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顧客接点プレイス ④ 先行事例の現状と課題

商業のDX化が叫ばれる中で、様々な試みが始まっています。

ファッション系の代表例がZARA の店舗です。面積に限りのあるリアル店舗では、あらゆるサイズや色違いの商品などを揃えることが難しいので、代表的なサイズと色のみを店頭に並べます。手触りや風合いなどを確認して、基本的にはネットで注文という仕組みを導入しています。2-3日で配送されるので、荷物を持たずに買い物できると考えれば、便利かもしれません。


リアル店舗を展開している企業のDX化は、比較的分かりやすいのですが、これはリアル店舗の圧縮・削減圧力となる動向になります。

これから注目されるのは、前回記述したように大競合時代のネットショップが、差別化や集客目的でリアル店舗に進出するケースです。

D2Cメーカーと言われるネット専業ショップのリアル店舗(ショールームストア)は、なかなか難しいようです。丸の内や新宿、渋谷などで、期間限定店舗が、先進的な試みとして進められているものの、「非常に話題になる」「すごく売れる」といった評価には至ってないのが現状です。

実は無数にあるD2Cメーカーのほとんどは、扱う商材の種類が限られ、生産量も少ない状況です。販売スタッフ数やノウハウにも限りがあり、リアル売り場として魅力を発揮することが難しいのだと推察されます。

従来のテナントの入れ替えイメージを元に、ディベロッパー側がD2Cメーカーの店舗に「集客・売上」を期待しても、無理があることを認識すべきです。

新宿高島屋や吉祥寺キラリトなどでは、複数のD2Cメーカーを独自に編集して、売り場を形成する試みを始めていますが、その成否が注目されます。


またb8taなどのテストマーケティング的な位置付けの、所謂「体験型ショップ」も出現しています。カメラ、タブレット及び店員とのコミュニケーションによって収集した「マーケティングデータ」を価値提供しています。

新宿丸井1階の店舗では、「区画(60×40cm)当たり月額30万円」という対価で、単純な月坪換算では400万円を超える事業構造になっています。継続できれば有望な事業スキームになると言えます。


従来は商業施設が、買い物客を「集客」し、店舗の売り上げに応じて、「売上歩合賃料」という対価を払う、と言うわかりやすい事業構造と役割分担がありました。

「顧客接点(自社サイトへの誘導)」を求める D2 Cメーカーに対して、「何を提供し、どんな評価・対価を得るのか?」について明確にする必要があります。

さらにはお客がどんなモチベーションで、そこを訪れるのか?新商品を見たいだけなのか?買いたいのか?も課題になってきます。

カフェであれば、ドリンクにお金を払えば、一定時間は居場所があり、その売上をもとにテナント賃料が支払われます。店舗では購入という権利(?)があるから入店できるといえます。

客が「どのような振る舞い」ができるのか?曖昧では戸惑ってしまいます。現状のショールーム・ストアや体験型ショップは、この「居心地と役割(立場)」とが曖昧だから集客力に欠けるのではないでしょうか?

新しいリアル店舗の価値は、顧客とD2 Cメーカーとディベロッパーの三者の、役割分担と事業構造のバランスを、新たに作り出す必要があるのです。

リアル店舗のあり方=顧客接点プレイスの成立条件として検討すべき課題だと考えます。

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