リアル店舗の価値を、商業施設運営の視点で、リアル店舗の優位性を提示すると、下記のようになります。
一覧性:陳列商品から情報収集したり、セレンディピティを楽しめる。比較検討が容易
試用・体験:高額品や使い勝手を重視する「見て触って試してから買いたい」、ECの返品交換の手間が嫌
多目的:食料品から衣類雑貨の購入、食事までワンストップで済むSC。 「〇〇×買い物」で時間消費対応
こだわり対応:ギフトは詰め合わせやラッピングに拘りたい。カスタマイズサービスや限定商品を目的に来店
次にオンライン販売及びオフライン(リアル)販売のメリット・デメリットを、比較しながら整理してみます。
オンライン販売のメリットとしては、下記の要素が挙げられます。
情報を配信するまでのスピードが早い。修正が簡単。
顧客接点を持てる人数や客層が圧倒的に多い
経済コストがオフラインよりも安価で設計しやすい
ターゲットを細かく絞り込める
そしてデメリットは次のようになります。
Webの知識やスキルを求められる。常に技術動向の把握が必要
必ずしも情報を見てもらえるとは限らない
顧客との信頼関係を築くためには、工夫や仕組みづくりが必要になる
一方オフライン販売の方は、基本的にはオンライン販売の特性の反転になります。
メリットは
実際に顔を合わせる顧客接点では、顧客の興味を喚起し。信頼関係を築きやすい。
接客・営業・展示会・セミナーなど多彩な形式で実際に商品・サービスを体験してもらえるので、興味を持ってもらいやすい。
顧客の状況に合わせて臨機応変に対応でき、最適な商品・サービスを提供しやすい。
デメリットは
顧客接点を持てる人数が限定的
人的リソースや時間的コスト、経済的コストがかかる
さらに「情報の受発信環境」の特性の視点で、マトリクス整理してみます。縦軸に頭脳的/身体的、横軸に可視/不可視を設定した4つの象限で表現すると、オンラインでの受発信が有効なのは「可視&頭脳的」領域に偏ってしまいます。情報の受発信環境において「可視/不可視&頭脳的/身体的」領域を全体的に網羅できるオフライン(リアル環境)の優位性は明確です。
以上をまとめると、「利便性・スピード、規模・効率性に勝るオンライン販売」に対して、「買い物に伴う、情緒性や身体性など様々な体験そのものを楽しみ、関係・信頼を築くオフライン販売」という特性になります。この特性を踏まえて顧客接点プレイスの可能性を検討します。
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