第9章 街の行動OSという発想
― 空間をつくる時代から、行動を育てる時代へ ― 【内容】 1.魅力的な街には「行動のきっかけ」があります 2.街の行動OSが日常を豊かにします 3.街づくりは「管理」から「誘発」へ 1.魅力的な街には「行動のきっかけ」があります メルボルンを歩いていて、もう一つ気づいたことがあります。 それは、人々が特別な理由もなく、自然に街で過ごしていることでした。 朝のカフェでコーヒーを飲む人。 ヤラ川沿いの芝生に座る人。 図書館前の階段で読書をする人。 レーンウェイで立ち話をする人。 どの行動も、誰かに指示されたものではありません。 イベントがあるからでもありません。 人々が、ごく自然にそうした行動を選んでいるのです。 では、なぜそのような行動が生まれるのでしょうか。 それは、街の中に「やってもよい」という雰囲気や、「こう過ごすと楽しい」という空気があるからです。 ベンチがある。 テラス席がある。 芝生へ座る人がいる。 コーヒーを片手に歩く人がいる。 そうした何気ない風景そのものが、「私もやってみよう」という気持ちを生み出しています。...
1 分前読了時間: 3分
第8章 文化はデザインできる
― コーヒー文化が教えてくれた街の育て方 ― 【内容】 1.文化は自然に生まれるものではありません 2.「楽しみ方」が文化を育てます 3.街づくりも文化を育てる時代になります 1.文化は自然に生まれるものではありません メルボルンを歩いていると、街の至るところにカフェがあります。 朝早くから営業する小さなカフェには、多くの人が立ち寄り、バリスタとの何気ない会話を楽しみながらコーヒーを受け取っていきます。 昼になると、テラス席では仕事の打ち合わせをする人、本を読む人、友人と語り合う人など、それぞれが思い思いの時間を過ごしています。 この光景を見ていると、「メルボルンにはコーヒー文化がある」と感じます。 文化とは単に美味しいコーヒーがあることではありません。 世界中には質の高いコーヒーを提供する店があります。 それだけでは文化にはならないのです。 メルボルンでは、人々がコーヒーを飲みながら街で過ごすことそのものが日常になっています。 待ち合わせをする。 仕事の合間に立ち寄る。 休日に読書をする。 近所の人と会話をする。 そうした日常の行動が積み重なり
2 日前読了時間: 3分
第7章 文化施設は街のリビングになる
― ビクトリア州立図書館に学ぶ文化サードプレイス ― 【内容】 1.図書館は「本を借りる場所」ではありませんでした 2.文化施設は人が過ごすための場所へ変わっています 3.街のリビングが都市の文化を育てます 1.図書館は「本を借りる場所」ではありませんでした メルボルンで最も驚いた施設の一つが、ビクトリア州立図書館でした。 もちろん、多くの蔵書を備えた歴史ある図書館ですが、実際に訪れて感じた印象は、日本の図書館とは大きく異なります。 館内には学生が勉強し、仕事をする人がノートパソコンを開き、観光客が館内を見学しています。親子連れが絵本を読み、高齢者が新聞を読み、カフェでは友人同士が会話を楽しんでいます。 さらに展示スペースやショップもあり、一日いても飽きることがありません。 図書館は「本を借りる施設」ではなく、「一日を過ごす場所」として機能しているのです。 外へ出ると、図書館前の広場には多くの人が座り、本を読んだり昼食を楽しんだりしています。 建物と広場が一体となり、街全体が一つのリビングのような空間をつくり出していました。 その姿を見ながら、私
4 日前読了時間: 3分
















