検索

CAMPUS2.0 ⑩ 究め合い褒め合える知的コミュニティ

人生100年時代を迎えて、八ヶ岳型のライフプランを歩むビジネスパーソンの、学び直しニーズ対応することが、自立運営を求められる大学運営の鍵になります。マークシート方式に慣れた工業社会型人間の学び直しで不可欠なのは、知識の伝達ではなく学びの姿勢づくり「知に向き合う力づくり」です。脳科学的には「生きる目的は(高きに向かって進んでいく努力のプロセス=)成長にある」(理化学研究所 故 松本元氏)と言われます。「分かる=変わる」という前提に立つと、成長には日常的な情報の受発信の量と質とが大きく影響し、オンライン環境は「可視&頭脳的」領域に偏りますから、「可視/不可視&頭脳的/身体的」領域を網羅できるリアル環境の優位性は明確です。感動を伝え「感化する」ためには空気感や文脈などの五感を伴うリアル環境での共有が有効だということです。良質な人やコトとの出会い・発見から、学べる歓び・知る楽しさが波紋のように広がる「創造の6次産業化」が重要なのです。オンラインでの効率的な情報共有を前提にしながら、リアルで同じテーマに向かう共感や支え合う仕組み、切磋琢磨する対話を実現できる環境を提供するのです。独力で学び続けられる強い意志の人だけでなく、より多くの人に「知に向き合う力づくり」を提供する社会インフラになることが、次世代の大学のゴールだと考えます。

加えて「寛容な社会化」を推進するインフラになれないでしょうか。学生の特権は「様々なことにトライする事」が許される立場であると考えます。何かあれば、ディスるばかりでホメなくなった日本社会、やり直せなくなった不寛容な空気感を変えていく必要があると思います。京都では「学割」といって、学生や教員・研究者に対して、街なかの飲食店がサービスを割安で提供する寛容な風習が残っていました。大学を中心に、究め合い褒め合う知的コミュニティが、拡がっていくことを期待します。学ぶ力とそれを支える心が、未来を作っていくのだと確信します。


最新記事

すべて表示

街ぎわプレイスの現状を確認してみると、街なかの幹線道路では電線地中化により、電柱がない場所が増えました。歩道は広くなり舗装材も新しくなり、街路樹も立派になりました。確かに街並みは綺麗になったと言えます。 オフィスビルの1階には、午後3時には営業を取りやめ、賑わいを阻害するとされた銀行ではなく、洒落たカフェなどの店舗が入居するようになりました。広場や駅前にはパブリックアートもふえました。無粋と言われ

コロナ禍を経てオンライン1stが浸透し、どこにでも住め、どこででも働ける時代になりました。必然的にわざわざ移動して集まる価値と理由が問われます。リアルな都市の価値が問われているのです。技術革新が進む中で収益の2割以上を新規事業が占める企業が増え、オフィスは単に集まって事務作業する場ではなく、出会い・交流し・イノベーションを生み出す場としての役割が求められるようになっています。都市産業論でこれまでも

オンライン1stの顧客接点として非常に可能性を持つのが「鉄道駅(駅ビル)」です。世界一のターミナルと言われる新宿駅の1日の乗降客数は300万人を超え、これを顧客接点と捉えると、年間1000万人を集める商業施設と比較しても圧倒的な接点数になります。 コロナ禍前の調査ですがJR東日本全体で1日あたり1663万人(日本マーケティング研究所2015年)となり、セブンイレブン全店客数1509万人を上回ってい