コロナ禍で新しい生活様式が模索される中、「リアル都市の価値」について、小泉秀樹先生(東京大学まちづくり研究室教授)にお話を伺いました。
都市の構造は非常に単純化すると「Place:人が集い活動する場」と「 Link:移動の場」からなり「都市計画とはこの要素をどう組み立てるのか」だと言えるそうです。
近代都市計画が生まれた当初は生産拠点の集まる都心の不衛生なPlaceと人々の生活拠点のPlaceとを如何に隔離しながら Link させるかがテーマだったそうですが、衛生技術の進展に伴い「都心居住」志向になったのは日本では1990年以降の比較的新しい潮流だということでした。
それが今回のコロナ禍で「都市における新しい環境性能(風の道、光の庭など)の具備」がテーマにし得ざるを得ないという事です。
実際クリエイティブワークを含むホワイトカラーの仕事の殆どがオンラインで事足りるのを体験し、リアルな都市に残された価値は Placeにおいては「信頼の構築機会」や「歴史性や本物性の有無」など、より本質的な部分に移行するのではないかと指摘されました。
そして Linkにおいては移動の縮小を踏まえた「Place化の動き」が挙げられます。
パリ市の「15分都市圏構想」のように小さな生活圏における生活環境を充実させる潮流が顕在化してきています。
東京一極集中ではなく多極連携という選択肢が持てるようにな流のではないでしょうか。
この文章はFIACS 2020研究「Beyond コロナの都市づくり」より抜粋・要約したものです。
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