top of page
検索

CAMPUS2.0 ⑥ 2極化する学生、教員、キャンバス

オンライン授業の定着で学生の提出するレポートの内容が、格段にレベルアップしたと言う教員の評価があります。通学が無くなり時間が有効に使えたり、リラックスした環境で受講できるという要因も考えられますが、オンラインによって授業内容がアーカイブ化され、学生が必要に応じてリピート学習できる状況になった事が大きいという分析があります。一方で教師の方もアーカイブとして記録されるので、いつまでも同じ内容を繰り返す訳にいかず、適宜更新していく必要があり、結果的に講義内容が充実していくようです。

このようにオンライン授業化によって、教師の知力、努力、熱意が可視化されてしまいます。この構図はオンライン公演などのエンタメ分野に酷似しています。コロナ禍でリアル公演ができず、急速に普及したオンライン公演ですが、一言で言えば「弱肉強食」の世界になったと言われます。オンライン公演が残酷なのは、どんなライブも「同じ画面」で見てしまう事にあります。リアルライブであれば100人のライブハウスの演出と、東京ドーム公演の演出とを比べる人はいませんが、オンライン公演では予算の大小に関係なく、スマホやパソコンの画面を通してフラットに並べられ、残酷に比較されてしまう事になります。しかもリアルなライブでは仲間内で楽しむレジャー的な要素も強いのですが、オンライン公演では個人がスマホやパソコンで「純粋に鑑賞する」事が主流になります。オンライン授業においても、教室やキャンパスでの様々な付加要因が剥ぎ取られ、「講義の質」だけが問われることになるのです。

一方でオンライン授業に対応した機器や通信環境、サポート体制を準備できる大学及び学生と、そうでない者とのデジタル格差=教育格差が拡大・定着してしまうかもしれません。

コモディティ化している授業内容は、オンラインを活用し、これまでよりも遥かに安い費用で提供し、キャンパスで過ごす貴重な時間は、専門性の高い選択科目やグループワーク、教員との対話やキャリア指導などに注力していく必要があります。もちろん社交活動や人脈作りやフィールドワークや在外研究の促進も重要です。

オフィスやエンタメと同様に、リアルとオンラインとのハイブリッド授業を前提に大学のリソース再編成が急務になります。


最新記事

すべて表示

【内容】 高齢者の「健康長寿」を支える仕組みづくり 厚労省の動き 国交省の動き 1.エイジング・イン・プレイスの仕組みづくり エイジング・イン・プレイスとは、「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続ける」という考え方です。 第2の人生を積極的に楽しみたいけれど、退職後に地縁・社縁を含めた「生きがい」失ったまま高齢化、孤立化する人が多いと言う調査結果があります。 また車を保有しない人は外出率が

【内容】 「健康まちづくり」推進の背景:国の思惑 個人の老後不安 エイジング・イン・プレイスの実現 1.「健康まちづくり」推進の背景:国の思惑 超高齢社会の到来を控え、「住民ができる限り健康で幸せを実感できる」まちの実現を目指して、まち全体の環境を整備する「健康まちづくり」に取り組む自治体・地域が増えています。 誰も反対のしようが無いコンセプトなのは理解できますが、どうして一斉に唱え出したのでしょ

【内容】 消費経済ルールではない関係性づくり 静脈系の価値提供で「半分になった世界を取り戻す」 身体系プラットフォームで、都市も社会も変わる 1.消費経済ルールではない関係性づくり 都市の街並みは美しくなったのですが、その反面、道端の屋台はそのほとんどが取り締まられて姿を消してしまいました。 路上ライブ・ストリートダンスや大道芸などのパフォーマンス行為は規制の対象となり、予め設定されたスペースでの

bottom of page