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方策1 シェアリング・プラットフォーム ネオ生業の時代 ⑦

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 4月18日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 第一要件としてのシェアリング

  2. シェアリングの有効性

  3. シェアリングの活用事例

 

 

1.第一要件としてのシェアリング

ネオ生業は「遊び仕事」ですから、収益性は高くなく、通常の商業施設のテナント賃料を払えるわけがありません。

かと言って「全く人通りのない場所」では、生業自体が成り立ちません。

「人通り」がそこそこ有る場所を格安の場所代で確保するための、物理的なプラットフォームとして、「シェアリング」が必要になってきます。

ベンチマークとして取り上げた「高知の日曜市」も、高知の街の目抜通りを日曜日だけシェアしていると言えます。

公共スペースの時間シェア、商業施設の朝時間や夜時間のシェア、さらに一つのスペースを複数人でシェアすることも考えられます。

ネオ生業のプラットフォームの第一要件は、「シェアリング」なのです。


2.シェアリングの有効性

シェアリングは、利用者にとって経済的メリットや利便性、社会的つながりの面で大きな恩恵をもたらします。

まず、コストを削減できる点が挙げられます。例えば、カーシェアリングや民泊サービスを利用することで、購入や維持費の負担を減らしながら、必要なときにだけサービスを享受できます。

また、選択肢が豊富であることも利点の一つです。従来の所有モデルでは選択肢が限られていましたが、シェアリングサービスでは多様な提供者から自分に合ったものを選ぶことができ、柔軟な利用が可能になります。

さらに、シェアを通じた交流により、地域コミュニティとの関わりが増え、新たな体験や人脈を得る機会も広がります。今後、規制や品質管理の整備が進むことで、より安心で快適なシステムへと発展していくことが期待されます。


3.シェアリングの活用事例

時間や空間をシェアする事例として、各3事例を挙げておきます。

【時間シェア】

  1. カフェ × 朝活ワークスペース

    • 昼間は通常のカフェ営業を行い、朝の時間帯(6:00〜9:00)をコワーキングスペースとして開放する。早朝の時間を有効活用したいフリーランサーやリモートワーカーに人気。

  2. 美容サロン × 夜のセルフエステ

    • 昼間は美容師が施術するヘアサロンとして営業し、夜はセルフエステやセルフネイルのスペースとして貸し出す。個人で美容ケアをしたい人に人気。

  3. パン屋 × 夜のクラフトビールバー

    • 朝はパン屋として営業し、閉店後はクラフトビールバーとして別のオーナーに貸し出す。パンをつまみにビールを楽しめるユニークな形態で人気。

【空間シェア】

  1. 曜日ごとに異なるシェフが営業するシェアレストラン

一つの店舗を複数人のシェフでシェアし、曜日ごとに異なるコンセプトの料理を提供。月曜はベトナム料理、火曜はイタリアン、水曜は和食など、多様なメニューが楽しめる。

  2. 地域密着型のフリーマーケットシェア

地元の作家や小規模な事業者が、定期的に自分の商品を販売するシェア店舗。シェア書店をはじめ地元の手作り商品やアート作品、ヴィンテージアイテムなどを一堂に集め、地域コミュニティとのつながりを深める。 

  3. 美容・健康サービスのシェア店舗

ネイル、マッサージ、フェイシャルなど、複数の美容や健康サービスが一つの店舗で提供されるシェア空間。異なる分野の専門家が集まり、顧客に多様なサービスをワンストップで提供できる。各サービスは予約制にして、効率的にスペースを活用する。

 

このように、店舗スペースや飲食店のシェアは、コスト削減や効率的な営業、柔軟なビジネスモデルの構築に大きく貢献します。

ネオ生業の基本は、お金を使う「消費活動」だけに時間を費やすのではなく、時間的な余裕を社会とのつながりを実感し、且つ少しお金儲けにもなる活動に費やしたいというモチベーションで、それを物理的に支えるのが、「シェアリング」プラットフォームなのです。


 
 
 

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