【内容】
スマホでのAR視聴のハードル
ARグラスの進化と課題
コンテンツの対応レベル
1.スマホによるAR視聴のハードル
現状でのARデバイスは、スマホの活用が一般的です。
従って、スマホでARコンテンツを視聴するには、ユーザーの能動的なアクションが、何段階も必要になるというハードルがあります。
具体的な視聴プロセスとハードルは、下記のようになります。
ハードル1:「何が視聴できるか分からない」というユーザーに対して、企画を認知して貰った上で、「面白そうだ」という興味を抱かせる必要があります。
ハードル2:「どうすれば、視聴できるか分からない」というユーザーに対して、方法を理解して貰った上で、「なるほど、やってみよう」と、アプリをダウンロードさせる必要があります。
ハードル3:「表示までの手間が面倒くさい」というユーザーに対して、マーカー読み取って貰った上で、視聴し「面白い」と実感させる必要があります。
この三段階の能動的なアクションは、非常に大きなハードルといえます。
ハードルを最小限にするためにも、個別・単体でいちいちスマホを起動するのではなく、「リアルで面白そうだ」と興味を抱いて貰い、「ゲートでアプリ・ダウンロード」までの操作を終えた上で、ARコンテンツを楽しむようなプロセス設計が必要です。
当面は商業施設全体が、一種の「プチ・テーマパーク的」な演出をして、一括でも対応と体験プロセスを、提供する必要があると考えます。
2.ARグラスの進化と課題
スマホにかわるデバイスとして、近未来的には、ARグラスの普及が期待されます。
従来のようなゴーグルサイズから、進化を繰り返し、最近ではサングラスと変わらないデザインと重量の商品が開発され、日常使いに近づきつつあります。
2024〜2025年頃から普及が進み、2030年には一般化すると予想されています。
ARグラスでは、スマホでのハードルのように「ワザワザ見に行く」のではなく、前提として「様々な情報付きの光景が見えている」状態になっています。
「通りを歩けば」、目的に合わせて、候補のお店の場所が、ピックアップ・案内され、
「お店に入れば」、通路空間に「お買い得、オススメ商品」が飛び出して表示され、
「商品を手に取れば」、産地、作り手情報から調理方法などの様々な関連情報が並ぶ、
そんな近未来のコンセプト映像が流通しています。
「このような情報洪水状態が、現実的なのか?」の課題が、これから検証されていくのではないでしょうか。
3.コンテンツの対応レベル
先述のパルコの安藤さんによれば、提供コンテンツのレベルでは、下記の3ステップが想定されています。
お客様に喜んでいただける方法を知るステップ:まずイベントなどのtoC の場で、アウトプットを出し続け、お客様に支持を得る方法を模索している段階です。【2022年段階】
拠点を体験メディア化して、ユーザーを獲得するステップ:コンテンツの常時配信拠点を定め、催事場の要領で、コンテンツの更新・運用を始めます。
「ここはいつも何かやっているから見に行ってみよう」と習慣づける段階になります。【1〜2年後:2025年頃想定】
集客力を活かしてビジネス展開するステップ:それまでに獲得した集客力を、物販・広告・興行などのビジネスに転用する段階です。【2〜3年後:2027年想定】
現状は①ステップで、まだマネタイズは難しく先行投資している段階です。
【技術の進化とニーズの盛り上がり】とのタイミングの見極めが難しいですが、2030年前後に完成する都市開発プロジェクトでは、実装しておく必要がありそうです。
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