スペースを充実させて差別化を図っています。

ハイスペックなキッチン家電やシアタールーム、ジム施設などを備えた物件もあります。

このような構成にした上で、4坪程度の個室の料金は、一坪あたり3〜5万円と周辺相場の3倍程度に設定されますが、総額では12〜20万円程度の収まるようになっています。

入居時の敷金・礼金もなく、家具・家電付きで、水道光熱費込みの料金ですから、引越し作業や煩雑な手続きがなく、非常に身軽に入居が可能になります。

住民票や法人登記に対応する物件もありますので、中期の生活拠点として問題ないのでは無いでしょうか。

事業者側としては、各個室の水回りが無い分工事費を抑える事ができますし、賃貸借契約ではなく、立ち退きなどのトラブルが発生しにくい施設・サービス利用契約である点も、魅力的だと言えます。

 

2.「緩やかな隣人関係」づくり

住人が個別に生活するのではなく、寝室とトイレやシャワーなど最低限のプライバシーは確保しながら、リビングやキッチン、ワークルームを共用する構造になっていますから、共用スペースでの生活シーンが重要になります。

前述のようにハイスペックなキッチン家電やシアタールームなどのハード面の充実も大切ですが、良質な住人コミュニティというソフト面のノウハウが、鍵になります。

寝室以外は全て共用になるシェアハウスほど、濃密ではありませんが、単なるマンション管理ではなく、「緩やかな隣人関係」を促すコミュニティ運営が重要になってきます。

 

3.コミュニティ運営

国交省は新たなコミュニティ形成に向けて場所、機能、仕組みの3つの視点を提示しています。(新たなコミュニティの創造を通じた新しい内発的発展が支える地域づくり:2019)

 

  1. 多様な人々が集まれる場

コミュニティの場は特別に独立した設えが必要な訳ではありません。

カフェ、ライブラリー、コインランドリー、温浴施設、コワーキングスペースなど、誰でも自由に使える空間であれば良く、様々な場所が「場」になるとされています。

  1. 多様な人々を集める機能

「機能」とは「場」で出来ることであり、「あそこに行けば〇〇ができる」などの人が集まるキッカケ・動機を備えたものを指します。

具体的には、一部のコーヒーを飲む、本を読む、洗濯をする、入浴する、仕事をするなど、多様な人々のニーズを満たし人が集まる動機、魅力となるものになります。

  1. 多様な人々を繋げる仕組み

「仕組み」は人が集まる頻度、人同士を繋げる頻度、自主的な参加意識を高めるなど、「場」「機能」に人が媒介とすることでコミュニティ形成の可能性を高めます。

具体例として、コーディネーター、コンシェルジュ、映画・芸術祭、季節行事、交流イベント、スポーツ、地域課題への取り組み、勉強会などが挙げられます。

 

これをコリビングに応用すると、「コミュニティの基盤となるのは、生活関連機能のリビング、キッチンやコワーキングスペース」になります。

これらのスペースにサロンや会合の場となる余剰空間を確保し、まず住人同士を繋ぎ、さらに外部を含めた幅広い人々を集めていくことが求められます。

「楽しい」「癒される」「興味を惹く」「知識が得られる」などのモチベーション抱かせるイベントやプログラムを仕組んでいく運営が重要になってきます。

従来の不動産業では求められなかった「コミュニティ運営」こそ、コリビングの重要な課題だということになります。

 
 
 

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