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日本型サードプレイスの条件:日本型サードプレイスの提案 ⑥

【内容】

  1. 居場所だけでなく「役割」の必要性

  2. 全体感・実感の充足

  3. アゲル仕組みの有効性


1.居場所だけでなく「役割」の必要性

日本型サードプレイスを考える際に、最も重要なことは、「日本人は積極的にコミュニケーションしていく事が苦手」という前提ではないでしょうか。

「自ら外出して、周囲を巻き込んで、自分の居場所を作る行動が苦手」な人がマジョリティだと言う事で、このマジョリティの行動変容を促すには、場所だけではなく、「一定の役割」を示した上で、「トライする機会」の提供までの、パッケージが必要なのだと考えます。

居場所だけでなく「役割」が必要だと言うことです。

その意味で、これから求められるサードプレイスは、カフェやスナック、居酒屋などの消費的な場所だけではなく、「緩やかな生産の場」だと考えます。

人生100年時代を支えるのは、「週に何度か通って、作業しながら、人と対話して、若干の収入になる:緩やかな生産型サードプレイス」だと考えます。


そして「役割」として大切なのが「自尊マインド」ではないでしょうか。

高齢者の仕事というと、駐車監視員(緑のおじさん)をはじめ、建物・駐車場の管理及び清掃、公園などの除草作業など、シルバー人材センターなどに依頼のある「現業系の作業」がイメージされます。

しかし、「現行系の作業」だけを切り出してしまうと、「自尊マインド」が満たされないため、コミュニティを伴う「緩やかな生産型サードプレイス」にはなりません。

「自尊マインド」に対する配慮が重要なのです。


2.全体感・実感の充足

公園や道路の美化や安全、地域の生活環境の改善などの「様々な地域マネジメント業務」において、「自尊マインド」を尊重するには、「維持管理などの現行だけを分業するではなく、企画から運営・管理まで一括業務にする事」が有効だと考えます。

激安ショップの「ドン・キホーテ」が、コマ割りされた棚に新人を含めて担当者をつけ、「仕入れから陳列、販売まで一括して任せる仕組み」にしたと聞いたことがあります。

販売と購買の担当を分けるのではなく、「自分が企画し、仕入れた商品を責任持って売り切る」という全体感と実感が、大きなモチベーションと成果につながっていると言います。

たとえ仕入れに失敗したとしても、コマ割りが小さければ、損失リスクも軽減できます。

生産効率を優先させた「分業」ではなく、「全体感」の提供と、お客を始め様々な人との「交流」を通じた「実感」が重要なのではないでしょうか。


3.アゲル仕組みの有効性

さらに「自尊マインド」を向上させるには、企業で部長職まで勤めた人の、退職した後の、「宙ぶらりん感」を払拭する必要があります。

少しベタかも知れませんが、「〇〇さん、凄い」「〇〇さん、頑張って」という「応援(チア)スタッフ」などのアゲ仕組みは有効だと考えます。

日本人の仕事観には、もともと「道の思想」が、組み込まれていました。

茶・華道や柔・剣道だけでなく、野菜作りや寿司道・ラーメン道など、モノづくりやサービス業まで、仕事のプロセスを通じて人格に磨きをかける意識があるのです。

その意識を応援することでモチベーションが維持できます。


全体感・実感とアゲル仕組みが有れば、「緩やかな生産型サードプレイス」は、街の様々な場所で、展開可能だと考えます。

次回以降、3つの提案例を検討します。

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