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施策1プロデュースとしての接客業 おもてなし2.0 ⑦

【内容】

1.おもてなしで期待値を高める

2.(1/100)3乗戦略で付加価値メニューを提供

3.プロデュースとしての接客業



1.おもてなしで期待値を高める

接客業の生産性を高めるための、最もわかりやすい方法は、「客単価」のアップです。

「サービスはタダ」と考える日本人ではなく、「対価を支払う」インバウンドを中心に設定してはどうでしょうか。

「RYOKAN(旅館)」というインバウンド向けのプラットフォームの上で、上質なサービスを高単価で提供する「星野リゾート」が、ロールモデルになると考えます。

「星のや京都」における日本文化の体験メニューは、鵜飼の鑑賞:10.2万円、華道体験:7.6万円(2人)、ホタル狩り:1.65万円となっています。

おもてなしとして、日本人が得意とする「丁寧できめ細かな」サービスを提供することで、期待値を高めていきます。

その上で、様々なオプションサービス、日本文化の体験メニューを用意し、他では味わえない体験価値を提供して、高額な客単価を実現する仕組みです。



2.(1/100)3乗戦略で付加価値メニューを提供

体験価値に磨きをかける際に有効なのが、(1/100)3乗戦略です。

【(1/100)3乗=百万分の一】の戦略は、教育研究家の藤原和博氏やクリエイティブディレクターの佐藤尚之氏が提唱しているセルフブランディング論です。

【1/100×1/100×1/100=1/1,000,000】

一つの領域で、百万分の一の突出した存在になることを目指すではなく、1/100を複数(例えば3領域)持つことを目指す方が、効果的だという考え方です。

走力で言うと、百万分の一を目指すには、日本トップクラスの実力が必要ですが、1/100と考えれば学校での2~3クラスで一番のレベルになります。

これと掛け算になる個性を見つけて磨きをかけていく訳です。

例えば陸上選手の為末大氏のように世界最速でなくても「足が早い」×「科学的トレーニングに精通している」×「パラスポーツ・ネットワークを持つ」となると他者が追随できない 【ONLY ONE的なユニークな存在】になるのです。

先の体験価値で言えば、「珍しいコンテンツ」×「その分野の達人」×「希少な場所」と想定できます。


3.プロデュースとしての接客業

おもてなしの精神での、丁寧できめ細かなベーシックサービスが基本になりますが、それだけでは、価値の可視化が難しいのです。

宿泊施設の場合は、星野リゾートのような、特別な文化体験メニューの提供が、有効ですし、飲食施設の場合も、音楽や芸能などのプログラムと組み合わせてはどうでしょうか。

いずれの場合も、特別な場所、時間、設えで提供できると、一層 価値が高まります。

古都の「お茶屋」の発想です。

「お茶屋」には厨房がなく、店で調理する事はありませんが、料理屋や酒屋から仕出しを取り寄せ、芸妓を予約・手配することで、極上の宴席を設える仕組みになっています。

客のニーズに対応するホスピタリティを発揮するには、幅広いネットワークに根ざしたプロデュース能力が、求められるのです。

同様の構図で、「病院」「老人福祉施設」などへの展開も考えられます。

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