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様々なアクティベーション展開:文化施設のtoB戦略 ⑤

【内容】

1.アクティベーション下手な日本企業

2.様々なアクティベーション事例

3.アクティベーション展開の必要性



1.アクティベーション下手な日本企業

スポンサーアクティベーションとは、スポンサーの権利を有効活用する方策のことです。

チームのロゴが使える、選手の肖像権をCMに活用できる、看板にロゴが掲出される、などが挙げられます。

スポンサー権を保持するだけでは価値を生まないので、如何に効果的に活用し、企業価値を高めるのか?に知恵を絞らなければならないのですが、どうも日本企業は下手なようです。

権利活用予算の欧米企業との比較した研究では、権利料:活用料との比率が、海外企業は1.0

:2.2なのに対して、日本企業は1.0:0.4に留まり、実に5倍以上の開きがあります。

スポンサーになる事が「ゴール」ではなく、「スタート」なのだという認識が必要ではないでしょうか。


2.様々なアクティベーション事例

①英国タイヤメーカーのダバンディ社は、サッカープレミアリーグのエバートンのスポンサーとして、同チーム本拠地のスタジアムに、海外ディーラーを集めて国際カンファレンスを開き、認知度と好感度を高めました。

②飲料メーカーのエビアン社は、2018年のテニス全米オープンのプレイベント会場で、ハッシュタグ付きで SNS に写真投稿すると、抽選で決勝戦の観戦チケットが当たるキャンペーンを展開し話題になりました。

③住宅リフォーム業のロウズ社は、2020年のNFLスーパーボウルのプレイベントで、 NFL全32チームのホームタウンやスタジアムをモチーフにしたブース型モデルルームを制作し、

「Bring it Home(家にNFL の思い出を持ち帰ろう)」というキャンペーンを展開しました。

④ペットフードのピュリナ社は、2023年メジャーリーグサッカーに新規参入した地元セントルイス・シティSCのスタジアムで、ペット同伴での試合観戦やペットの里親募集を企画し、「リーグで最もペットに優しいスタジアム」をアピールしています。


このように海外では、単にユニフォームや看板にロゴを露出させるだけでなく、スポンサー対象の知名度などのリソースに、自社の特徴や強みを掛け合わせたキャンペーンを展開しています。


3.アクティベーション展開の必要性

これまで見てきたように、スポンサーシップは、様々に活用して初めて効果を実感できるようです。

少なくとも下記のような活用方策が想定されます。

①企業ロゴの掲出によるブランディング

②接待・カンファレンスなどのセールスマーケティング

③福利厚生などのインナーマーケティング

④新規商品・サービス開発などのR&D

⑤社会や地域貢献


日本の場合は集客施設におけるスポンサードでも、①ブランディングや⑤地域貢献としてのスポンサード活用に留まっているのでは無いでしょうか?

②セールスマーケティング、③福利厚生、③ R&D などを想定した施設整備とプログラム企画が必要だと考えます。

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