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都市クオリア指標の高め方⑩ パブリックアートによる交流拡張

  • 2021年11月22日
  • 読了時間: 2分

街なかでいきなり他人に声がけ出来る人は少ないと思いますが、話のきっかけになる共有体験があるとスムーズです。連れている犬や子どもがマグネットになったり、イベントや大道芸が共有体験として有効ですが、街づくりの定常的な仕掛けになるのが、パブリックアートだと考えます。西新宿のアイランドタワー前の広場に設置された「LOVEモニュメント」は SNSの背景になることで有名ですが、街の中にコミュニケーションのフックとなるパブリックアートが散りばめられていると素敵ではないでしょうか。屋外彫刻と言われた第一世代、街を彩る巨大アートになった第二世代、利用者のコミュニケーションを促す機会としての第三世代と言う流れを感じます。

期間限定のアートイベントとなった「COWパレード」は非常にインパクトのあるプロジェクトでした。様々な彩色や絵柄が施された牛のモニュメント数十体が、街の彼方此方に設置されるのです。スイス・チューリッヒの発祥で、世界各地に広まり2006年に東京・丸の内でも開催され話題になりました。「さいたまアート・トリエンナーレ」ディレクターの芹沢高志さんは「近年の芸術祭では完成したアートを見てもらう事よりも、住民を巻き込んで一緒に制作するプロセスを発信する傾向が顕著だ」とコメントされています。常設アートから期間限定、さらには芸術祭まで、パブリックにおける「コミュニケーションの誘発」が潮流になっているのです。

成熟社会におけるビジネスでは「役に立つ」から「意味のある」へのシフトが急務だと言われます。スイスの時計産業は1980年代に日本産の正確なクオーツ時計に押されて衰退しますが、2000年以降にブレゲやリシャール・ミルなどを筆頭に「時間も測れる宝飾品」として大復活を遂げています。単に正確に時を刻むだけでなく、持つ人のステイタスになる文化的なアプローチによるブランディングで成功したのです。街においても同様の戦略が必要ではないでしょうか。最新スペックのオフィスと流行の店舗での無限競争を離脱するには、アーティストの活用が有効なのです。アーティストの「意味を見える化」する能力で、時代の空気感や土地の物語を結晶化させたパブリックアートを創出していくのです。 Beyond コロナは、制作プロセスの演出や期間限定プロジェクトから空間のアート化まで、多彩な方策で「リアルな街の意味の見える化」を競う時代だと考えます。


【パブリックアートによる交流拡張:「リアルな街の意味の見える化」を競う時代】

 
 
 

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