top of page
検索

CAMPUS2.0 ⑦ リアルな大学の価値

先の例にあるように授業を受けるという行為だけであれば、Web授業の方が効率は良いかも知れません。それではリアルな大学の価値はとは何でしょうか? 私は以下の3つの要素を挙げたいと思います。

  1. 共に学ぶ場:「情報」を論理的/非論理的及び視覚的/非視覚的の縦横2軸で四象限に整理すると、Web授業で対応できるのは論理的かつ視覚的の1/4部分だけだという事がわかります。人と人との交流を通じて進化していくプロセスにおいて、Web授業だけでは賄えない残りの3/4の領域を補完する環境が必要です。中・長期の探究スタンスを含めて知的好奇心を共有する仲間が競い合ったり、励ましあったりできる「共に学ぶ場」がリアルの大学にはあるのです。

  2. 人間関係形成の場:①とは対称的になるかも知れませんが、非目的型の交流の場も大学の魅力と言えます。社会人とは違い利害関係の薄い人たちが、国内外から広く集い、場を共有することによるカジュアル・コリジョン機会が、リアル大学の大きな価値ではないでしょうか。人生において最も充実した「人間関係形成の場」だと考えます。

  3. トライアルの場:さらに最も好奇心と新規性に富む学生コミュニティが挙げられます。加えて大学だからこそ失敗しても許されるのです。このフレッシュなコミュニティを活用した「様々なトライアルの場」としても重要だと考えます。

いずれもオンラインでは、なかなか提供できないサービスです。リアルな大学価値向上に向けたリソース再編には、これらの3要素を重ね合わせていくことが重要です。次節ではこれらを重ね合わせたイメージを考察します。



最新記事

すべて表示

【内容】 街歩きの「テーマ」づくり 見立てアート視点 メタ思考で街を楽しむ 1.街歩きの「テーマ」づくり 街を歩くといっても、ただ歩くだけでは、直ぐに飽きてしまいます。 体力づくりのために歩くのなら別ですが、街歩きを楽しむための「工夫」を持った方が、継続・習慣化できるのではないでしょうか。 簡単にできる街歩きの「工夫」として、「テーマ」づくりが考えられます。 「坂のある街歩き」「アニメの聖地巡礼」

【内容】 これまでの論点整理 「歩ける街」から「歩くことを楽しめる街」へ 「歩く事+αの仕掛け」が、歩いて楽しい街をつくる 1.これまでの論点整理 注目を浴びる「街歩き」ですが、誰でもが気軽に参加できる「実施率の高さ」が重要です。 健康だけでなく、コミュニティ形成や街への愛着、防災まちづくりからイノベーションまで、様々な「街づくり」の促進役として、期待されます。 街あるきの効用については、生活習慣

【内容】 回遊性に関する研究の沿革 回遊性の定義 回遊性の工夫 1.回遊性に関する研究の沿革 「回遊性」という言葉は、1990年代以降、街づくりにおいて、頻出するようになります。 デジタル大辞泉によると、元の意味は、「魚や鯨が、産卵などのために、定期的に移送する性質」ですが、これが転じて、「買い物客が、店内や商店街を歩き回る事」となっています。 「滞留時間と買い物単価とは、比例する」という研究報告

bottom of page