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Beyond コロナ10 リアルの価値 都市の価値

  • 2020年9月23日
  • 読了時間: 4分

テレワークで仕事をこなし Eコマースで買い物をすませる日常が一般化すれば、「都市」は必要ないのか?私たちは「都市の役割=リアルの価値」を真剣に見極める必要があります。

脳科学的には「生きる目的は高きに向かって進んでいく努力のプロセス=成長」と言われます。インプットやコミュニケーションの質が大きく作用します。

インプットでは「可視的&頭脳的」に偏るオンラインに比べ、「可視・不可視&頭脳的・身体的」なリアルの方が強力なことが分かっています。また「フラット評価」なオンラインに比べ、歴史や文化などの「濃密なコンテクストを備えたヒト・モノ・場所」の要素を伴うリアルの方が、インプットの振幅や多様性においても優位にあります。

さらにコミュニケーションにも二階層あり、単に一人称で面白がるだけであればオンラインで十分ですが、感動を共有するには空気感などの五感環境が有効なのだと思います。

結局リアルな価値は「1対1の出逢い」にあるようです。

人との出会いにも認知、興味、共感などいくつかのステップがあります。

このブロセスをオンラインだけで完結させてしまうのはかなり非効率なのでしょう。

一度仲良くなった後の「関係維持型コミュニケーション」にはオンラインでも問題ないですが、「関係進化型コミュニケーション」にはリアルでの出会い・認知・興味・共感する方が優位性が高いということです。

オンラインとリアルとをうまく組み合わせることで、幅も広がり深化も早まる環境が作れるのだと思います。

「都市」とは上記のように多彩なインプットとコミュニケーションの場としてのみ、オンラインに対して優位性(=価値)を持つという事になります。「集まって効率よく働く場」ではなく「様々に遊び・輝く場」としての役割・機能を持って初めて、わざわざ出かける場所として認識されるのだと考えます。

都市の価値は「輝きを集め、輝きを交わらせ、新たな輝きを創り出す」事にあるのです。

西村勇哉さんのお話では農耕文明が発達する以前の古代都市「ティオグリ・ペリ」の遺跡がトルコで発見されたと言います。

これまでは食料に確保が不安定な狩猟文明から安定的な農耕文明に進化し、集団活動の必要性から都市が生まれたと解釈されてきましたが、これが根本から覆ってしまいます。

まず初めに「人の集い=都市」があったのです。

そして都市に集まる人たちの食い扶持を賄うために農耕文明が発達していったことになります。

人間は種の継続のため、さらには文化を継承していくために本能的に集い都市を作ってきたわけです。

このような起源を持つ「都市」ですが、現代のような都市再生法などの経済偏重の巨大都市開発の潮流は1990年代以降に盛んになってきたわけで、ごく最近の潮流と言えます。

それ以前は多極連携や適正規模論などが主流だったということです。

今回のコロナショックは巨大都市のデメリットを顕在化し、方向転換の必要性についての認識共有に寄与したと考えます。

では次世代の都市開発に必要な価値観とはなんでしょうか?

次世代の都市には「経済以外」の開発価値観が不可欠で、私たちはその鍵は「歴史性と真実性」にあると考えています。

都市が生活文化の継承基盤であるとするならば、そこには継承と開発との両立させた結果としての経年進化させる気概が不可欠です。

そのためには都市を構成する「Place」と「Link」との接点にあたる「街ぎわ:Linkage Place」において文化醸成を促す舞台環境を仕込んでおく必要があるわけです。

その舞台を生かしたオフィスや商業機能、さらにはエンタメなどが活動していくことで、快適・便利なオンラインビジネスにはない、リアルな「スト〜リー」価値を纏うことができるのではないでしょうか。

この場合の文化の定義は、単にハイカルチャー的な分野だけでなく、サブカル・popはもちろん「時間の経過が勝ちにつながる活動」と定義しようと思います。

その意味で自然景観づくりを含めた幅広い活動事象を想定します。

その対象となるエリア範囲「Linkage Place」は様々な人の活動接点となる場所で、丸の内などでは31m以下、ポートランドでは30ft以下が推奨されています。

都心の容積率を活用した超高層部分とは区別され、そこでの活動の歴史性を踏まえたうえで継承・進化させていく機能とデザインが求められます。

進化の時間サイクルは一世代を基本に考えると30年、少なくとも10年後の価値向上を目指していくべきです。

一般的には経年劣化が避けられない「建築物」の特性を補い、「ヴィンテージ価値」を仕込んでいくわけです。

近年では渋谷ストリームはかなり良く考えられた都市開発だと都市開発関係者の中で高い評価を得ています。

鉄道高架の名残をデザイン化したり、隣接する渋谷川の親水プロムナードを整備したり、開放的で外気が入る飲食ストリートを設けたり様々な建築的工夫が見られますが、ハードでのアーカイブを超えて、より積極的な歴史解釈と継承進化させる開発スタンスが必要なのでしょう。

 
 
 

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