top of page

次世代の都市評価指標⑧ 街づくりの貢献価値

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2021年10月25日
  • 読了時間: 2分

新しい都市評価指標が目指す効果として①生産性向上による事業者メリット②口コミ発信による商業者メリットがある事は前述しましたが、さらに③ソーシャルキャピタルの向上による社会メリットが想定されます。

具体例として下記の6点が挙げられます。

  1. 契約や交渉などにおいて無駄な認識共有や対立が回避され、時間・手間コストが削減できる。

  2. 相互に協力的なコミュニティが育まれ、公共サービスなど公共活動の効率化と公共空間破壊低減などのコスト低減が想定される。

  3. 高齢者を含めて健康状態を維持できることによる医療・福祉コストの削減が想定される。

  4. 帰属意識の高まりにつれ、地産地消志向をはじめとした地域内で経済サイクルが自律化し、地区外への需要漏出を防ぎ所得水準が向上する。

  5. 警備・防災などリスク対応コストが軽減できると共に、観光・宿泊や飲食など集客型サービス業の隆盛が想定できる。

  6. 失敗回復の安心感と信頼とに基づき、準秘密情報の交換を通じた連携やビジネスチャンスが拡大する。


これらのインパクトは健康経営や SDGs の文脈に通じる社会的評価で、対象エリアに拠点を置く事業所の経営資源として貢献すると共に、全体の生産性向上分は街づくり推進者に還元されるべきと考えます。経営資源のプラットフォーム事業として街づくり推進者の貢献価値を見える化するため、幸せ実感及びその継続・拡張要素をデータ定量・指数化し九段階に格付けしてはどうでしょうか。ランキングなどの相対評価ではなく、定期査定され変動する絶対評価として格付けすることによって、街づくり推進者(ディベロッパー)の企業価値に反映される要素になると考えます。


 
 
 

最新記事

すべて表示
シンふるさとの未来 シンふるさと論 ⑩

【内容】 1. 未来の日本社会における「ふるさと」の変容 2. 日本の未来社会の特徴 3. 「ふるさと」の概念を活用した日本の都市の国際競争力向上 4. 【シンふるさと宣言】 1.未来の日本社会における「ふるさと」の変容 ...

 
 
 
シンふるさと論の功罪 シンふるさと論 ⑨

【内容】 良い影響 悪い影響 影響をどう活かし、どう克服するか     「シン・ふるさと論」は、日本社会の都市と地方の関係性を再構築し、新たなふるさとの概念を生み出す可能性を秘めています。 本稿では、その良い影響と悪い影響を整理し、どのように活かし克服すべきかを考察します。...

 
 
 
方策3 「共創ふるさと」構想 シンふるさと論 ⑧

【内容】 新たにふるさとを共創する視点 共創するための方策 多様な人たちを巻き込む効果     1.新たにふるさとを共創する視点   これまで「ふるさと」は、その地域の出身者が受け継ぐものと考えられてきました。 しかし、人口減少が進む現代では、「受け継ぐ」だけでなく「新たに...

 
 
 

Comments


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page