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道の駅の未来 シン道の駅 ⑩

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2月7日
  • 読了時間: 5分

【内容】

  1. 地方創生の担い手となる「よそ者」の拠点

  2. シン道の駅による「四方良し」

  3. 日本創生のプラットフォームとしてのシン道の駅

 

 

1.地方創生の担い手となる「よそ者」の拠点

地方創生の成功事例もかなり増えて来ました。

成功事例としてよく挙げられるのが、北海道東川町の「写真の街」、長野県阿智村の「日本一の星空の街」岡山県西粟倉村の「百年の森づくり」、島根県海士町「島留学」、徳島県神山町「高速ブロードバンド環境」、などです。

いずれの事例にも共通しているのが、「やる気のある個人」を起点にして、徐々に活動の輪が広がると言う点です。

地方創生は「やる気のある個人」を如何に持続的にサポートできるのか?にかかっているとも言えます。

そして、「やる気のある個人」は、地元生え抜きではなく、外部からの転入者或いは外部を経験したUターン人材などの「よそ者」の場合が多いようです。

良く地方創生の担い手には「よそ者、若者、バカ者」が必要と言われます。

外部からの視点で見る事によって、「街の当たり前」を、魅力素材として発見することができるという内的要因がありますが、それ以上に「あいつやるなら仕方ない」「特別だから、まあ良いか」という外的な要因も関係しているのでは無いでしょうか。

縮小社会の環境下では、こういった同調圧力への配慮も必要です。

「広域との直流&オープン環境」という特性を備えた道の駅は、シニアや企業や子育て家族などの「よそ者」との接点であり、出島になるかも知れません。

道の駅は地方創生を担う「よそ者」の拠点として機能していくのではないでしょうか

 

2.シン道の駅による「四方よし」

①地方・良し

魅力的な観光資源を持つ場所を除けば、人口が1万人以下で、衰退の一途を辿る「地方」では、自立できる経済基盤が築くことは困難です。

東京をはじめとする都市部と連携したサブシステムになることで、継続的に関係人口を創出・拡大する仕組みができれば、最低限の都市サービスを維持できると共に、地域に参加する「新しい目」が、地域の魅力を再発見・編集・発信してくれるかも知れません。

「人」は他者(特に異性)の視線を意識することで、改めて身だしなみに気を使うようになると言われます。

「地方」も同様で、新しい目に晒されることを通じて、自分たちの日常を見直し、「身だしなみを整える意識」が芽生えるのではないでしょうか?

東京と連携したサブシステムによる地方創生は、ゴールではなく、スタートなのです。

 

②都市部のシニア・良し

大量退職時代を迎える社会になって、定年後の数十年を、東京郊外の住宅地で過ごす事に不安を覚えるシニアは多いと考えます。

それよりも「ワーホリ体験」を通じて、農村や漁村などに移り住み、新しいライフスタイルで暮らした方が、素敵ではないでしょうか。

新しい環境と人間関係の中で、心機一転して、無理のない範囲で生業をしながら、暮らし直した方が、充実した人生になると考えます。

おそらく、その方が子供や孫たちも、「新しい帰省先」として、喜んで遊びに来てくれます。

 

③都市部の企業・良し

若者が企業に求める価値は、「収入」だけでなく、どれだけ自分に「成長機会」を提供してくれるかにあるようです。

東京のビル群の中でオフィスワークをしているだけでなく、地方と連携することで、地域課題に取り組みながら、自然や伝統文化に触れることが、大切な成長機会になり、それが企業の求心力につながるのではないでしょうか?

 

⑤都市部の子育て・良し

地方の10代20代の若者が東京を目指し、東京に住むようになって一世代(30年ほど)すぎると、東京が生まれ故郷という人ばかりになってしまいます。

東京の人工的な環境での体験と、受験偏重の教育制度で育った子供たちに、どんな未来が開けるのでしょうか?

都市と地方とが「対になる」ことによって、生活に潤いとハリが生まれると素敵だと考えます。

「ふるさと留学」を体験し、生きる力を養い、成長することを通じて、その場所が「新しい故郷」として記憶に刻まれると、その子の人生が豊かになります。

 

3.日本創生のプラットフォームとしてのシン道の駅

都会での暮らし、もっというと「都市人生」を豊かに拡げるサブシステムとして、地方創生を考えるべきだと考えます。

オープンマインドで、広域と直流関係にあり、オープンマインドな空気が確保でき、閉鎖的なしがらみが少ない、道の駅こそ、関係人口の創出を経て地方創生を推進する拠点になると確信します。

「移住」というと構えてしまいますが、もう少し気軽に「移動体験」を考えてみて良いと思います

住居のサブスクサービスが立ち上がり、都市部と地方とを結ぶネットワーク上に、サブスク方式の拠点を持つことが出来ると、非常に魅力的なライフスタイルがイメージされます。

国内のクリエイティブ人材だけでなく、「2〜3年であれば日本で仕事しながら、イロイロな体験してみたい」というグローバル人材の招聘にも有効ではないでしょうか。

単に都市部シニア、企業、子育て家族に、選択肢を提供するだけでなく、地方の様々な魅力を実感させ、次世代のライフスタイルを提案し、国内外から多彩な利用者を招き入れるプラットフォームにつながると考えます。

「シン道の駅」は、都市生活を見直し、都会人の人生に潤いとハリを与え、日本を輝かせる次世代のプラットフォームづくりなのです。

 

 
 
 

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