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顧客接点プレイス ② 顧客接点の変遷

そもそも顧客接点はなぜ必要なのでしょうか?

高度経済成長期まで商品の販売は、認知、関心・欲求、購入という分かりやすいプロセスで設計されてきました。例えばテレビCMで「〇〇シャンプー」の存在を知り、それが繰り返される間に関心・欲求が高まり、ドラッグストアの店頭POPなどを見ながら、検討・購入するというプロセスです。

マーケティングにおいて、「顧客接点が重要だ」と言われるようになった背景には、成熟社会化に伴いユーザーに「消費を促すことが難しく」なったことが有ります。

さらにSNSの普及に伴い、購入者の評価・口コミによって、次の購入者につながるという状況が生まれています。企業が宣伝するテレビCMよりも、ネット上の評価の方が、さらに言えば自分が信頼する人の評価の方が、共感でき購入動機につながるという訳です。


これまでの代表的な購買行動モデルの変遷を確認します。

  1. AIDA:最も初期のモデルでAttention(認知)Interest(関心)Desire(欲求)Action(行動=購入) 「知れば買う」という極めて単純な行動が示されています。

  2. AISAS:Attention(認知)Interest(関心)Search(検索・調査)Action(行動=購入)Share(共有・拡散) ネットでの確認や口コミと言う要素が加わります。

  3. SIPS:Sympathize(共感)Identify(確認)Participate(参加)Share(共有・拡散)

SNSを利用した購買行動モデルでは、まず最初に、企業や知り合いからの情報への共感が、起点になっています。


購入までの行動が、複層化、複雑化していることがわかります。

従来はマス対応しかなかった顧客接点ですが、成熟社会ニーズの要請と技術革新による可能性拡大との両面とで、よりきめ細かく、究極的には、「1対1対応で関係を築くことが必要であり、可能になった」と言うことです。データとアクセスによって、行動を最適化し、無駄がなくなります。顧客との接点の頻度が増え、深化することは、次のようなメリットが挙げられます。


  1. マーケティング施策を行える:マス広告で認知を広めるべきなのか?店頭のPOPで購買衝動を掻き立てるべきなのか?企業の施策の無駄が低減されます。

  2. 顧客満足の向上:顧客のニーズと企業の施策とのズレが減れば、顧客の満足度が高まります。結果的に購入継続・リピートにつながります。

  3. 新規客獲得:的を得た施策は、既存顧客の評価・口コミ効果を含めて、新規客の獲得につながります。

  4. 企業イメージの向上:最終的に企業イメージ及び企業価値の向上につながります。


マーケティングのスタンスが、「恋愛型」から「結婚型」にシフトしたと言われます。従来の一時的、扇情的なアピールではなく、継続的に信頼を築いていくスタンスが、重視されるようになった訳です。

顧客接点の変遷は、企業の販売スタンスの変遷でもあります。このマーケティング環境の変化の中で、店舗は「モノを売る場」としての役割で良いのか?或いはその役割を果たせるのか?について検討する必要があるという訳です。


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