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日本の都市と防災の歴史 防災まちづくり ③

  • 2023年11月1日
  • 読了時間: 3分

【内容】

1.ほぼ毎年起こる自然災害

2.防災の歴史

3.東日本大震災の教訓


1.ほぼ毎年起こる自然災害

近年発生し、大きな被害を出した地震を挙げると下記のようになります。

①2022年:宮城県・福島県・震度6強・死者3人・家屋全壊204棟

②2021年:宮城県・福島県・震度6強・死者1人・家屋全壊69棟

③2018年:北海道・胆振東部地震・震度7・死者43人・家屋全壊469棟

④2018年:大阪北部地震・震度6弱・死者6人・家屋全壊21棟

⑤2016年:熊本地震・震度7・死者211人・家屋全壊約8000棟


また台風・大雨による被害も、毎年発生しています、

①2022年:東北・北陸地方の長期的な豪雨

②2021年:梅雨前線による長野県・中国・九州地方の記録的な水害・土砂災害

③2020年:梅雨前線により、本州全域で豪雨となり、死者・行方不明者86年を出す。

④2019年:台風19号が関東地方に上陸し、死者105名・被害総額1兆8600億円。

⑤2018年:台風21号が近畿地方を直撃し、関西国際空港の連絡橋が破損。


このように、ほぼ毎年、死者や住宅損傷を伴う地震・台風などの自然災害が起きている事が分かります。


2.防災の歴史

古来、日本における自然災害は日常生活の一部であり、「防災」行動として意識的に区別する事はなかったようです。

江戸時代になり、為政者により、「治水」が行われるようになると、役割分担が明確になりだします。

明治時代以降は、「治水」が行政の管掌となり、専門化され技術の向上が図られます。

第二次対戦後、河川改修や耐震化などのハード対策を通じて、被害を抑止することに主眼が置かれます。

一方で、防災の専門化により、治水をはじめとした「防災」が、日常生活から切り離されたため、その必要性について市民の理解が得られにくくなり、避難などの対策が不十分と指摘されてきました。

ところが、1995年の阪神・淡路大震災でその限界が露呈したことを契機にして、「減災や復旧」を重視すべきだという考え方が強まります。


3.東日本大震災の教訓

さらに2011年の東日本大震災で、この課題が再認識されます。

この未曾有の大災害において、岩手県釜石市の小中学校の生徒約3000人は、ほぼ全員無事でした。

釜石地方には、過去の三陸地震での津波被害の経験を踏まえて「津波てんでんこ:地震を感じ、津波が来ると警報が出た時には、家族のことは構わずに、自分一人が助かることを考えよ」という教訓が語り継がれていました。

※「てんでん」は「それぞれ、各自」を意味します。

東日本大震災では、必死に避難する小中学生の姿を見て、住民たちも避難し始めたという状況がありました。

釜石の奇跡は、この「津軽てんでんこ」が生かされ、災害発生時に迷うことなく避難場所に移動できたからだと言われています。

東京大学の片田敏孝氏も、「率先避難者たれ」として、まず自分が避難することの重要性を説いています。

生存者は「自分だけが生き延びてしまった」という思いを、抱くかもしれませんが、「てんでんこ」に対しての共通認識があれば、「誰も共倒れになる事を望んでいない」という、自責感の軽減にもつながります。


東日本大震災の復興構想会議の提言では、「避難」を基本にした防災教育や、ハザードマップ整備などの防災対策を重視することが謳われています。

 
 
 

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