【内容】
マーケティングの進化への対応
スポンサー広告と一般広告との違い
多様性を求められる企業活動
文化施設スポンサードの可能性
1.マーケティングの進化への対応
テレビなどのマス広告は、「認知」を広げるには有効ですが、ニーズが高度化した日本のような成熟市場では、必ずしも売り上げに直結する訳では無く、より進化したマーケティング手法が求められています。
「認知→関心→検討→購入」というマーケティング・ファネルを作動させるには、第一段階の「認知」させるだけで無く、第二段階の「関心」につながる、「共感」や「ファン」など「自分ごと化」できるアプローチが必要になります。
コンテンツやチームを支援することで、付帯するファンの好感を得られる「スポンサード」は、「関心」につながるマーケティング手法として非常に有効といえます。
2.スポンサー広告と一般広告との違い
スポンサードの特性を整理するために、(テレビ)広告と比較すると、
ⅰ)一般広告が、スポーツ観戦を遮り、一方的・直接的なメッセージを押し付けるのに対して、スポンサード広告は、間接的に文脈に沿った伝達メッセージとなっています。
ⅱ)受け取り手となる消費者の視点からみると、一般広告主は利己的に映り、受け入れに慎重になるのに対して、スポンサード広告主は、チームを助けるパートナーとして捉えられ、その発信メッセージも好意的に、受けられることになります。
さらにSNS時代には、受け取り手が終着点ではなく、口コミの2次発信者にもなります。
SNS 時代に対応したマーケティングを考えると、この好意的な受け取り効果は非常に有効ではないでしょうか。
従来の「認知」を目標にしたマス広告の効果に翳りが見え、「共感」や「ファン」の視点が重視されるようになっています。
コンテンツのファンに寄り添う形で、共感・好感を得られる「スポンサード」は、非常に有効なマーケティング手法だと言えます。
3.多能性を求められる企業活動
個人が学校の偏差値だけで評価されないように、法人(企業)も売り上げや利益だけではなく、様々な評価指標で判断される傾向にあります
SDGs的な活動は、環境や人権などの「外部的な継続性への投資」と見做され、健康経営的な活動は、従業員の身体的、精神的健康などを通じた「内部的な継続性への投資」と評価されるようになっています。
企業は内部・外部ともに、より「長期的な成長継続性」が評価される時代になっているのです。
このような前提を踏まえると、「営業活動」か?「社会貢献」か?という二元論ではなく、生き甲斐、働きがいを含む広義の福利厚生や、社員の教育機会として、或いは新規事業の開拓につながる人材獲得・イノベーション機会として、多様なCSV活動を展開することが、本業への還元につながると考えられます。
4.文化施設スポンサードの可能性
進化したマーケティングへの対応と、企業の多様な CSV活動の舞台としての可能性などを前提にすると、文化施設のtoB戦略の有効性が浮かび上がってきます。
次世代のスポンサードは、従来のように一方的に金銭支援される「協賛」ではなく、企業の課題を共に解決する「対価」として、収益化できるのではないでしょうか。
文化系集客施設と企業とは、共創するパートナーとしての、関係構築が可能だと考えます。
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