第5章 水辺は都市最大のサードプレイス
― ヤラ川が教えてくれた「滞在する街」のつくり方 ― 【内容】 1.ヤラ川は「眺める川」ではなく「過ごす川」でした 2.人が集まるのは、水辺ではなく「過ごし方」です 3.日本の水辺も、もっと暮らしに開くことができます 1.ヤラ川は「眺める川」ではなく「過ごす川」でした メルボルンを訪れて驚いたのは、ヤラ川が街の中心的な居場所になっていたことです。 休日になると、多くの人が川沿いを散歩し、芝生に座り、テラスで食事を楽しみ、ただ景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごしています。 川沿いにはレストランやカフェが連なり、遊歩道にはランナーやサイクリスト、犬の散歩を楽しむ人々が行き交います。橋の下には(橋脚を活かした)水上カフェまであり、街全体が川と一体となって暮らしているように感じられました。 印象的だったのは、多くの人が「何かをするため」に来ているのではないことです。 本を読む人、友人と語り合う人、芝生で昼寝をする人、ただベンチに座って川を眺める人。それぞれが思い思いの時間を楽しんでいます。 都市の中に、このような「何もしなくても心地よい場所」がある
6 時間前読了時間: 3分
第4章 街は余白から面白くなる
― レーンウェイが教えてくれた都市の可能性 ― 【内容】 1.レーンウェイは街の「裏側」ではありません 2.人は「近道」より「寄り道」を楽しみます 3.日本にも眠る「街の余白」を活かせます 1.レーンウェイは街の「裏側」ではありません メルボルンを歩いていて、最も印象に残った場所の一つが「レーンウェイ」です。 細い路地に小さなカフェや雑貨店、ギャラリーが並び、多くの人が思い思いの時間を過ごしています。観光客だけでなく、近くで働く人や地元の人も自然に立ち寄り、街の日常がそこにあります。 もともとレーンウェイは、建物の裏側に設けられたサービス動線でした。荷物の搬入やゴミの収集など、表通りを支えるための裏方の空間だったのです。 しかし、メルボルンではその空間を「街の余白」として捉え直しました。 車ではなく人が歩く場所へ変え、小さな店舗や壁面アートを誘導し、歩くだけで楽しい空間へと育てていったのです。 そこには大規模な再開発はありません。 既にある街の魅力を丁寧に磨き上げるという発想があります。 街の価値は、新しいものをつくることだけで生まれるのではあり
3 日前読了時間: 3分
第3章 街を育てる基本原則
― Mixed Use × Active Frontage が街を変える ― 【内容】 1.用途を混ぜることが街の活力を生みます 2.建物の一階が街の表情を決めます 3.街を設計する時代へ 1.用途を混ぜることが街の活力を生みます メルボルンの街を歩いて最初に感じたのは、「時間によって街の表情が変わる」ということでした。 朝は通勤する人がコーヒーを片手に歩き、昼には近くのオフィスワーカーや観光客がカフェや広場で思い思いの時間を過ごしています。夕方になると仕事帰りの人がレストランやバーへ立ち寄り、夜になっても街には適度な賑わいが続きます。 休日になると、今度は家族連れや学生、旅行者が街の主役になります。 つまり、一日の中で街を利用する人が自然に入れ替わっているのです。 この背景にあるのが、「Mixed Use(ミクストユース)」という考え方です。 住宅、オフィス、商業施設、ホテル、文化施設などを一つのエリアに適度に混在させることで、一日を通じて人の流れを生み出しています。 日本では、住宅地、商業地、業務地を明確に分ける都市計画が中心でした。そのため
6 日前読了時間: 4分
















