top of page
検索

観光産業3.0④ 観光におけるSNS革命

観光産業におけるオンラインの影響には二段階あると考えます。まず前述したように旅先の情報をネット検索し、チケットを直接ネット購入する段階があります。その次がスマホの普及で一気に広がったSNSを含めた個人発信の口コミ情報があります。代表的な観光地情報しか掲載されない旅行情報誌ではなく、「旅行者の9割が身近な人の SNS 投稿をきっかけに旅の目的地を選ぶ」(民泊・ホテルテックメディア Airstair2019調査)と言う調査結果が示すように、 SNSを通じた口コミ情報の影響度は年々高まっています。さらに大きな影響を与えているのが「インスタ映え」です。30代・40代がSNS 映え消費で使用した内容は「旅行・観光」が55%で最多(男性:60.9% 女性:49.2% / 30代・40代の金銭感覚についての意識調査・ SMBCコンシューマーファイナンス2018)になっています。つまりインスタ映えが旅行・観光の大きな目的になりつつあるのです。兵庫県朝来市にある竹田城跡の雲海に浮かぶ姿が「天空の城」として話題になった事は記憶に新しいと思います。このように SNS に投稿された写真をきっかけとして観光行動が変化する事例が、各地で見られるようになっています。観光におけるカスタマージャーニーでも ①SNS 上で認知し「いいね」などのエンゲージメントをすることで好感度を高め、②タグ検索で比較検討し、③ネットで予約し催行する。④その後の自分の体験をSNS 投稿し、⑤その投稿を見たユーザーが認知し「いいね」をすると言う循環が生まれています。そこでは「他にはない体験」「誰も知らない風景」が価値を持つのです。

比較的検討期間が長いと言われる観光産業では、 SNS を活用して潜在顧客とのつながりを持ち、興味・関心や好感度を高めていくことが来訪者を増やすきっかけになるのです。

情報発信の担い手や情報伝達のスピードが大きく変化し、著名な観光地だけが載っている旅行雑誌への広告掲載では、もはや誘客は難しいと言う事です。

最新記事

すべて表示

【内容】 1.墨田区立川3丁目の奇跡 2.地域の再構築 3.「初心者1st」で組み上げ直す 1.墨田区立川3丁目の奇跡 廃れた「お祭り」を、「子ども」をきっかけにして復活させた事例があります。 20年以上前は、神輿の担ぎ手は同好会頼り、盆踊りは高齢者のカラオケ大会になってしまい、新しい担い手が寄り付かなかった「立川3丁目の夏祭り」は、地元の久保田健一さんの奮闘を中心に、蘇りました。 神輿の担ぎ手を

【内容】 1.これまでの振り返り 2.お祭りの構造を再考する 3.お祭りアップデートの方向性 1.これまでの振り返り ①全国に30万あるといわれる日本の「お祭り」は、2016年「山・鉾・屋台行事」,2021年「来訪神:仮面・仮装の神々」として、ユネスコ登録され注目を浴びます。華やかで参加性もあり、インバウンドにも人気な一方で、担い手不足などで、消滅の危機に瀕した祭りが多い状況です。 ②お祭りとは、

【内容】 1.「〇〇不足」の根本原因 2.日常と非日常とのズレ 3.誰のためのお祭りなのか? 1.「〇〇不足」の根本原因 「お祭りの魅力・効用」と同様に、「お祭りの課題」として挙げられるの、下記の4点です。 ①人手不足 ②資金不足 ③宣伝不足 ④アイディア不足 では、何故このような「〇〇不足」に陥るのでしょうか? お祭りの魅力が、「日常の中の、非日常性によるガス抜き」だとするなら、この「日常と非日

bottom of page