top of page
検索

迎賓館の魅力と限界

先日 赤坂の迎賓館を見る機会がありました。面倒な予約などなく一般公開されるようになり、かなりの見学者で賑わっていました。正面ホールから羽衣の間などの本館と主庭を見て回り、ベルサイユ宮殿をモデルにしながらも、日本独自の工芸と職人技を凝らした建物細部について解説を受けるのです。国賓をもてなすために国が威信をかけて建造されており、今の世の中でこれと同等のモノが作れるとは思いませんが、やはりベルサイユ宮殿のミニチュアなのです。そういう意味で日光東照宮や桂離宮とは違います。贅を尽くしたという意味では本物に軍配が上がりますし、上質な素材やこだわりの職人技という意味でも同じような解説に聞こえるので、外国人観光客たちはスタスタと見学していきます。国賓が彼らと同じとは言いませんが、上から目線で見られて「日本もなかなか頑張っているネ」と言われている気がしてしまいました。星野リゾートの星野社長が「ホテルフレームの中でのハード&ソフトでは欧米ホテルに敵わない。旅館というフレームを外国人対応にアレンジして、初めて評価され、認められる」と言っているのと同様の戦略が必要な気がしました。

最新記事

すべて表示

【内容】 街歩きの「テーマ」づくり 見立てアート視点 メタ思考で街を楽しむ 1.街歩きの「テーマ」づくり 街を歩くといっても、ただ歩くだけでは、直ぐに飽きてしまいます。 体力づくりのために歩くのなら別ですが、街歩きを楽しむための「工夫」を持った方が、継続・習慣化できるのではないでしょうか。 簡単にできる街歩きの「工夫」として、「テーマ」づくりが考えられます。 「坂のある街歩き」「アニメの聖地巡礼」

【内容】 これまでの論点整理 「歩ける街」から「歩くことを楽しめる街」へ 「歩く事+αの仕掛け」が、歩いて楽しい街をつくる 1.これまでの論点整理 注目を浴びる「街歩き」ですが、誰でもが気軽に参加できる「実施率の高さ」が重要です。 健康だけでなく、コミュニティ形成や街への愛着、防災まちづくりからイノベーションまで、様々な「街づくり」の促進役として、期待されます。 街あるきの効用については、生活習慣

【内容】 回遊性に関する研究の沿革 回遊性の定義 回遊性の工夫 1.回遊性に関する研究の沿革 「回遊性」という言葉は、1990年代以降、街づくりにおいて、頻出するようになります。 デジタル大辞泉によると、元の意味は、「魚や鯨が、産卵などのために、定期的に移送する性質」ですが、これが転じて、「買い物客が、店内や商店街を歩き回る事」となっています。 「滞留時間と買い物単価とは、比例する」という研究報告

bottom of page