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次世代の沿線価値 ⑥ 脱・消費者思考:ファースト・コミュニティとしてのマチラボ

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年8月8日
  • 読了時間: 3分

これまで郊外都市は都心ワーカーにとって、基本的に眠る&休日だけの役割の街でした。働く場と遊ぶ場は都心にあり、その間を往復しながら使い分けしていたのです。ディナーレストランや高級専門店は都心にしかなく、郊外ではランチ対応のチェーンレストランとロードサイドの量販店で我慢するしかありませんでした。この図式が大きく変わります。大人が郊外で過ごす時間が増えるにつれ、多彩な都市型サービス施設へのニーズが高まる可能性があります。ただしここで問題が出ます。これまで都市型サービス施設の利用シーンは、会社コミュニティが中心でした。ところが郊外にはこの受け皿となるコミュニテイが存在しないのです。これまでの眠る&休日を過ごす郊外都市において、豊かな自然環境や都心から移転してくるサービス施設を使いこなすコミュニティを育成する必要があるのです。

これからの沿線ビジネスを考える上での「リソース」と「ニーズ」とはなんでしょうか?中央線沿線を例に取ると、まずリソースとして、①農地を含めてアウトドア環境が近い ②多彩な趣味やスキルを持った人が多い ③その延長として地元愛の対象となる個性的な街が多い などが挙げられます。ニーズとしては、通信環境を含めてリモートワークに適応できる人たちは、浮いた通勤時間分を活用してアクティブライフを楽しめるけれど、そんな人たちはむしろ少数派で、これまで会社人間で、家族との距離感やON/OFFの切り替えに苦労する「リモートワーク・ライフ低適応」な人たちが大多数ではないか?と推察します。

そんな人達のリモートワーク&ジモティライフへのリハビリ・サポートが必要ではないかと考えます。これまでの会社中心ライフから、フルタイムでのお家ライフに移行する支援機能が、通勤で慣れ親しんだ駅周辺にあると、非常に納得感があって魅力的だと考えます。着眼点としては①これまでの会社中心の時間割を、自分でどう管理していけば良いのかわからない。②これまでの仕事中心のコミュニケーションを、地元にどう結びつけていけば良いかわからない。③通勤や商談で確保されていた歩行距離がなくなり運動不足で、どう健康管理していけば良いかわからない。 こういった人たちにライフスタイルをシフトさせるきっかけづくりが必要です。それには家人でも会社人でもなく、街に関われる第三の役割として会員制の「街の研究所:マチラボ」を提案します。マチラボは研究所ですから、街に関して調べるために調査・ヒヤリング・発表を行います。研究所ですから、実験・トライアルを行います。研究所ですから、行政を含めて色々な相談事が舞い込むかもしれません。このような活動を通じて「地元の人・コト・街との関係強化」が図れるのではないでしょうか。自分投資を基本としながら、趣味づくり半分、仲間づくり半分ですから、自分がやりたいテーマを街に絡めながら、研究員の肩書のもと地元でフィールドワークしていきます。

ジモティライフへのリハビリに必要なのは、「サードプレイス」だけでなく「サードポジション」なのです。そんな人たちのファースト・コミュニティを作り出す会員制ビジネスとして「マチラボ」が駅にあると助かると考えます。

 
 
 

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