検索

CAMPUS2.0 ⑨ スマートキャンバス

大学の本質的な価値が「創造の6次産業」であるとすると、これまでの既成概念でイメージされてきた大学リソースの再編が必要だと考えます。

① 人のリソース再編:Web授業の提供であれば、極端に考えれば東進ハイスクールの例に見るように、一部の花形教員の動画がいくつかあれば十分になります。一方で関心が長続きしないオンライン授業対応のサポート&トレーニングスタッフが必要になります。その他の教員は、講義に当てていた時間を少人数ゼミの指導の時間や、教員自身の研究時間に充てることができると考えます。

② 物のリソース再編:大学施設の在り方が大きく変わります。大講義室は不要になりますし、 Web授業による低稼働の施設は再編対象になります。その上でラーニングスペースを工夫した施設への投資配分も可能になると考えます。オフィスではリアルな対面会議がミニMICE的な性格が強くなるという予測をしましたが、大学でもリアルなゼミ授業を中心に、ゼミ前の準備ワークやゼミ後の交流対応などが、重視されるようになるのではないでしょうか?

③ 情報のリソース再編:オンライン化に伴いこれまで個別研究室単位に紙中心でストックされていた情報が、デジタル資産にシフトし共有活用が可能になります。研究予算と成果データが集まれば、より有効な投資判断が可能になりますし、学生の学修データが集まれば、採用企業とのマッチング効率が高まります。研究データの集積はより活発な産学連携につながります。これまでガバナンスの体制も指標もなかった大学が組織として有機的に活動できる様になります。


もちろん偏差値や就職率、企業との共同研究額だけが、大学の評価につながる訳ではありませんが、これまでは大学という権威と格式あるハードに隠されて、費用に対する効果測定が有耶無耶にされてきたのではないでしょうか。今回のコロナ禍を通じて様々な指標の見える化できれば、大学が真にマネジメントされる契機になると考えます。本来は社会を先導すべき立場にある大学が、コロナ禍に伴う変化を進化機会と捉えるか?あるいは保守・退行に止まるのか? リアルな大学の存在意義そのものが問われているのではないでしょうか。

最新記事

すべて表示

共感人口の参考になる関係人口の創出方策については、明治大学の小田切徳美教授によって「人」、「場」、「仕組み」の観点から整理されています。 「人」は地域の人と関係人口を結びつける役割を果たす「関係案内人」や中間支援組織等のことで、拠点の場所に関わらず都市側及び地方側の両方の視点を持ち、地域を客観的な視点でみることが可能な人であり、偶発性を装いながら必然性をデザインする場の「編集人」とされています。関

共感人口の参考例として関係人口の規模感について整理します。2021年にブランド総研が行った関係人口の意識調査によると、都道府県で最も関係人口が多いのは福島県で1229 万人となりました。これは福島県の居住人口(約 182 万人)の 6.8 倍にあたります。次いで沖縄県の 950 万人、北海道の 756 万人と続きます。この調査では関係人口は大きく 2 つの層から構成されると定義されています。ひとつ

都市における「共感人口」を検討するために、そもそもの関係人口の定義や規模感、創出施策を整理します。 関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、「地域や地域の人々と多様に関わる人達(人口)」を指します。2016年に雑誌「ソトコト」編集長の指出一正著「ぼくらは地方で幸せを見つける」、2017年の田中輝美著「関係人口をつくる」などで提唱された概念です。2017年には総務