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方策3:ふるさと留学の体験拠点としての道の駅 シン道の駅 ⑨

【内容】

  1. 東京での子育ての不安

  2. 教育のサブシステムの必要性

  3. 「ふるさと留学の体験拠点」としての道の駅

 

 

 

  1. 東京での子育ての不安

近年 軽井沢がインターナショナルスクールや風越学園の設立で注目され、教育移住が活発になっています。

このように、東京における偏差値志向の受験制度に対して、不安と疑問を抱く保護者も少なくありません。

変化が大きく、未来を見通すことが難しいこれからの時代には、未来を自分の手で作っていける人材が求められています。

大学入試も主体性や協働性、探究性が問われるものに代わろうとしています。

意識が高く、社会の変化に敏感な保護者にとって、「これからの社会を生き抜く力を育む」方法として、「地方での子育て」が有効であると認識されつつあるのではないでしょうか?

 

  1. 教育のサブシステムの必要性

「学びの場」としての地方創生を実現した事例として、島根県の海士町の「島留学」があります。

海士町などの離島では、本土よりも早いペースで人口減少が続いていました。

海士町の県立隠岐島前高校でも生徒は減少の一途をたどり、2008年度の生徒数は全校で90人しかいませんでした。

「このままでは廃校になってしまう」

そこで始まったのが「隠岐島前教育魅力化プロジェクト」で、全国の高校生を対象にした「島留学制度」でした。

「島まるごと学校。島民みんなが先生」のキャッチコピーのもと、島留学生には一人ずつ「島親さん」と呼ばれる島民がついて島の生活に馴染むサポートがあります。

夕飯に呼ばれたり、夏祭りの一緒に行ったりする中で、地域の人たちとつながっていきます。

高校の生徒数は160人を超えかつての2倍に増えています。

さらに2019年からは、全国各地の若者が活用できる「大人のための島留学」がスタートしました。

  1. 3ヶ月の滞在型のインターンシップ制度の「島体験」

  2. プロジェクトに就労しながら、1年間お試し移住できる「大人の島留学」

  3. 2年間、複数の仕事を体験しながら新しい島の働き方を探究する「複業島留学」

などのメニューを準備しています。

3つの制度を利用した200人のうち、20人が就職・移住していると言います。

「島留学」という発想は全国に広がり、2017年には、全国の留学先を案内する「地域みらい留学」という取り組みが生まれ、25道県、68校が参加しています。

 

  1. 「ふるさと留学の体験拠点」としての道の駅

海士町の事例は極端かもしれませんが、東京での子育てに不安を感じている人たちに対して、「ふるさと留学の体験拠点」として道の駅を活用してはどうでしょうか。

いきなり「ふるさと留学」するには勇気が必要ですので、道の駅に滞在しながら、近接の学校に通ってみて、相性の良し悪しを試してみるのです。

その上で本格的な「ふるさと留学」の可否を判断するのであれば、ハードルは随分下がると考えます。

人は成長を実感した時期に過ごした場所を、「ふるさと」として記憶すると言われています。

最も多感で、成長する10代を地方で過ごすということは、その学校や街の卒業生にとして貴重な関係人口の創出につながります。

こうして生まれる「ふるさと」は、本人にとって、その後の活動拠点の一つとして、常に選択肢に残る場所になるのだと考えます。

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