第10章 Stayable TownからLovable Townへ
― 成熟社会が目指す新しい街づくり ― 【内容】 1.Walkableだけでは街の魅力は生まれません 2.Stayableが街への愛着を育てます 3.街づくりは「文化を育てる仕事」になります 1.Walkableだけでは街の魅力は生まれません 近年、日本でも「ウォーカブル(Walkable)」という言葉を耳にする機会が増えました。 歩きやすい歩道を整備し、自動車中心だった街を、人が安心して歩ける街へ変えていこうという考え方です。 もちろん、この方向性はとても重要です。 歩けない街では、人は街を楽しむことができません。 しかし、今回メルボルンを歩きながら感じたのは、歩きやすいことだけでは、人は街を好きにはならないということでした。 メルボルンには、歩きやすい道があります。 しかし、それ以上に魅力的だったのは、「思わず立ち止まりたくなる場所」が街中にあることです。 カフェの前で。 レーンウェイで。 広場の階段で。 図書館の前庭で。 ヤラ川の芝生で。 人々は目的地へ急ぐのではなく、その街で過ごす時間そのものを楽しんでいました。 歩けることは、街づくりの
7 分前読了時間: 4分
第9章 街の行動OSという発想
― 空間をつくる時代から、行動を育てる時代へ ― 【内容】 1.魅力的な街には「行動のきっかけ」があります 2.街の行動OSが日常を豊かにします 3.街づくりは「管理」から「誘発」へ 1.魅力的な街には「行動のきっかけ」があります メルボルンを歩いていて、もう一つ気づいたことがあります。 それは、人々が特別な理由もなく、自然に街で過ごしていることでした。 朝のカフェでコーヒーを飲む人。 ヤラ川沿いの芝生に座る人。 図書館前の階段で読書をする人。 レーンウェイで立ち話をする人。 どの行動も、誰かに指示されたものではありません。 イベントがあるからでもありません。 人々が、ごく自然にそうした行動を選んでいるのです。 では、なぜそのような行動が生まれるのでしょうか。 それは、街の中に「やってもよい」という雰囲気や、「こう過ごすと楽しい」という空気があるからです。 ベンチがある。 テラス席がある。 芝生へ座る人がいる。 コーヒーを片手に歩く人がいる。 そうした何気ない風景そのものが、「私もやってみよう」という気持ちを生み出しています。...
3 日前読了時間: 3分
第8章 文化はデザインできる
― コーヒー文化が教えてくれた街の育て方 ― 【内容】 1.文化は自然に生まれるものではありません 2.「楽しみ方」が文化を育てます 3.街づくりも文化を育てる時代になります 1.文化は自然に生まれるものではありません メルボルンを歩いていると、街の至るところにカフェがあります。 朝早くから営業する小さなカフェには、多くの人が立ち寄り、バリスタとの何気ない会話を楽しみながらコーヒーを受け取っていきます。 昼になると、テラス席では仕事の打ち合わせをする人、本を読む人、友人と語り合う人など、それぞれが思い思いの時間を過ごしています。 この光景を見ていると、「メルボルンにはコーヒー文化がある」と感じます。 文化とは単に美味しいコーヒーがあることではありません。 世界中には質の高いコーヒーを提供する店があります。 それだけでは文化にはならないのです。 メルボルンでは、人々がコーヒーを飲みながら街で過ごすことそのものが日常になっています。 待ち合わせをする。 仕事の合間に立ち寄る。 休日に読書をする。 近所の人と会話をする。 そうした日常の行動が積み重なり
5 日前読了時間: 3分
















