第3章 参加デザインは、すでに始まっている
【内容】 1.スポーツは「観戦する場所」から「参加する街」へ 2.劇場は「鑑賞する場所」から「世界観を楽しむ街」へ 3.成功の共通点は「参加デザイン」にある 1.スポーツは「観戦する場所」から「参加する街」へ 横浜スタジアムを本拠地とする横浜DeNAベイスターズは、近年、日本のプロスポーツ界でも特に注目される成長を遂げています。 その背景には、強いチームづくりだけではなく、「参加の仕方」を変えたことがあります。 かつてのスタジアムは、試合を観戦するためだけの場所でした。試合開始前に入場し、試合終了とともに帰宅する。それが一般的な利用スタイルでした。 しかし現在は、その体験が大きく変わっています。 試合前には横浜公園でイベントが開催され、キッチンカーやグッズショップを楽しむ人がいます。 試合を観戦しない人でも、公園の雰囲気を味わい、チームカラーに包まれた街を歩くだけで、ベイスターズとの接点を持つことができます。 試合後も、周辺の飲食店や商店街で余韻を楽しむ人が少なくありません。 つまり、試合は一日の体験の中心ではありますが、そのすべてではあ
55 分前読了時間: 3分
第2章 従来型集客ビジネスの限界 参加デザイン②
【内容】 1.イベントは成功した。しかし、その後が続かない 2.「来場者数」だけでは、本当の価値は測れない 3.施設を競う時代から、関係性を育てる時代へ 1.イベントは成功した。しかし、その後が続かない 「大勢のお客様に来場していただき、大盛況のうちに終了しました。」 イベント終了後、このような報告を耳にすることは少なくありません。 確かに、多くの来場者が集まり、会場が賑わえば、そのイベント自体は成功だったと言えるでしょう。しかし、その賑わいは翌日も続いているでしょうか。その施設を再び訪れたいと思う人はどれだけいるでしょうか。そして、その街との新しい関係は生まれたでしょうか。 従来の集客ビジネスは、「一度来てもらうこと」を目標として発展してきました。 広告を出し、魅力的なイベントを企画し、来場者数を増やすことが成果として評価されてきたのです。 この考え方は、高度経済成長期や人口が増加していた時代には、とても合理的でした。新しい施設やイベントが次々に生まれ、多くの人が「初めて体験すること」に価値を感じていたからです。 しかし現在では、イベン
9月18日読了時間: 4分
第1章 今なぜ「参加デザイン」が必要なのか:参加デザイン論①
【内容】 1.集客の時代が変わった 2.「集める」だけでは続かない 3.これからは「参加」を設計する時代へ 1.集客の時代が変わった 「どうすれば、もっと多くのお客様に来てもらえるだろうか。」 これは、商業施設や文化施設、スポーツ施設、観光地など、多くの集客施設が長年考え続けてきたテーマです。 これまでは、新しいイベントを開催したり、有名人を呼んだり、広告を増やしたりすることで集客を図ってきました。そして、多くのお客様が来場すれば、そのイベントは成功だと評価されてきました。 しかし、近年、この成功法則が少しずつ通用しなくなっています。 その理由は、人が減ったからだけではありません。 人口減少や少子高齢化に加え、動画配信サービスやSNS、ゲーム、推し活など、人々の楽しみ方が多様になりました。 私たちは以前よりも多くの選択肢を持つようになり、「今日はどこへ行こうか」だけでなく、「今日は何に時間を使おうか」を選ぶ時代になっています。 つまり、集客施設が競争している相手は、もはや隣の施設ではありません。 人々の限られた「時間」と「関心」を巡る競争
9月16日読了時間: 3分
















