top of page
検索

都市再開発の可能性

昨日  (一社)国際文化都市整備機構の全体会議があり、東工大の中井検裕教授に本年度の研究テーマである「街のコンテンツ(横丁文化)を継承する都市開発」に因んだ基調講演をいただきました。

市場や横丁などの低密利用エリアを一掃して、公開空地を伴う高層ビルを作るのが一般的な都市再開発と思い込んでいたのですが、新橋駅前ビルなどのように横丁を再現したような市街地改造の手法や金沢の近江町市場のように賑わいと風情を残した再開発などの事例を提示いただきました。

要するにひたすら高度利用ばかりを目的化しないで、権利者調整の手間を掛ければ都市再開発においても工夫はできるという事だそうです。

「標準化を基軸にしたグローバル価値」と「固有化を基軸にしたローカル価値」との併存が都市の魅力であり、森記念財団の都市評価においても「感性価値」の重要性が説かれています。

複合都市開発でもこの二つの価値を併存させる開発スタンスが必要で、そのローカル価値の最たるモノとして「横丁文化」を位置づけ、計画していけば良いのではないでしょうか?具体的な計画の方策などは今後の部会で検討していきますが、本年度のキックオフにふさわしい視点を提供頂けたと思います。

最新記事

すべて表示

【内容】 街歩きの「テーマ」づくり 見立てアート視点 メタ思考で街を楽しむ 1.街歩きの「テーマ」づくり 街を歩くといっても、ただ歩くだけでは、直ぐに飽きてしまいます。 体力づくりのために歩くのなら別ですが、街歩きを楽しむための「工夫」を持った方が、継続・習慣化できるのではないでしょうか。 簡単にできる街歩きの「工夫」として、「テーマ」づくりが考えられます。 「坂のある街歩き」「アニメの聖地巡礼」

【内容】 これまでの論点整理 「歩ける街」から「歩くことを楽しめる街」へ 「歩く事+αの仕掛け」が、歩いて楽しい街をつくる 1.これまでの論点整理 注目を浴びる「街歩き」ですが、誰でもが気軽に参加できる「実施率の高さ」が重要です。 健康だけでなく、コミュニティ形成や街への愛着、防災まちづくりからイノベーションまで、様々な「街づくり」の促進役として、期待されます。 街あるきの効用については、生活習慣

【内容】 回遊性に関する研究の沿革 回遊性の定義 回遊性の工夫 1.回遊性に関する研究の沿革 「回遊性」という言葉は、1990年代以降、街づくりにおいて、頻出するようになります。 デジタル大辞泉によると、元の意味は、「魚や鯨が、産卵などのために、定期的に移送する性質」ですが、これが転じて、「買い物客が、店内や商店街を歩き回る事」となっています。 「滞留時間と買い物単価とは、比例する」という研究報告

bottom of page